足の土踏まずがない!扁平足になる原因は?改善方法も解説
足に土踏まずがない、扁平足になっているかも?と不安になる人もいるでしょう。扁平足になると、足の疲れやむくみを感じる人もいます。
「扁平足になったのはなぜ?」「改善する方法はある?」このような疑問を持つ人もいるかもしれません。
そこで今回の記事では、扁平足の原因やセルフチェック方法を詳しく解説します。また、予防方法を詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
扁平足とは?原因とともに知っておきたい基礎知識
扁平足と耳にしたことがあっても、どんな症状でどこが痛むのでしょうか。ここでは、扁平足の症状と基礎知識を詳しく解説します。
扁平足とは?
扁平足は、足のアーチが崩れ、土踏まずがない状態のことです。扁平足の人が激しい運動をすると足が痛むこともありますが、扁平足は病気ではなく、足の変形の一つだと言えます。
私たち人間の足は、横アーチ・内側縦アーチ・外側縦アーチの3つのアーチで支えられています。扁平足は、この中でも内側縦アーチが崩れ、横から見ると平らになった状態です。
このアーチが全体重を支えるとともに、歩行時には足にかかる衝撃を分散してクッションの役割をしています。
症状は?
扁平足で地面からの衝撃を吸収しづらくなると、足回りの筋肉や関節などに負担がかかります。軽度であれば、足裏や足首に痛みや疲れを感じやすくなる程度です。
ですが扁平足は、外反母趾・有痛性外脛骨・アキレス腱周囲炎などさまざまな足のトラブルの原因になることも。さらに症状が悪化すると、足関節の柔軟性が失われ、歩きづらくなります。また姿勢の悪さから頭痛や腰痛を引き起こすこともあります。
※外反母趾とは、足の親指の関節が小指側に曲がっている状態で、40代から60代の成人女性によくみられる症状です。
→関連記事:外反母趾の意外な原因と靴下も含めた予防・緩和策を解説
痛む場所は?
扁平足になったからといって、すぐに痛みが出るわけではありません。しかし、症状が進むと、足が重く感じ、足首がむくむこともあるでしょう。
さらに足関節の靭帯や腱の付いている場所に腫れや痛みが出ることがあります。くるぶしの内側付近が、痛む人もいるでしょう。
扁平足になると足のクッションがない状態になるため歩くときの衝撃が吸収されず、土踏まずや足の裏、足の外側に痛みを感じる人もいます。
子どもの扁平足は?原因と対策方法
お子さんの足に土踏まずがない、扁平足になっているのではと気になるお母さんもいるかもしれません。しかし、子どもの足は多くの場合土踏まずがない状態であるため、扁平足を心配する必要はありません。
ここでは、子どもの足と扁平足の関係について詳しく解説します。
原因
幼児の頃は、土踏まずのない状態が通常の形です。土踏まずが形成されるのは、成長が進んだ8歳ごろと言われます。幼児期の扁平足は、関節を支える靭帯がまだ発達しておらず、かかとが外を向いてアーチが十分に形成されないことが原因です。
歩く機会が増えると次第に靭帯のゆるみが解消し、アーチが作られていくでしょう。一方で、変形が強い足は先天的な病気が原因の場合もあるため、整形外科の受診をおすすめします。
予防と対策
幼児期の扁平足は、多くの場合、成長とともに改善されます。しかし、現在では交通機関の発達や防犯意識の高まりなど、生活習慣が昔とは変わったことで、子どもが足を使う機会が減っているとも言われます。
そこで、積極的に生活の中で子どもが裸足で過ごす習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。足指を使う機会を増やして、足の筋肉を鍛えることも大切です。
子どもの足の筋肉を鍛えるには、つま先立ちや足指じゃんけんをおすすめします。足指じゃんけんは、その名の通り足の指を使ってじゃんけんをする遊びです。
また、足の骨格は12~13歳までに形成されるため、柔らかい子どもの足をしっかり支え、足にあったこの時期の靴選びも非常に大切です。
【足指じゃんけん】
- グー:足指をすべて内側に折り込む
- チョキ:親指だけ外側、残りの4指を内側に折りたたむ
- パー:5本の指をすべて開く
エクササイズとしてであれば、パーとグーを繰り返すだけでも効果を感じるはずです。足の筋肉をストレッチすることで、扁平足や浮き指など、足のトラブルを防ぎやすくなります。
→関連記事:浮き指の原因は?困った時の対処方法もあわせて解説
→関連記事:子どもの足がアブナイ!? 未来の足は大人が守る! ~足事情編~
扁平足のチェック方法は?原因を知る前に確認
足が扁平足になっているかな?と感じたら、自宅でセルフチェックしてみましょう。
まっすぐ前をみて立った状態で、土踏まずにボールペンが入るかどうかをチェックします。土踏まずの内側から、ボールペンを入れてください。ボールペンが入らなければ、扁平足になっているかもしれません。
しかし、ここで紹介したのはあくまでも簡易的なチェックです。正確に測定するには整形外科など医療機関を受診しましょう。整形外科では、レントゲン撮影をした上で、アーチ高率を基に診断します。
扁平足の原因は?後天的な理由
以前は土踏まずがあったけれど、今はなくなったという人も多いかもしれません。扁平足の原因の一部は先天的な理由ですが、大半は生活習慣など後天的な理由で扁平足になります。
ここでは、生活習慣など後天的な扁平足の原因を解説します。
歩き方がよくない
扁平足になる原因の1つ目は、歩き方がよくないことです。通常の人は、歩くときにかかとから踏み込み、つま先へと重心が移動します。
しかし扁平足の人は、かかとから着地するのではなく足裏全体で着地する歩き方になりがちです。そうすると土踏まずが正常に働く機会が少なくなるので、扁平足の状態が進みやすくなるでしょう。
足の筋力が低下している
扁平足になる原因の2つ目は、足の筋力が低下していることです。人の足は、足のアーチを吊り上げる後脛骨筋がふくらはぎから内側アーチのあたりに通っています。
加齢により腱が変形したり、体重の負荷が変わったりすることで、腱が断裂するとアーチが崩れて扁平足になります。
足にあわない靴やヒールを履いている
扁平足になる原因の3つ目は、足にあわない靴やヒールの使用です。大き過ぎて足にあわない靴や、つま先を圧迫するヒールを履く機会が多いと扁平足を引き起こすと考えられています。
ヒールを履いた足はつま先立ちで、アーチを支える筋肉をうまく使えない状態です。筋肉を使わなくなると足のアーチをつり上げる筋力も衰え、扁平足になると考えられています。
肥満など体重増加
扁平足になる原因の4つ目は、肥満などの体重増加です。増えた体重を支えるため、足のアーチに負担がかかってしまいます。加えて、歩くときに重心がかかと寄りになって土踏まずの負担が大きくなり、扁平足になると言われます。
体重増加で、足に脂肪がつき形が変わることも扁平足になる理由の一つです。
扁平足を治す方法は?原因を知った上での改善方法
もともとアーチがあった状態から扁平足になった場合は、日常生活の工夫で改善することもあります。改善方法には、歩き方を正しくすることや、普段使っている靴や靴下を見直すなどがおすすめです。
ここでは、日常で取り入れやすい扁平足の改善方法を解説します。
歩き方を改善する
扁平足を改善するには、普段の歩き方を見直してみましょう。
まず、直立して足指を床に着け、前後に揺れながら体重を足裏全体にのせるイメージで立ちます。
かかとから着地し、足指をしっかり使って親指から蹴りだすことをイメージしてみてください。
理想的な歩き方になっていると以下の順番で重心が移動していきます。
- かかとの上→足の外側→足指の付け根
足の筋肉を鍛える
足の筋力低下は扁平足を引き起こすため、足の筋肉を鍛えると改善することがあります。足指持ち上げトレーニングを紹介します。
足の親指の動きを滑らかにし、足の甲の安定性・姿勢の調節・衝撃分散の作用を働きやすくするトレーニングです。
【足指持ち上げトレーニング】
- 椅子に座り足を肩幅に開く
- 足の指すべてを使ってゆっくりと片足ずつグー・パーを5回行う
- 親指を床につけ、人差し指から小指の4本を床からゆっくりと持ち上げておろす
- 左右5回繰り返す
- 反対に人差し指から小指の4本を床につけたまま親指を床からゆっくりと持ち上げておろす
足が痛むときには、無理して行わないようにしましょう。
→関連記事:すぐに疲れる足、原因は筋肉不足かも⁉ フットケアの専門家直伝「足部トレーニング」
運動する
扁平足の原因が体重増加と考えられる場合は、運動するのも有効です。足の負担を軽減しながらできる運動には、水中ウォーキングや自転車こぎがあります。運動不足を感じる方は試してみてください。
足にあった靴を選ぶ
扁平足を改善するには、足にあった靴を選ぶことも重要です。スニーカーでもパンプスでも、足にきちんと固定される靴を選びましょう。足にあった靴を使用すると、長時間歩いても疲れにくくなります。
また、足が痛いと幅広の靴を選びがちですが、大きすぎる靴は足幅が靴の中で広がってしまい逆効果です。靴を選ぶときは、靴選びの専門家であるシューフィッターのいる販売店をおすすめします。
靴下を替える
扁平足の改善には、靴下を替えるのもおすすめです。五本指靴下を履くと、足指が伸ばされるため、足元が安定しやすくなります。
さらに足指が一本ずつ動かしやすい五本指靴下は、地面をとらえやすく正しい歩き方へと促されるでしょう。仕事で長時間立つ姿勢が続く人などにも、姿勢の改善を促す五本指靴下はおすすめです。
関連記事:扁平足ってどんな足?靴下選びに役に立つチェック方法や改善策を解説
まとめ
扁平足になるのは、歩き方や足の筋力低下、足にあわない靴の使用、体重増加など日常生活に原因があると考えられています。扁平足を改善するには、歩き方の改善や足の筋力を鍛えるなどの方法がおすすめです。
そして、足のアーチのサポート機能がある五本指靴下は、土踏まずの負担を軽減させるため、扁平足の予防効果が期待できます。足にあった靴選びが大切なように、靴下も自分にあったものを選んでみませんか。
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記事監修

桜井 祐子(さくらい ゆうこ)
足のケアの専門家 フットケアスペシャリスト(Certified Foot care specialist)
CMP (Certified Master Pedicurist)
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学専攻 修了
博士(スポーツ医学)
足の専門店PEDI CARE 代表 https://www.pedicare.jp/
足の専門校SCHOOL OF PEDI 校長 https://school.pedicare.jp/
足の問題を様々な視点から保存的に改善するために、ドイツ式メディカルフットケアポドロギーをベースとした角質ケア、足爪ケア、巻き爪ケア、リフレクソロジー、ボディケア、インソール作成、靴調整などのトータルフットケアを提供するフットケアサロンを横浜に開設。
足の専門家育成のために、医師・看護師・介護福祉士・フットケアスペシャリスト向けにスクールで指導にもあたる。そのほか多数の講演やセミナーの講師、TV・メディアに出演。
【学術論文】
Effects of Foot Care on Foot Problems in Elderly Women Requiring Long-Term Care.(要介護高齢女性の足部異常に対するフットケアの効果に関する研究),Synergy of Arts and Sciences,22(2),165-174,2018.10
ほか
【代表著書】
フレグランスジャーナル社「サロンワークに役立つ実践フットケア」出版
【メディア出演】
NHK総合テレビ「あさイチ」:「女のホケン室」足のお悩み
NHK総合テレビ「あさイチ」:「女のニュース どうする? サンダルの靴ずれ」
ほか多数
著者: 株式会社 山忠
