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足と靴下の豆知識

妊娠中のこむらがえりの原因は?応急処置と予防方法を足の専門家が解説

妊娠中のこむらがえりの原因は?応急処置と予防方法を足の専門家が解説

妊娠したら足がつりやすくなったという妊婦さんは少なくありません。急に足がキューっとつって(こむらがえり)、動けなくなるのはとても辛いものです。

しかし、なぜ妊娠中にこむらがえりが起こりやすいのでしょうか?また、この辛い症状を予防する方法があれば、知っておきたいと思う妊婦さんは多いでしょう。

そこで本記事では、妊娠中のこむらがえりの原因と応急処置、予防するための効果的なストレッチ法を解説していきます。ぜひご覧ください。


妊娠中のこむらがえりの概要と応急処置

妊娠中のこむらがえりの概要と応急処置

こむらがえりが起こったときにはどのようにすればいいのか、応急処置法を知っておくと安心です。ここでは、こむらがえりの基礎知識と応急処置について解説します。

こむらがえりとは?

こむらがえりとは、ふくらはぎを中心に足の指や土踏まずの筋肉が痙攣を起こすことを言います。こむらがえりの痛みは、通常、数秒から数分の間でおさまります。寝ているときや運動中に、突然起こることでもよく知られています。

こむらがえりの原因は完全には解明されていませんが、様々な要素が関与すると考えられています。一般的には、筋肉の緊張や疲労が溜まることで、筋肉の制御機能がうまく働かなくなることが一因と考えられています。

応急処置は?

こむらがえりが起こったときには、対処法として患部を伸ばすことが重要です。ふくらはぎがつったときには、体の力を抜いて楽な姿勢になり、つま先を上に向けて、ふくらはぎを伸ばしましょう。同時に、手でつま先を手前に引くのも効果的です。

ただし、妊娠後期にはお腹が大きくなり、つま先を掴むのが難しいこともあります。そんな時には、タオルを足裏にかけて伸ばしましょう。

足がつったときの応急処置

もし寝ている間にこむらがえりが起きた場合は、横向きになって、つった足のつま先をゆっくりと引き上げます。焦らず、ゆっくりと伸ばすのがコツです。

また、ふくらはぎを伸ばした状態で、患部をマッサージするのもおすすめです。つった足の裏やふくらはぎを優しく揉んでみてください。足の筋肉の痙攣を和らげるのに役立ちます。


妊娠中にこむらがえりが起こる原因

妊娠中にこむらがえりが起こる原因

妊娠中にこむらがえりが起こる原因には、以下の3つがあると考えられています。

  • 足の筋肉に負担がかかる
  • 下半身の血流が滞る
  • ミネラルバランスが崩れる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

足の筋肉に負担がかかる

妊娠中にこむらがえりが起こる原因の1つ目は、足の筋肉に負担がかかることです。妊娠によってお腹が大きくなり体重が増えることで、下半身にかかる荷重が増え、足の負担が大きくなっていきます。

そのため、妊娠中は足の筋肉が疲れやすい状態と言えます。また、妊娠中はホルモンの変化の影響で、筋肉の緊張やこむらがえりが起こりやすくなると考えられています。

下半身の血流が滞る

妊娠中にこむらがえりが起こる原因の2つ目は、下半身の血流が滞ることです。妊娠中は子宮が大きくなり、お腹周りの血管や静脈が圧迫されます。そのため、下半身が血行不良になりやすい状態です。特に、お腹が大きくなる妊娠後期は注意が必要です。

また、足やふくらはぎの筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなると、こむらがえりのリスクが高まります。そのため、妊娠中は普段と違う体の状態であることを意識し、適度な運動や足のケア、姿勢の改善をして血行を促すことが大切です。
とはいえ、妊娠中は体調が変わりやすいため、運動や食事については、主治医や助産師とよく相談しながら行ってください。

ミネラルバランスが崩れる

妊娠中にこむらがえりが起こる原因の3つ目は、ミネラルバランスが崩れることです。特にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、骨や筋肉の動きに重要な役割を果たすため、適切に摂取する必要があります。

また、妊娠中は栄養素の吸収状態が変わりやすく、ミネラルバランスが乱れてしまいがちです。ミネラルバランスが崩れると、筋肉の収縮と緩和に必要なカルシウムやマグネシウムの供給が不十分になり、こむらがえりが起こりやすくなってしまうのです。


妊娠中のこむらがえりを予防する4つのアクション

妊娠中のこむらがえりを予防する4つのアクション

妊娠中のこむらがえりを予防するには、以下の4つの方法があります。

  • 水分補給をする
  • 足を冷やさない
  • ミネラル不足を防ぐ
  • ふくらはぎのストレッチをして血行を促す

それぞれの方法を、詳しく解説していきます。

水分補給をする

妊娠中のこむらがえりを予防するには、水分補給が大切です。妊娠中は体内の血液量が増え、赤ちゃんの成長や体の代謝に必要な栄養を供給するために、体内の水分が消費される量も増加します。そのため、水分不足になると血液の循環が悪くなり、足がつりやすくなってしまいます。

そのため、毎日適切な量の水を飲んで、体内の水分バランスを保ちましょう。ただし、医師と相談しながら適切な水分量を摂取していくことが重要です。

足を冷やさない

妊娠中のこむらがえりを予防するには、足を冷やさないようにしましょう。足が冷えると、血管が収縮して血流が悪くなります。足が冷えてしまうと筋肉に十分な酸素や栄養が供給されず、こむらがえりのリスクが高まります。

妊娠中は、寒い場所で長時間過ごしたり、冷たい床に座ったりするのは避けましょう。寒い季節や冷房の効いた部屋では、足元をあたためる工夫をすることが大切です。靴下や膝掛けを使ったり、湯船にゆっくりと浸かったりしてよく足を温めたりしましょう。
また、冷えに関するツボが集中している足首を積極的にあたためる「足首ウォーマー」は着脱が簡単で持ち歩きも手軽でおすすめです。

足を冷やさない

ミネラル不足を防ぐ

妊娠中のこむらがえりを予防するには、ミネラル不足を防ぐことが大切です。ミネラル不足が起こると、筋肉の収縮と弛緩に必要なカルシウムやマグネシウムが十分に供給されず、こむらがえりが発生するリスクが高まります。

そのため、妊娠中はバランスの取れた食事を目指し、特にミネラルを含む食品を積極的に摂りましょう。乳製品・豆類・ナッツ類・葉野菜などがミネラルを豊富に含む食品です。1日3食の中で、バランスよく取り入れましょう。

しかし、具体的な栄養摂取量に関しては個人差があるため、妊婦健診のときに主治医や助産師と相談して、適切な食事プランを立てていくのがおすすめです。

ふくらはぎのストレッチをして血行を促す

妊娠中のこむらがえりを予防するには、ふくらはぎのストレッチをして血行を促すことも重要です。ストレッチすることで足の筋肉の柔軟性を保ち、こむらがえりの発生を予防する効果が期待できます。

【ふくらはぎのストレッチ方法】

  1. 両足を肩幅程度に広げて、壁やテーブルに手をつきます。
  2. 片足を一歩後ろに引いて、もう一方の足の膝を曲げます。
  3. ゆっくりと後ろ足のかかとを床につけ、ふくらはぎを伸ばします。
  4. 20秒~30秒程度、その姿勢を保ちます。

ストレッチはお風呂上がりや就寝前などにおすすめです。就寝前のストレッチは、血行が促進され体温が上がるため、深い睡眠にもつながりますよ。

ふくらはぎのストレッチ方法


まとめ

まとめ

妊娠中のこむらがえりは、体重増加による足への負荷増や、血液循環の変化、カルシウムやマグネシウムの不足が原因で起こると考えられています。こむらがえりの予防策としては、適度な運動やストレッチ、十分な水分とミネラルの補給が大切です。

また、こむら返りの原因になる冷えを予防するため、足をあたためる靴下を使ってみてはいかがでしょうか。ケアソク〈あたためる〉はセーター2着分の糸を使用し、高い保温力のある室内用の靴下です。ぜひ試してみてください。

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記事監修:理学療法士 北澤友子
イラスト:佐藤江理


マラソン後の疲労回復法とストレッチを足の専門家が解説

マラソン後の疲労回復法とストレッチを足の専門家が解説

「マラソン後の体に溜まった疲労感を解消するには、どうすればいい?」「ジョギングなどの運動は必要?」

フルマラソンのような長距離を走った翌日に、身体が動けないほど痛くなった経験はありませんか。マラソンは長距離を走り抜く運動なので、普段のランニングとは比べ物にならないほどの疲労感が体全体に広がります。そのため、マラソン後の適切なリカバリーは大切です。

今回は、マラソン後の疲労回復法と足の健康を保つためのコツを、足の専門家が詳しく解説します。ストレッチ法も紹介しているため、ぜひご覧ください。


マラソン後の疲労回復は必要?期間は?

マラソン後の疲労回復は必要?期間は?

マラソン後の疲労回復はどうすればいいのかを知るためにも、そもそもマラソン後の疲労の状態と回復期間について、詳しく見ていきましょう。

疲労とは

「疲労」は一般的には疲れが蓄積した状態を意味しますが、実際には短期疲労と長期疲労の2つに分けることができます。激しい運動の後などに一時的に発生するのが「短期疲労」、長期間にわたる疲れが蓄積したものが「長期疲労」です。

マラソンの後の疲労は、一般的に短期疲労に分類されます。短期疲労は時間が経つにつれて自然と軽減されていきますが、回復する前に運動を再開すると、疲労が積み重なって長期疲労につながることがあります。長期疲労が続いてしまうと、予想外の身体の不調につながることもあるため、注意が必要です。

しかし、継続的に運動している人にとっては、マラソン後も早く運動を再開したいと思うでしょう。その場合には、いつも通りのペースで運動し始めるのではなく、身体の状態をよく観察しながら、徐々に運動を再開していきましょう。

回復期間は

マラソン後の回復期間は、マラソン経験や体力よって個人差がありますが、特に初心者ランナーは思った以上に疲労が溜まっていると感じる人もいるでしょう。休息は充分に取りましょう。


マラソン後におすすめの疲労回復法

マラソン後におすすめの疲労回復法

では、マラソン後にはどのように疲労回復をすればいいのでしょうか。ここでは、マラソン後におすすめの疲労回復法を、以下の4つ紹介します。

  • 軽いジョギングをする
  • タンパク質を積極的に摂る
  • 前後で糖質とアミノ酸を摂る
  • 湯船に浸かる

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

軽いジョギングやウォーキングをする

マラソン後におすすめの疲労回復法の1つ目は、軽いジョギングやウォーキングをすることです。不要な老廃物や疲労物質が体内に滞留すると、血流が悪くなって疲れやすく、また疲労も回復しにくくなってしまいます。マラソン後の余力に応じて軽めに体を動かしましょう。

具体的には、1kmを7分~8分のペースで走ることを目指しましょう。ゆっくりと走ることで体に適度な刺激を与え、蓄積した疲労が効果的に解消されやすくなりますよ。

タンパク質を積極的に摂る

マラソン後におすすめの疲労回復法の2つ目は、タンパク質を積極的に摂ることです。タンパク質は、身体を作る重要な栄養素で、特に筋肉の80%はタンパク質から成ると言われます。運動後にタンパク質を摂取することは、筋肉の回復を促進し、次のトレーニングに向けて身体を整えるのに役立ちます。

タンパク質は体内で生成可能な非必須アミノ酸と、生成できない必須アミノ酸で構成されています。ランニング後の疲労回復には、特に必須アミノ酸の摂取が不可欠です。必須アミノ酸は体内で作ることができないため、食事から摂ることを心がけましょう。

マグロやカツオ、サンマ、鶏の胸肉やもも肉、豚肉、牛肉といった必須アミノ酸が豊富に含まれた食材を積極的に食べることをおすすめします。

また、タンパク質は、植物性の食品からも摂取可能です。大豆、レンズ豆、チアシードなども良いタンパク源となります。
食事で摂取するのが基本ですが、忙しくてなかなかバランスの良い食事ができない場合は、プロテインパウダーやプロテインバーなどのサプリメントを利用するのもひとつです。

前後で糖質とアミノ酸を摂る

前後で糖質とアミノ酸を摂る

マラソン後におすすめの疲労回復法の3つ目は、前後で糖質とアミノ酸を摂ることです。運動前後の栄養補給はパフォーマンスと回復に重要で、特に糖質とアミノ酸の摂取はエネルギー供給と筋肉回復に役立ちます。

糖質は体に必要な栄養源であり、マラソンなどの激しい運動では特に必要とされています。
また、糖質にはランニング中に筋肉内のタンパク質が分解されるのを防ぐ効果もあります。

走っている途中で糖質が足りなくなると、エネルギー源として筋肉内のタンパク質が分解されます。するとランニング後の筋肉の回復が遅くなり、疲労感が長引いてしまう可能性があります。

疲労感を早く回復させるためにも、走る前と走った後に糖質を摂取することをおすすめします。ランニング後は体内の糖質が消費されている状態です。消費した糖質を適切に補充することで、筋肉の中のタンパク質が分解されるのを防げます。

湯船に浸かる

マラソン後におすすめの疲労回復法の4つ目は、湯船に浸かることです。40度前後の熱すぎないお湯に、ゆっくりと浸かりましょう。時間は、15分から20分程度が目安です。

あたたかいお湯に浸かることで、血行促進の効果が見込めます。血行がよくなると酸素と栄養素が筋肉に運ばれやすくなり、疲労物質も体外に排出しやすくなりますよ。

また、温かいお湯に浸かると筋肉がほぐされ緊張や凝りが和らぐため、リラックスにも効果的です。激しい運動で起こった緊張や痛みが緩和され、回復を早める効果が期待できますよ。

一方、熱すぎるお湯に長時間浸かると、体の負担になるため適度な温度と適度な時間での入浴を心掛けてください。

また、湯船に浸かるときには水分補給を忘れずに行いましょう。入浴前に、コップ1杯程度の水を飲むのがおすすめです。


マラソン後の疲労回復におすすめのストレッチ

マラソン後の疲労回復におすすめのストレッチ

ランニングを継続するときには、疲労を溜めないことが大切です。そこで、ランニング後に行うと良い簡単なセルフマッサージをご紹介します。続けていくことで、疲れを軽減させるだけでなく、ずっとランニングを楽しめる体になりますよ。

  • 足指・足首回しのストレッチ
  • 脚の付け根のマッサージ

それぞれの方法を、詳しく見ていきましょう、

足指・足首回しのストレッチ

マラソン後の疲労回復には、足首回しのストレッチが効果的です。足首周りの筋肉や靭帯の柔軟性を保ち、足首の可動域を広げることで、足元の疲労と緊張を和らげるのに役立ちます。

【足首回しのストレッチ】

  1. 右足を左足の太ももの上に置きましょう。
  2. 足の指を1つ1つ前後に分けるように伸ばしていきます。
  3. 足の指を1つ1つ左右に広げていきます。
  4. 足の裏を握り拳で軽く叩きます。
  5. 右手で右足首をしっかりと固定し、左手の指を右足の指の間に深く差し込みます。
  6. 足首を、大きく円を描くように回します。

このストレッチも、ゆっくりと無理のない範囲で行うことが大切です。

足首回し

脚の付け根のマッサージ

マラソン後の疲労回復には、足の付け根のマッサージも効果的です。特に股関節周りの筋肉は長時間のランニングで大きな負担を受けるため、マッサージによる疲労回復は大きな効果が期待できます。

【脚のリンパマッサージ】

  1. 膝を立てて仰向けに寝てください。
  2. ももの付け根の外側から内側へ向かって、指4本を使って押し込んでいきます。
  3. 1か所につき5秒ずつ、ゆっくりと力をかけていきましょう。
  4. 外側から内側へ、指4本で5回こすります。
  5. 足先から股関節に向かって脚全体を、5回ゆっくりとさすります。

脚の付け根のマッサージは、股関節周りの筋肉の緊張を和らげるとともに、血行を促進し、疲労物質の排出を助けることにつながります。お風呂から出たときや、体が温まっているときにぜひ行ってみてください。

脚のリンパマッサージ


マラソン後の疲労回復での注意点

マラソン後の疲労回復での注意点

マラソン後の疲労回復での注意点を紹介します。

走った後にすぐ座らない

マラソンを走り切った後、すぐに地面に座り込むのは避けましょう。急激に座る動作をするのは、激しいストレッチと同じで、筋肉のけいれんを引き起こす可能性があります。

もし、ゴールしたあとにすっかり疲れ果てたとしても、しばらく立っているか、ゆっくりと歩くことで筋肉のけいれんを防ぐことができます。息を整えられる程度になったら、水分やアミノ酸を補給し、軽いストレッチを行ってください。


まとめ

まとめ

今回は、マラソン後の疲労回復法と足の健康を保つためのコツを、足の専門家が詳しく解説しました。身体に溜まった疲労感を解消するためには、適度なジョギングやウォーキング、筋肉をほぐすストレッチ、栄養バランスのとれた食事などをおすすめします。マラソン後の適切なリカバリーは、次のランニングをスムーズにはじめるためには欠かせません。ぜひこの記事を参考に、自分自身の体と向き合い、ゆっくりとケアしてみてください。

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記事監修:理学療法士 北澤友子
イラスト:佐藤江理


変形性膝関節症になったときの足底板や靴選びは?足の専門家が解説

変形性膝関節症になったときの足底板や靴選びは?足の専門家が解説

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)は、膝の関節部分の軟骨がすり減ってしまう関節疾患です。骨同士が直接ぶつかることで痛みや腫れなどの症状を引き起こすことも少なくありません。そのため、歩くたびに痛みを感じ、日常生活が辛くなってしまうこともあるでしょう。

そこで本記事では、足の専門家が変形性膝関節症になったときの足元のサポートウェア、足底板(インソール)や靴選びについて詳しく解説します。膝への負担を減らし、歩くときの痛みを軽減させたいと思っている方はぜひご一読ください。


変形性膝関節症とは?足底板を検討するための基礎知識

変形性膝関節症とは?足底板を検討するための基礎知識

そもそも、変形性膝関節症とはどのような病気なのでしょうか。足底板を検討するために、ここでは変形性膝関節症の以下の項目について、基礎知識を押さえていきましょう。

  • 変形性膝関節症とは
  • 変形性膝関節症の症状
  • 変形性膝関節症の原因

それぞれについて、詳しく解説していきます。

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、太ももの骨(大腿骨)と脛の骨(脛骨)をつなぐ膝関節の軟骨が、摩耗して膝の痛みを引き起こす関節疾患の1つです。膝関節の軟骨は、骨と骨が擦れ合うのを防ぐクッションの役割を果たしています。

しかし、軟骨が擦り減ってしまうと膝関節の動きが制限され、膝に痛みを感じるようになります。症状が進行すると、膝の形状が変化することもあり、これが「変形性」という名前の由来です。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症が進行すると、立ち上がる・歩く・階段の上り下りなどの普段の行動が、難しく感じることがあります。特に、関節を動かすときに痛みを覚える人が多いと言われています。

炎症が起こると、膝の周囲が腫れることもあるでしょう。変形性膝関節症かなと思ったら、自己判断せず、整形外科などの専門の医療機関に相談することをおすすめします。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症の根本的な原因は膝の軟骨の摩耗にありますが、軟骨が擦り減ってしまう原因は、人それぞれ異なります。

よくある原因の1つが、加齢です。膝関節の軟骨は、時間が経つにつれて弾力性が弱まり、再生が難しくなっていきます。特に、日常生活の中で膝をよく使っていると、軟骨は次第に摩耗し、最終的には動かす度に痛みが生じるようになります。

また、体重増加も変形性膝関節症の要因の1つです。体重が増えると膝関節にかかる負荷が大きくなるため、軟骨が摩耗しやすい状態にあると言えます。

さらに、筋力低下も変形性膝関節症の原因の1つと言えます。太ももの内側の筋力が低下することによって体重が外側にかかりO脚になることがあります。すると、膝の内側に負荷がかかって変形性膝関節症を起こす場合があります。


変形性膝関節症の足底板とフットウェア選びのポイント

変形性膝関節症の足底板とフットウェア選びのポイント

変形性膝関節症の痛みを和らげるには、フットウェア選びにもこだわることをおすすめします。足元の環境を整えて、膝や腰をサポートしていきましょう。フットウェアの代表的なものには、以下の3つがあります。

  • 足底板(インソール)
  • シューズ
  • 靴下

ここでは、それぞれのポイントを解説していきます。

足底板(インソール)

変形性膝関節症になったときには、足底板を使うのもおすすめです。足底板とは、靴の中に敷いて使う中敷きのことで、体全体のバランスを足元から安定させる効果が見込めます。
また、O脚で膝の内側に痛みがある場合、外側に傾斜を付けた足底板を使用することで、痛みの軽減を図ることができます。

近年では、スポーツパフォーマンスの向上のための方法としても注目を集めており、痛みの緩和だけでなく、つまずく・転ぶといったバランスを崩すことでの怪我の防止効果も期待できます。

また、人によって大きさ・形・足幅が異なるため、あなたの足にあった足底板を見つけることが大切です。必要に応じて、オーダーメイドの足底板を検討しましょう。整形外科を受診している場合は、整形外科を通して義肢装具士に製作してもらうことも可能です。

シューズ

変形性膝関節症になったときには、シューズ選びにもこだわりましょう。自分の足にあったシューズに履き替えるだけでも、歩行がずいぶんと楽になります。どのようなシューズを選ぶと良いかを具体的に見ていきましょう。

良いシューズと悪いシューズの例を下表にまとめました。

【良いシューズの例】

  • 足裏の接地面積が広い
  • 甲部分を紐やベルトで固定できる
  • 底が厚く、しっかりとしている
  • クッション性があり踏み返しがしやすい
  • かかとの芯がしっかりして、つぶれにくい

【悪いシューズの例】

  • かかとが高く、安定しない
  • サイズが足にあっていない
  • 靴底か硬く、踏み返しがしずらい
  • かかとの芯がやわらかく、つぶれやすい(足部が安定しずらい)

軽いシューズは一見、魅力的に思えますが、衝撃吸収素材がついていないことが多いため安定性を考慮するとあまりおすすめできません。底が硬く踏み返しがしずらいシューズは地面からの衝撃を緩和できず、足や膝、腰に負担がかかってしまう恐れがあります。

また、ハイヒールなどかかとが高い靴は、歩くときに不安定になりやすいため、なるべく避けて、おしゃれを楽しむときだけ履きましょう。

靴下

変形性膝関節症では、足底板や靴選びだけでなく、足にあった靴下を履くことも重要です。 健康的な足の状態では、5つの指が地面にしっかりと接して、体の重心を安定させています。

現代では、足指が床につかず浮いてしまっている状態の人も少なくありません。そんなときに役立つのが、5本指ソックスです。5本指ソックスは、1本1本の足指が袋に包まれているため動かしやすく、足指をスムーズに動かせます。

また、5本指ソックスの中でも、足のアーチをサポートする機能がある靴下を選ぶと、足指をしっかり動かせることで足のアーチ機能が働き、歩行時の衝撃を吸収して膝への負担を軽減できます。機能的な靴下は、単純に足を保護するための衣類としてではなく、足の健康を支える「フットヘルスウェア」として捉え直すことができます。

足にあった足底板や靴にこだわるように、毎日履く靴下も、ぜひ改めて見直してみてください。


変形性膝関節症で足底板を使って歩くときのポイント

変形性膝関節症で足底板を使って歩くときのポイント

変形性膝関節症の予防策として、正しい歩行法が非常に重要です。正しい歩行を身につけることで関節に掛かる負荷が緩和され、痛みが和らぐ効果が見込めます。普段から、ご自身の歩き方や体の姿勢をチェックしてみてください。

正しい歩行では、「かかと→足裏の外側→親指の付け根」の順に重心が移っていきます(あおり歩行)。まず最初に、かかとが地面に接触し、踏み出すときには自然に地面を蹴るイメージで一歩進んでみてください。

足裏がきちんと地面に接することで、衝撃が均等に分散され、膝にかかる負担が軽減されます。さらに、歩き方を改善することで、足の筋力アップにもつながり、転びにくくなる効果も期待できます。

正しい歩行は、意識して行わないと定着しづらいものです。普段から意識しましょう。

変形性膝関節症の改善に足底板以外で取り入れたい日常習慣

変形性膝関節症の改善に足底板以外で取り入れたい日常習慣

変形性膝関節症で膝が痛いときには、日常習慣でも改善する方法があります。足底板の使用とともに、下記の4つも意識してみてください。

  • 膝に負担をかけない動作を心がける
  • 体重増加に気をつける
  • 膝を冷やさないようにする
  • 適度に運動する

それぞれについて、詳しく解説していきます。

膝に負担をかけない動作を心がける

膝に負担をかけない動作を心がける

変形性膝関節症の症状を改善するには、膝に負担をかけない動作を心がけることが大切です。「立つ」や「歩く」など、日頃から行う動作でも、きれいな姿勢を保つことで膝への荷重が分散され、膝にかかる負荷を軽減する効果が期待できます。

特に、日本の伝統的な生活様式を続けている方で膝に痛みがある場合は、西洋式のスタイルへと変えてみてはいかがでしょうか。床で過ごす、床に敷いた布団で眠る、和式トイレを使うといった日本式の生活慣習は、膝を大きく曲げる動作を伴うため、膝への負担が増してしまいます。

椅子に座る、ベッドに寝る、洋式トイレに座るといった西洋式の生活スタイルのほうが、膝を深く曲げる必要がないため、膝への負担は軽減されます。

体重増加に気をつける

変形性膝関節症の症状を改善するには、体重増加に気をつけることも大切です。体重が増加すると、歩くときや階段を上り下りするときに大きな負荷が膝にかかってしまいます。

健康的な食事と運動を続けることで体重を管理し、膝への負担を軽減できます。また、体重管理は膝の健康だけでなくご自身の健康を維持することにもつながります。バランスの取れた食事と適度な運動を、毎日の生活の中にぜひ取り入れてみてください。

膝を冷やさないようにする

膝を冷やさないようにすることも、変形性膝関節症の症状を改善するには大切です。膝が冷えると血の巡りが悪くなり、筋肉が硬くなり、痛みが増加する可能性があります。

特に秋冬の肌寒い時期には、室内では暖房をつけ、外出時には膝を露出しないような服装を選びましょう。また、保温性の高いサポーターやレッグウォーマーを着用したり、毎日、湯船に浸かったりするのもおすすめです。

適度に運動する

適度に運動する

変形性膝関節症の症状を改善するには適度に運動することも大切です。特にウォーキングなどの有酸素運動は、脳にも働きかけ、痛みを抑制する効果があるとも言われています。

ウォーキングを行うときは、膝に負担をかけないように、ウォーキング専用の靴を履くなどして、かかとから地面に着地するように心がけましょう。

ウォーキングは20~30分程度を目安とし、その日の痛みの状態に合わせて調節しましょう。

足が疲れたり膝に痛みを感じたら、無理をせずに休息をとるか、その日の運動をストップしてください。さらに、ウォーキングの中でも水中歩行は、水の浮力により膝にかかる負荷を軽減させながら運動が行えるのでおすすめです。


まとめ

本記事では、足の専門家が変形性膝関節症になったときの足底板や靴選びについて詳しく解説しました。自分の足にあった足底板(インソール)・靴・靴下を選べば、膝への負荷が軽減され、歩行時の痛みを軽くできる可能性があります。また、足元のケアには5本指ソックスの使用もおすすめです。足指をしっかり使うことで足のアーチ機能が働き、膝への負担を軽減する効果が見込めます。
ケアソクの〈ととのえる〉は、足のアーチをサポートし、足指が伸び広がり地面に接地することを促す5本指ソックスです。本記事で紹介したポイントとともに、5本指ソックスの着用も、ぜひ検討してみてください。


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記事監修:理学療法士 北澤友子



XO脚を徹底解説!確認方法と3つの原因・改善策を紹介

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XO脚は、足をそろえて立ったときに「太ももと膝はくっつくけど、ふくらはぎがくっつかない」状態を言います。足のかたちが気になり自信が持てず、悩んでしまいますよね。
そんなXO脚は、足の形状にとどまらず、様々な足のトラブル原因になってしまうこともあります。

そこで本記事では、XO脚の症状や原因を解説。また、予防や症状を緩和させるためのトレーニングも紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

XO脚とは?概要と放っておくとどうなってしまうのかを解説

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まずは、XO脚がどのような状態か解説していきます。

XO脚とは、脚を閉じ、姿勢を良くして立った時に、両太ももやヒザはくっつくが膝から下側が外側に曲がってしまっている状態を指します。ヒザから上側はX脚、ヒザから下はO脚といった状態です。
多くの場合は、内股気味であり、特に女性の方に多い症状になっています。
放っておくと様々な足のトラブルの原因になってしまうことがあるため注意が必要です。
ここでは、XO脚の状態について、概要と症状について詳しく解説します。

O脚・X脚との違い

XO脚がX脚とO脚と違う点と、それぞれの特徴をみていきましょう。

  • X脚
  • X脚は、「膝」はくっつきますが、左右のふくらはぎの隙間が広くなった状態です。
    X脚は、脚がアルファベットのXの字に似た形になることから名付けられました。医学用語では外反膝(がいはんしつ)と呼ばれます。立ったときに内股のようになりやすいのも特徴です。

    • O脚
    • O脚は、内くるぶしをくっつけて立った時に、膝がくっつかずに、左右の太ももやふくらはぎの隙間が広くなった状態です。
      O脚と呼ばれるのは、前から見るとアルファベットのOの字に似た形であるためです。医学用語では内反膝(ないはんしつ)と呼ばれます。正面から見ると、脚が外側にアーチ状になっているように見えます。

      • XO脚
      • XO脚は、膝はくっつきますが左右のふくらはぎに隙間ができてしまう状態です。O脚のようにふくらはぎが外に張り出したようになり、隙間ができている状態です。
        そして、X脚と同様に、いわゆる内股気味になるのが特徴です。

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        XO脚によって起きうる症状

        XO脚は病気ではありませんが、様々な足のトラブルや病気の原因となってしまう可能性があります。ここでは、XO脚がもたらす体の不調について、以下4点を紹介します。

        • 足の痛み
        • XO脚になると、股関節の内側や外側に筋肉疲労や関節の炎症が起き、痛みを伴う場合があります。

          • 変形性膝関節症
          • 変形性膝関節症は、膝の関節の軟骨部分が少しずつ擦り減ってしまう関節疾患です。XO脚のように骨格のバランスが悪いまま歩きつづけることで、股関節の一部に大きな負担がかかってしまいます。
            その状態が続くと膝にも負担が集中するため、歩行時に膝の痛みが出現します。

            この症状は、特に女性に見られることが多く、症状が悪化していく可能性があり、放置したままだと手術が必要になってしまうこともあります。

            • 足底筋膜炎
            • 足底筋膜炎は、足の付け根から踵の先に向けて通る足底筋膜が炎症を起こし、小さな断裂を繰り返している状態です。
              XO脚になると、足裏の一部に重心が偏りやすくなり、足底筋膜炎を発症しやすくなると言われています。
              慢性化してしまうと、かかとに骨棘(こつきょく)という突起ができてしまい、痛みが強くなったり、歩行が難しくなってしまうこともあります。

              • 扁平足
              • 扁平足とは、土踏まずがなく、足の裏が平らな状態を指します。
                XO脚の方は、足裏の外側に重心が偏ってしまい、足底の筋肉を使えず、筋力が低下しやすいです。足底の筋力が衰えることで、足の裏が平らな扁平足になりやすいと言われています。
                また、扁平足のように、足のアーチが低下すると、足の親指が曲がる外反母趾や足底筋膜炎などのトラブルを発症してしまう可能性が高くなります。

                XO脚の確認方法は?

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                XO脚などの足のゆがみは、ご自身では気づきにくいと言われています。

                そこで、ご自身がXO脚かどうか確認するためのXO脚チェック法をご紹介します。
                とても簡単なので、気になる方はぜひ試してみてくださいね。

                はじめに、鏡の前で足をそろえて姿勢を良くして立ってみましょう。
                その時に、ポイントとなる部位が「太もも」「膝」「ふくらはぎ」「くるぶし」の4点になります。

                この時、太もも、膝、くるぶしはくっつきますが、ふくらはぎのみが、O脚の症状のようにくっつくことがなく、離れている状態の人は、XO脚の可能性が高いです。
                膝から上がX脚の状態、膝から下がO脚の状態のため、XO脚と呼ばれています。

                XO脚になる原因とは

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                XO脚の原因は、病的な変形や生理的な変形が原因の場合もありますが、生活習慣による変形も考えられます。
                最も大きな原因として考えられているのは、足元のバランスが崩れてしまっていることです。
                XO脚は若い女性を中心に見られる症状で、理由のひとつとしては、機能性よりもファッション性を重視した靴を履く時間が長いことが挙げられます。
                このような状態が続くと、足底全体で体重を支えられず、歩行時にバランスがとりづらくなってしまいます。
                足元のバランスを安定させるためには、かかと、親指の付け根、小指の付け根の3点を支えつつ、指でしっかり蹴りだして歩くことが大切です。
                ここでは、生活習慣によるXO脚の原因や足元のバランスを安定させるために、以下の4点を詳しく解説いたします。

                • 足に合わない靴を履いている
                • 下半身の筋肉量の低下
                • 姿勢に問題がある
                • 歩き方に問題がある

                足に合わない靴を履いている

                サイズの合わない靴やヒールなどを履き続けていると、足の構造が崩れやすく、歩き方や動作などにも悪影響を及ぼす可能性があります。
                特に女性は、ハイヒールによって外反母趾や扁平足などの障害が起きやすく、それがXO脚の原因となる場合もあります。

                下半身の筋肉量の低下

                デスクワークやテレワークなどで座りっぱなしの生活が続くと、運動不足になりがちですよね。
                そうすると体重を支える足の筋肉が衰え、下半身の骨格が歪んでしまうことがあります。
                太ももの内側にある「内転筋」や、お尻周りの中臀筋や大臀筋などの筋肉も、XO脚と深い関係があるため、こうした下半身の筋力低下はXO脚のリスクを高めます。

                お尻の筋力が弱っていくと、身体は代わりに太ももの筋肉を使い始めます。
                そして、次第に太ももの筋肉が弱ると太ももを内側にねじるような動きが発生してしまうのです。
                その結果、XO脚となってしまうことがあります。

                姿勢に問題がある

                椅子や床での座り方によっては、筋肉に負担がかかってしまい、XO脚を生じてしまうことがあります。
                床に座る場合、正座やあぐらはXO脚になりにくいといわれていますが、片方に偏ったお姉さん座りを長い時間続けると下半身の筋肉にゆがみが生まれ、XO脚の原因となってしまいます。
                なお、椅子に座る際も注意が必要です。
                足を組んで座り続けると、下半身の筋肉や骨格にズレが生じてしまうので足は組まない方が良いでしょう。左右対称に負荷がかかるように座ることが大切です。

                歩き方に問題がある

                「歩き方」の問題はXO脚へとつながる大きな原因の一つです。
                足元のバランスの崩れが少しだけだとしても、その状態のまま歩き続けるだけで、大きなトラブルへとつながってしまうのです。

                バランスが崩れた状態のまま歩き続けることは、太ももや膝などの下半身全体に大きな負担になります。
                その負担が、骨盤のゆがみを引き起こしたり、特定の部位しか使わないことによる、筋力低下の原因となり、XO脚を招く可能性があります。

                XO脚はどうすればいい?改善・予防方法について

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                では、どうやったらXO脚の改善や予防ができるのでしょうか。
                ここでは、XO脚の改善、予防のためのトレーニングや方法について以下の4つに分けて詳しく解説いたします。

                • 歩き方・姿勢を意識する
                • XO脚の改善エクササイズ
                • インソールを使用する
                • 5本指ソックスを着用する

                歩き方・姿勢を意識する

                XO脚を改善するためには、足のバランスをととのえることが重要です。

                歩き方についてですが、静止立位時は、かかと・親指の付け根・小指の付け根の3点の重心を意識していますが、これらを移動させながら歩くことが非常に大切です。かかと着地、その後に小指側を経由し、親指の付け根、最後に親指で蹴りだすイメージで前進することを意識してください。

                姿勢は、身体全体を緊張させることがないように膝を緩め、余裕をもたせた状態で立つようにしましょう。

                歩き方や姿勢は、普段からの意識が非常に大切です。
                正しい歩き方や姿勢を身に着けることで、足の疲れ予防にもつながります。

                XO脚の改善エクササイズ

                お尻まわりの筋力低下を経由して、太ももの筋力が低下してしまうことでXO脚の原因となります。
                そのため、お尻の筋肉を鍛えることはXO脚の改善や予防に非常に重要です。
                トレーニングの手順は以下の通りです。

                1. まず、四つ這いの姿勢となり両手を肩幅程度に開く。
                2. 片側の膝を90°に曲げたまま、真横に上げていく。その状態で5秒間キープ。
                3. 5秒後に元の状態に戻し、10回繰り返す。
                4. 逆足も同様に行う。

                道具を使わず、ご自宅でもできるトレーニングですので、ぜひ取り組んでみてださい。

                インソールを使用する

                インソール選びもしっかり行うことで、XO脚の改善や予防に有効です。
                自分に適したインソールを選ぶことで、歩く際の下半身への大きな負担を軽減し、怪我の予防にもつながります。

                特に土踏まずをしっかり支えることができるインソールがおすすめです。
                また、かかとの形状に沿って、かかとがぐらつかず安定しやすいものを選びましょう。
                足底を安定させることで立つ・歩くといった動作のサポート効果が期待できます。

                5本指ソックスを着用する

                XO脚を改善するためには、普段履いている靴下を見直すことも大切です。

                5本指の靴下がいい理由は、足の指を自由に動かしやすいため、先丸のような靴下よりも足元が踏ん張りやすくなるからです。
                素足に近い感覚のため、地面をしっかり踏み込むことができ、足元のバランスを安定させる効果が期待できます。

                特に、ランニングやウォーキング、筋トレなどの踏ん張りが大切なスポーツや、登山などのアウトドアでは、足元を安定させる5本指靴下を履くことがおすすめです。

                まとめ

                XO脚は、見た目だけの問題ではなく、放置することで、外反母趾や扁平足などの足のトラブルを引き起こす可能性があります。
                XO脚の原因は、下半身の筋肉量の低下や歩き方、姿勢など生活習慣による影響も大きいので、普段の習慣を見直すことも大切です。

                また、正しい姿勢や歩き方をサポートするために、5本指ソックスを試してみてはいかがでしょうか。
                ケアソク〈ととのえる〉は、足の専門家と共同開発した足のアーチサポート機能のある靴下です。毎日履く靴やインソールと同じように、靴下にもこだわってみませんか。

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                記事監修:理学療法士 北澤友子



脚やせしたい!4つの脚マッサージと効果を高めるコツを専門家が解説

脚やせしたい!4つの脚マッサージと効果を高めるコツを専門家が解説

「効果的な脚のマッサージ方法は?」「むくんだ脚を軽くする方法はある?」

夕方になると足がむくんで靴下の跡が脚についていることはありませんか。パンパンにむくんだ足を放置していると太く見えてしまうことがあるため、早めに解消したいものです。

そこで今回の記事では、脚のマッサージ方法を足・足首・ふくらはぎなどの部位別に紹介します。むくみ解消に効果的なマッサージ法を実践して、脚やせを目指しましょう。

※この記事はあくまで健康な状態の方を対象にしています。例えば寝たきりのご家族の方へむくみのケアをしてあげたいと思われた場合は、無理にストレッチをしたり、擦ったりすることは禁忌なので、くれぐれもご注意ください。


脚のむくみはなぜ起こる?マッサージは効果ある?

脚のむくみはなぜ起こる?マッサージは効果ある?

「朝は普段通りに履けた靴が、仕事終わりに窮屈に感じた」「夕方になるといつも靴下の跡が脚についてしまう」などの経験はありませんか。この原因は、脚のむくみです。

効果的なマッサージ法を知る前に、むくみの原因を紐解いてみましょう。むくみとは、皮膚の下にある皮下組織に、余分な水分が溜まってしまった状態のことを指します。

むくみと肥満は別物ですが、脚がむくむことで、いつもよりも足が太く見えてしまうこともあります。

そこで、脚のむくみを改善する方法としてマッサージが有効です。マッサージをすることで、血行やリンパの流れを促すことができます。マッサージによる変化は、見た目にも実感しやすく自宅でも行えるため、是非試してみて下さい。


脚の部位別!4つのフットマッサージ法

脚の部位別!4つのフットマッサージ法

脚のマッサージは、実際にはどのようにすればよいのでしょうか。ここでは、下記の4つに分けて、フットマッサージ法を解説します。

  1. リンパ節の刺激
  2. 足指の付け根
  3. ふくらはぎ
  4. 足首

それぞれの方法を、詳しく見ていきましょう。

リンパ節の刺激

脚部のむくみをスッキリさせるためには、まずは、鼠蹊部リンパ節の刺激からスタートするのが効果的と言われています。
まずは2つのリンパ節を刺激しましょう。

【鼠蹊部ポンピング】

鼠蹊部(鼠径部・そけいぶ)と呼ばれる大腿のつけ根を手のひらで優しく押してみましょう。2秒押して1秒でぱっと離すのがポイントです(ポンピング)。これを片脚5回繰り返してポンピングしてみましょう。

鼠蹊部ポンピング


【膝下部ポンピング】

次に、膝裏のリンパ節を刺激します。膝を曲げると後ろに線がつくところを手の第2~4指で支えて、足を前後にブラブラ、片脚15回揺らしてみましょう。

膝下部ポンピング


足指の付け根

はじめに、足指の付け根をリラックスさせるマッサージの手順を説明します。足の指をマッサージすることで、足の指の筋肉だけでなく、足全体の筋肉がほぐされ、疲れやむくみを和らげることができますよ。

【足指の付け根のマッサージ】

  1. 椅子に座り、膝を曲げて片足を座面の上に置く
  2. 片手で親指を持ち、親指を付け根から床へ向けて曲げ、5秒キープ。
  3. 手順1~3を、人差し指から小指まで行う
  4. 一方の足が完了したら、他方の足を行う
  5. 椅子から立ち上がり、片足を一歩下げ、つま先を反らせるように伸ばす
  6. この状態を15秒間キープする

マッサージを行うときは、優しくゆっくりと行いましょう。関節まわりの筋肉の柔軟性が取り戻せると、リラックス効果も期待できます。

関連記事:足の疲れを5分でリセット! フットケアの専門家直伝「足部ストレッチ」

ふくらはぎ

脚のむくみに悩む人は、ふくらはぎのストレッチを試してみてください。ふくらはぎは第二の心臓とも言われる重要な部位で、血液やリンパの流れに大きく関わります。

【ふくらはぎのストレッチ】

  1. 両足を肩の幅程度に開き、壁や椅子に手を置く
  2. 右足を後ろへ下げ、左足の膝を曲げる
  3. 右足のふくらはぎをゆっくりと伸ばす
  4. そのままの状態を20秒~30秒間キープする
  5. 左右の足を交換して3セット行う

ふくらはぎのストレッチをすることで血流が促され、足がスッキリする感覚が得られるはずです。伸ばすときには、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。

ふくらはぎのストレッチ

足首

次に、足首のマッサージを紹介します。このマッサージは、長時間の立ち仕事や座り仕事などでむくみを感じた日、寝る前などにおすすめです。

【足首パタパタ】

  1. クッションや布団を準備する
  2. クッションの上に膝下から足を乗せる
  3. 足が床から10cm~15cm高くなるように調節する
  4. 足首を伸ばすようにして、ゆっくりと上下に動かす

この姿勢で約20分、リラックスしながら過ごし、時折、足首を上下にパタパタと動かしてみてください。足を高くしておくだけでも効果はありますが、足首を動かすことで、むくみの解消により高い効果が期待できます。

足首パタパタ


脚のマッサージの効果を高める3つのコツ

脚のマッサージの効果を高める3つのコツ

せっかく脚のマッサージをするなら、効果を高めたいですね。ここでは、マッサージの効果を高める以下3つのコツを紹介します。

  • 入浴で体をあたためておく
  • 水分補給をする
  • 継続して行う

それぞれのコツを、詳しく紹介していきます。

入浴で体をあたためておく

脚のマッサージの効果を高めるには、マッサージを行う前に、入浴して体をあたためておきましょう。湯船に浸かることで体が十分にあたたまり、筋肉の緊張がほぐれて、マッサージの効果を最大限に引き出すことができます。

そのため、お風呂から出た直後がマッサージには適したタイミングです。また、バスタブの中でマッサージを行うのもおすすめです。体をあたためながら、特に気になる箇所を重点的にケアすると良いでしょう。

水分補給をする

脚のマッサージをするときには水分補給を行いましょう。温かいお湯か室温の水を、コップ1杯(200ml)程度、飲むのが目安です。

マッサージをすると筋肉の緊張が和らぎ、血行が促進されるとともにリンパの流れも改善していきます。そのため、マッサージ後は体内の老廃物がリンパ液とともに体外へ排出されやすくなっている状態です。

水分補給を行うことで、体内の水分バランスを保ちつつ老廃物の排出を促すことができます。さらに、十分な水分を摂ることは新たな体液(血液やリンパ液)の生成を促し、血液やリンパの流れを良くするためにも重要です。

マッサージ後の水分補給は、体内のデトックス効果を高め、健康的な身体を保つことにもつながりますよ。

継続して行う

脚のマッサージの効果を高めるには、できるだけ毎日継続して行いましょう。けれど、マッサージに大掛かりな準備が必要となると、継続するのが難しくなりがちです。

日常生活の中で自分の負担にならない程度に、続けやすいマッサージを行ってみてください。お風呂上がりのリラックスタイムなどで、10~15分程度のマッサージを習慣化することから始めてみましょう。

マッサージを続けると、脚や足首、足の指を自分で触る機会が増えて、状態を確認しやすくなります。短い時間でも、ぜひ毎日続けてみてください。


脚のマッサージ!4つの注意点

脚のマッサージは、方法やタイミングによってはおすすめできないことがあります。脚のマッサージをするときには、以下4つのことに注意しましょう。

  • マッサージ前後で飲酒をしない
  • 力を入れすぎない
  • 妊娠中は自分で行わない
  • 体調が悪いときには行わない

それぞれの注意点を、詳しく見ていきましょう。

マッサージ前後で飲酒をしない

脚のマッサージをするときには、マッサージの前や後で、飲酒をしないようにしましょう。
マッサージは筋肉を和らげ、血液の流れを促進するためです。マッサージをする前にアルコールを摂取していると、体内のアルコールが血液に乗せられて身体全体に広がりやすいため、酔いが回ってしまう恐れがあります。

同様に、マッサージの直後にお酒を飲むと、血流が流れやすくアルコールが急速に循環し、吐き気や頭痛を引き起こしてしまう可能性があります。

脚のマッサージ前後では、適切な水分補給を行い、早く寝るのがおすすめです。特にアルコールに弱い人は、マッサージ前後の飲酒には特に注意しましょう。

力を入れすぎない

脚のマッサージをするときには、力を入れすぎないようにしましょう。心地よさを感じるほどの力の強さが理想的です。

力を入れすぎると、筋肉や組織を引っ張りすぎてしまい、痛みを引き起こすことがあります。適度な力でマッサージを行うことで筋肉や組織がほぐれ、血流改善の効果が見込めますよ。

妊娠中は自分で行わない

脚のマッサージは、妊娠中は自分で行わないようにしましょう。妊娠中は、身体的・精神的ストレスが大きい時期です。加えて、赤ちゃんにストレスを与えずに行うマッサージの技術は、慣れていない人にとっては難しいものです。

妊娠していて、それでもなおマッサージを希望する場合は、マタニティマッサージに特化した施設で、安心・安全な施術をしてもらうことをおすすめします。

体調が悪いときには行わない

マッサージは可能な限り継続して行うことが理想ですが、脚のマッサージは、健康状態がよくないときには無理してはいけません。

体調が悪い状態でマッサージをすると、さらに体調を悪化させる可能性があるためです。もしマッサージで強い痛みを感じたり気分が悪くなったりした場合には、医療機関で診察を受けましょう。


まとめ

むくみを次の日に持ち越さないためにも、脚のマッサージをして解消しておくことをおすすめします。脚のマッサージは、むくみ解消の方法としては比較的手軽で、即効性が見込めます。

毎日続けるとより効果が見込めますが、体調不良のときや飲酒の前後、妊娠中は避けましょう。また、足がむくみにくくなる方法として、日中に着用する靴下を5本指ソックスに替え、足指をしっかり使って歩くのも1つの方法です。

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記事監修:桜井祐子
株式会社グローバル・ケア
フットケアスペシャリスト・博士(スポーツ医学)
(フットケアサロン)足の専門店 ペディケア https://www.globalcare.co.jp/
(フットケアスクール)足の専門校 スクールオブペディ https://school.pedicare.jp/

イラスト:佐藤江理