足の裏の疲れをどうにかしたい!ストレッチと予防方法を解説
「足の裏がだるく重くなるのはなぜ?」「疲れを解消する方法は?」
少しの距離を歩いただけでも、足の裏が疲れてしまうという人は少なくありません。足に溜まった疲れをそのままにしておくと、長時間歩いていられないのはもちろん、血行が滞り、足のむくみにつながりやすくなってしまいます。長期化すると足のトラブルを引き起こす原因にもなるため、早めに解消しましょう。
そこで今回は、足の専門家が足裏の疲れの原因を解説し、悩みを改善するためのストレッチやエクササイズ方法を紹介していきます。
足の裏の疲れをセルフチェック
まずは、足が疲れているかどうかをチェックしていきましょう。ご自身の状態が、以下の項目に当てはまるか、確認してみてください。
- 帰宅すると、すぐ座りたくなる
- 何もないところで、よくつまずく
- 電車やバスで、立っているのがつらい
- 夕方になると靴がきつく感じる
- 足首がスムーズに動かない
- 椅子から立つときに、掛け声を出してしまう
- 階段の上り下りを避けてしまう
- 歩くときに、前かがみになってしまう
- 重い荷物を持って歩くのがつらい
- 足の血色がよくない
当てはまる項目が5個以上ある人は、疲れが溜まっている可能性があります。ストレッチをするなどして、足の疲れを解消しましょう。
足の裏が疲れる原因
そもそも、足の裏に疲れを感じてしまうのはなぜでしょうか。ここでは、足の裏が疲れる以下3つの原因を、詳しく解説していきます。
- 足のアーチの崩れ
- 足の筋力低下
- 生活習慣によるもの
足のアーチの崩れ
足の裏が疲れてしまう原因の1つに、足のアーチの崩れがあります。足のアーチは、体重分散や衝撃吸収に役立ち、歩行や立ち姿勢の安定性をサポートしています。足のアーチは、内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの3つから形成されています。
この中でも、内側縦アーチが崩れて土踏まずのない状態が扁平足、横アーチが崩れた状態が、開張足です。足のアーチが崩れてしまうと、着地時に地面からの衝撃がうまく吸収できず、膝や足腰の関節や、筋肉に過度なストレスがかかってしまいます。足裏への負担が増すことで、疲れや痛みが発生しやすくなり、それをかばって膝痛や腰痛の原因になることも考えられます。
関連記事:扁平足ってどんな足?靴下選びに役に立つチェック方法や改善策を解説
足の筋力低下
足の筋力低下も、足の裏が疲れる原因の1つです。足の筋肉は、立っているときや歩いているときの安定性を保ち、着地時の地面や床からの衝撃を吸収する役割があります。
筋力が低下すると、足裏に過度な負担がかかり、疲れや痛みが生じてしまうこともあるでしょう。運動不足や加齢などにより、筋力が衰えてしまったという人も少なくありません。足の筋力を向上させるためには、適切な運動やストレッチを継続的に行っていくことが重要です。
生活習慣によるもの
足の裏が疲れやすいのには、生活習慣が影響を与えることがあります。近頃、運動不足になっているということはありませんか。また、仕事をする環境が変わって、立ち姿勢でいることが多くなったという変化がある人もいるかもしれません。
そして、足にあわない靴を履いていると、足の裏に負担をかけてしまうことがあります。また、靴底が薄く、クッション性がない靴などを履いていると、足裏が疲れてしまうといったこともあるでしょう。
生活習慣や仕事の環境を変えるのが難しいときには、ストレッチなどで足の筋肉をほぐすことをおすすめします。
足の裏の疲れをすっきりほぐす!ストレッチ
足の裏の疲れを解消するには、ストレッチで筋肉を柔らかくしてみましょう。ここでは、足の裏の疲れに効果的な、以下2つのストレッチを紹介します。
- 足裏と足首のストレッチ
- 足指の付け根のストレッチ
足裏と足首のストレッチ
足の裏の疲れを解消するには、足裏と足首のストレッチを行いましょう。足首の柔軟性を保ち、足の血行を促す効果が期待できます。
【足裏と足首のストレッチ】
- 右足を左足の太ももに乗せる
- 両手で、足の指を1本ずつ分けて前後に開く
- 次は、左右に開く方向に分けて開く
- 足裏を握りこぶしてトントンとたたく
- 足の指の間に、片手の指を交互に入れ、握手するように握る
- そのまま足首をぐるっと大きく20回まわす
- 反対周りで、20回まわす
足首や足の裏の筋肉を緩めるストレッチです。お風呂上がりなど、血行がよくなっているときに行うと効果的です。また、筋肉が硬い状態で運動すると怪我をしやすいため、スポーツの前にストレッチするのもおすすめです。
時間がないときには、5~7だけ、足首をぐるぐる回すだけでも簡単で効果的ですので、ぜひお試しください。
足指の付け根のストレッチ
足の裏の疲れを軽くするには、縮こまった足をほぐしていきましょう。ここでは、足指の付け根の部分のストレッチを紹介します。
【足指の付け根のストレッチ】
- 椅子に座った状態で、片足の膝を立てる
- 手で足を掴み、親指を付け根から床の方向に曲げる
- 5秒間キープする
- 親指が終わったら人差し指、中指と、小指まで行う
- 片足が終わったら、反対の足の指をストレッチする
- 椅子から立ち上がり、片足を1歩下げてつま先を反らせて伸ばす
- 15秒間キープする
ストレッチを行うときには、ゆっくりと優しく行うことを意識しましょう。足指の筋肉を柔らかくすると、むくみの解消効果も期待できますよ。足指の関節が動かしやすくなるため、つまずき防止にもつながります。
関連記事:足の疲れを5分でリセット! フットケアの専門家直伝「足部ストレッチ」
足の裏が疲れにくくなる!エクササイズ
足の裏が疲れてしまう人は、足の筋力トレーニングがおすすめです。ここでは、2つのエクササイズを紹介します。
- 足指のグーパー運動
- かかとの上げ下げ運動(カーフレイズ)
足指のグーパー運動
足裏のアーチが崩れているときにおすすめするのは、足を支える筋肉と靭帯のエクササイズです。足指部分を積極的に動かし、筋肉を鍛えていきましょう。
【足指のグーパー運動】
- 足の指でじゃんけんのグーの形を作る
- 次はパーの形を作る
- グーとパーを20回〜30回繰り返し行う
慣れないうちは、難しく感じるかもしれません。繰り返し行っていくうちに、開きやすくなるはずです。入浴中の湯船の中など、足があたたまって血行がよくなっているときなどに、ぜひ行ってみてください。
かかとの上げ下げ運動(カーフレイズ)
かかとの上げ下げ運動は、足裏の筋肉やふくらはぎを鍛える効果が期待できます。歩行の安定にもつながりますよ。
【かかとの上げ下げ運動】
- 立った状態で足を肩幅に広げる
- ゆっくりとかかとの上げ下げをする
- 20回行う
かかとを上げるときには、足指の付け根から、しっかり曲げるのがポイントです。ぜひ、運動の習慣として取り入れてみてください。継続して続けていくことで、足裏の変化に気づくはずです。倒れそうになる場合は無理せずどこかにつかまってくださいね。
足の裏の疲れを予防するために取り入れたいこと
足の裏の疲れを予防するためには、生活習慣での工夫も効果的です。ここでは、日常生活で取り入れやすい以下3つの方法を紹介していきます。
- 靴を替える
- インソールを使用する
- 五本指靴下を履く
靴を替える
足の裏を疲れにくくするには、普段履いている靴を替えてみましょう。足にあった靴を選ぶことで、かかとがしっかりと安定し、歩行時の疲れが軽減されるはずです。
靴を選ぶときには、まず、適切なサイズ選びが必要です。足に合ったサイズで、つま先部分に指1本分程度のスペースがある靴がおすすめです。また、足裏のアーチをサポートする形状の靴を選ぶと、足の疲れを軽減する効果が期待できます。
そして、足の裏は、立っているときや歩いているときに、地面やアスファルト、コンクリートなどから負荷がかかります。着地時の衝撃を緩和するために、適度なクッション性のある靴を選びましょう。
インソールを使用する
足のアーチをしっかり支えることが大事です。アーチの高さや形状は人によって異なるので、シューフィッターのいるお店で見てもらうとよいでしょう。内側縦アーチと横アーチサポートがあるインソールを選びましょう。
五本指靴下を履く
足が疲れやすいときには、五本指靴下を履いてみるのもおすすめです。五本指靴下は、足の裏の疲れを予防するのに役立ちます。五本指靴下は足指を1本ずつ別々に包まれているため、足指を動かしやすく、履き心地の良さを感じる人が多くいます。
また、足の指と指の間に生地があるため、足にかいた汗がすぐに吸収され、快適性を保つ効果も期待できます。
そして、五本指靴下の中には、足裏の筋肉の働きをサポートし、足のアーチ機能を向上させる機能を持つ靴下があります。足のアーチ形状が保たれると、歩行が安定し、足裏の疲れを予防することにもつながるでしょう。
まとめ
足の裏は、足のアーチの崩れや筋力低下などが原因で、疲労感を覚えることがあります。疲れを解消するには、足や足首、足指のストレッチを行い、筋肉をほぐしてみてください。また、足裏の筋力を鍛えると、疲れにくくなる効果が期待できます。本記事で紹介したエクササイズ方法を参考にしてみてください。
また、足のアーチサポート機能を持つ五本指靴下の使用もおすすめです。ケアソクの〈ととのえる〉は、足の専門家と共同開発した五本指靴下です。履くことで足指を正しい位置に誘導し、さまざまな足のトラブルを防ぐことにもつながります。毎日履く靴にこだわるように、靴下も、自分に合ったものをじっくりと選んでみませんか。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
