足がだるいのを解消!ふくらはぎの疲れを取るマッサージ方法を専門家が解説
1日の終わりに、「足が重くてだるい」と思うことはありませんか。激しい運動をしたわけでもないのに、ふくらはぎに疲れを感じる人は少なくありません。
次の日に疲れを持ち越さないためにも、足がだるくなる原因を知り、重さを取り払っておくことが大切です。
そこで本記事では、足の専門家がふくらはぎが重くなる原因を解説します。また、ふくらはぎの疲れを取るマッサージとエクササイズ方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
足がだるいのはなぜ?ふくらはぎが重くなる原因
足がだるくなってしまうのはなぜでしょうか。足の疲れを軽減させるには、ふくらはぎが重くなる理由を知ることが大切です。ここでは、ふくらはぎが重くなる以下の4つの原因を詳しく解説します。
- 疲労が蓄積している
- 足がむくんでいる
- 足にあわない靴を履いている
- 足のアーチが崩れている
疲労が蓄積している
足のだるさを感じる原因の1つとして、疲労が蓄積していることがあります。特に、同じ姿勢が長時間続くときには、ふくらはぎに血液が滞り、筋肉の疲労が蓄積してしまいがちです。
ふくらはぎは、脚にたまった血液を心臓に押し戻す、筋ポンプの役割を担っています。そのため、ふくらはぎの筋肉が十分に使われないと、筋力低下や血行不良が起こり、ふくらはぎが重く感じてしまうことがあります。
立ち仕事や座り仕事に従事している人は、適度に姿勢を変えながら、ふくらはぎを動かしていくことが大切です。
足がむくんでいる
ふくらはぎが重く感じる原因の1つとして、足のむくみが考えられます。むくみは、体内の水分バランスが崩れたり、血液やリンパ液の流れが滞ったりすることで発生します。
特に、長時間の座り姿勢や立ち姿勢が続く人は、重力の影響で血液やリンパ液が下半身に滞り、ふくらはぎがむくみやすくなりがちです。足のむくみを軽減させるためにも、ふくらはぎや足部をマッサージすることをおすすめします。
足にあわない靴を履いている
足に合わない靴を履いていることも、ふくらはぎが重く感じる原因の1つです。足に合わない靴を履いていると、足裏のアーチやかかとがしっかりと保持されず、歩行時に足の筋肉に余計な負担がかかってしまいます。そのため、大きすぎたり、小さすぎたりする靴を履いていると、筋肉が疲れたと感じてしまうことがあるでしょう。
特に、足がギュッと締め付けられるような細い靴を履くと、足の血行にも悪影響を与えて、ふくらはぎが重く感じてしまうことがあります。靴選びのポイントは、この記事の後半で詳しく紹介します。
足裏のアーチが崩れている
足のアーチが崩れていることも、ふくらはぎが重く感じる原因の1つです。私たち人間の足は、足裏のアーチ構造で、歩行時の衝撃や体重でかかる負荷を分散させ、全身のバランスを取っています。
足のアーチが崩れると、足裏の筋肉が過剰に働き、ふくらはぎの筋肉にも余計な負担がかかってしまいます。また、足のアーチが崩れると、足裏にかかる負担が増えることで、魚の目やタコができることも少なくありません。足のアーチを保つためにも、足の筋力アップを目指すことが大切です。
足がだるいのをスッキリ解消!ふくらはぎと足の運動
足のだるさを解消するには、マッサージやエクササイズをして筋肉をほぐすことが大切です。ここでは、自宅で手軽にできるふくらはぎと足の運動、以下5つを紹介します。
- 手軽にできる!ふくらはぎストレッチ
- むくみ改善に!足首のパタパタ運動
- 足裏をほぐす!足指のストレッチ
- リンパの流れを改善!脚の付け根・鼠径部(そけいぶ)マッサージ
- 土踏まずを復活させる!足裏のエクササイズ
手軽にできる!ふくらはぎストレッチ
ふくらはぎのだるさを感じたら、ふくらはぎのマッサージをしてみましょう。
【ふくらはぎのストレッチ】
- 立ったまま両足を肩幅に広げて、壁に手を付く
- 片足を後ろに引き、前に出ている足の膝を曲げる
- 後ろの足のふくらはぎをゆっくりと伸ばす
- 20秒〜30秒キープする
片足3セットずつ行います。仕事で立ちっぱなし、座りっぱなしだという人は、仕事の合間にふくらはぎを伸ばしてみてください。ふくらはぎの血行を促し、むくみを解消させる効果が期待できますよ。
むくみ改善に!足首のパタパタ運動
足がむくんで、だるく重く感じるときには、むくみを解消する足首の運動を行ってみましょう。
【足首パタパタ】
- 仰向けに寝て、足元に布団やクッションを置く
- その上に膝上からつま先を乗せ、足の高さが10cm〜15cm高くなるように調節する
- ゆっくりと足首を上下に動かす
自宅でリラックスしているときや就寝前に、手軽にできる方法です。ぜひ行ってみてください。
足全体をほぐして血行を促す!足首回し
よく歩いて疲れた日には、足首回しがおすすめです。足首を回すことで足部の血流が促され、足の冷えやむくみの解消にもつながりますよ。
【足首回し】
- 右足を左足の太ももあたりに乗せる
- 足指を分けるように1本ずつ前後に開く
- 足指を1本ずつ左右によく広げる
- 足裏をグーでトントンとたたく
- 右手で右足首をしっかりとつかんで支え、左手の指を右足の指の間の奥まで入れる
- 足首から大きくまわす
はじめは足指が開きにくいかもしれません。ですが、続けていくと開くようになりますし、気持ちよさを感じると思います。
家に帰ってリラックスしているときや、仕事の休憩中に行うのもおすすめです。
→関連記事:浮き指をととのえる!靴下の選び方と予防改善エクササイズ
リンパの流れを改善!脚の付け根・鼠径部(そけいぶ)マッサージ
足がだるく感じるときには、脚の付け根をマッサージをしてみてはいかがでしょうか。脚の付け根、鼠径部には、老廃物の出口であるリンパ節があります。リンパ節をマッサージして、リンパの流れを促すことで、脚やふくらはぎのむくみを解消する効果が期待できます。
【脚の付け根・鼠径部リンパマッサージ】
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 4本の指を揃えて、鼠径部を外側から内側に向けて押す
- 1カ所5秒ずつゆっくりと行う
- 外側から内側に向けて、4本の指で鼠径部を5回さする
このマッサージは、お風呂上がりなど血行がよくなっているときに行ってみましょう。体があたたまっていると、筋肉の緊張がほぐされてリラックス効果も得られます。
土踏まずを復活させる!足裏のエクササイズ
足のアーチが崩れていて疲れやすくなっている人は、足裏のエクササイズをしてみましょう。足裏の筋力トレーニングをすると、土踏まずが復活する効果が期待できます。
【タオルギャザー】
- 椅子に座り、床にタオルを置き、上に足を乗せる
- タオルを足の指で、手前にたぐり寄せていく
- 左右10回ずつ繰り返し行う
かかとでしっかりとタオルを押さえてから、足の指を動かして行っていきましょう。エクササイズを継続していくことで、足裏の筋力の回復が期待できます。特に、扁平足になっている人におすすめのエクササイズです。
足がだるくなるのを防ぐ!ふくらはぎの疲れを軽くする日常習慣
足のだるさは、日常生活の工夫で疲れを解消させることができます。ここでは、疲れを軽くするための以下の4つの方法を紹介します。
- ゆっくり入浴して足をあたためる
- 普段履いている靴を替える
- 靴の履き方を見直す
- 五本指靴下を履く
ゆっくり入浴して足をあたためる
足の疲れを解消する方法の1つ目は、ゆっくり入浴して足を温めることです。温かいお湯に浸かると、血管が拡張し、血行が促進されます。入浴により、ふくらはぎの筋肉に酸素や栄養が届きやすくなる効果が期待できます。
また、入浴はリラクゼーションにも効果的です。 温かいお湯にゆっくりと浸かると、リラックス効果もあり、ストレスによる緊張が緩和されるでしょう。
そして、足の血行が促進されることで、むくみも解消されやすくなります。むくみが解消されると、ふくらはぎのだるさや重さの軽減につながりますよ。
入浴時には、足を十分に温め、15分程度の時間をかけてリラックスすることが大切です。毎日、お風呂はシャワーで済ませているという人も、足に疲れを感じたときには湯船に使ってみてはいかがでしょうか。
普段履いている靴を替える
足の疲れを解消する方法の2つ目は、普段履いている靴を替えることです。仕事や通勤通学で履く靴、一日の中で履く時間が長い靴を見直してみてはいかがでしょうか。
特に、扁平足などで足裏のアーチが崩れているときには、靴底にクッション性のある靴や、アーチサポート機能を持つ靴に替えてみると良いでしょう。
新しい靴を購入する際は、適切なサイズ、足幅、クッション性に着目して選んでみてください。足にあった靴を履いていると、足の負担が減り効率的に歩けることで、足とふくらはぎを疲れにくくする効果が見込めます。
靴の履き方を見直す
足の疲れを解消する方法の3つ目は、靴の履き方を見直すことです。靴は、履き方も重要です。靴を正しく履くことで、足にしっかりとフィットし、歩行時の安定性が向上します。
立ったり座ったりするとき、歩いているときに地面を蹴るときなどにも、疲れにくさを感じるはずです。
これは、靴を正しく履くことで、足裏のアーチやかかとがサポートされるため、足への負担が軽減されます。立ったり座ったりするとき、歩いているときに地面を蹴るときなどにも、疲れにくさを感じるはずです。
靴を履くときには、以下の手順を心掛けてみてください。
- 腰掛けて靴を履く
- 靴紐(もしくはベルト)を緩め、足を靴に入れる
- かかとを床にトントンと着けて、合わせる
- 靴紐(もしくはベルト)をしっかりと締め直し、かかとを固定する
なお、靴を脱ぐときには、靴同士をこすり合わせて脱ぐことはやめましょう。靴のかかとの部分に負担がかかり、靴が痛みやすくなってしまいます。靴紐やベルトを緩めたら、手でかかと部分をしっかりと掴んで、脱ぎましょう。
さらに歩行が安定する結び方「ヒールロック」についてはこちら。
→関連記事:靴ひもの結びワザ! 「ヒールロック」でどこまでも歩ける足に。
五本指靴下を履く
足の疲れを解消する4つ目の方法は、五本指靴下を履くことです。五本指靴下は、それぞれの足指が1本1本しっかり独立することで、歩行時に足指を使って蹴り出すことができます。そうすると、ふくらはぎの筋肉も働きやすく、むくみの改善につながるでしょう。
また、五本指靴下は、足指が動かしやすいことで血行が促されやすいというのも特徴です。足指が自由に動かしやすくなることで、足の指や足裏の筋肉の柔軟性の向上も期待できるでしょう。
まとめ
ふくらはぎの疲れを解消するには、マッサージやエクササイズなどでこまめに運動していくことをおすすめします。足にあった靴を履いたり、アーチサポート機能を持つ五本指靴下を履くのも効果的です。毎日、履いている靴下を五本指靴下に替えて、足の変化を感じてみてください。
ケアソクの〈ととのえる〉は、科学的エビデンスのある五本指靴下です。ふくらはぎの疲れを緩和するための一助として、ぜひ一度お試しください。
●立ち仕事の夕方の疲れが違います
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記事監修
北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠