足の裏が乾燥する原因と5つの予防法を詳しく解説
足の裏が乾燥してしまうと、かかとにひび割れなどが起こり、そのまま放置していると痛みを覚えることがあります。そこまでいかなくても乾燥した角質が厚くなったり、表面がカサカサになり、靴下やストッキングにひっかかって、不快な思いをしてしまうこともあるでしょう。実は多くの人が同じ悩みを持っているようです。
そこで、「足の裏が乾燥するのはなぜ」「足の裏がすべすべになるにはどうしたらいい?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。
そこで今回は、足の裏が乾燥する原因を詳しく解説していきます。また、予防法も紹介しますので、是非参考にしてください。
足の裏はなぜ乾燥するの?
足の裏は、なぜ乾燥してしまうのでしょうか。ここでは、足の裏が乾燥する主な原因を、以下の3つに分けて解説していきます。
- 皮脂腺がないから
- 圧迫や摩擦による負荷がかかるから
- 空気の乾燥の影響を受けるから
皮脂腺がないから
足の裏が乾燥してしまう理由には、もともと足の裏には皮脂腺がないことが関係しています。皮脂は皮膚の表面を保護し、皮膚を柔らかく保ち、水分を閉じ込める役割を担っています。
皮脂腺がないことで、皮膚の表面にある油分が少なく、乾燥しやすくなってしまいます。皮脂腺は、全身にありますが、特に、顔・頭皮・背中・胸部に集中しており、手のひらや足の裏にはありません。
そのため、足の裏は充分に保湿されにくいと言えます。この足の裏の性質を理解し、保湿を意識することが大切です。
圧迫や摩擦による負荷がかかるから
足の裏が乾燥してしまうのには、靴や靴下との摩擦による負荷も、原因の1つです。靴や靴下と足の裏がこすれることで、皮膚の表面が剥がれて、乾燥やひび割れが起こりやすくなってしまいます。
特に、靴が小さすぎると常に足が靴に当たって摩擦が起きます。逆に、大きすぎる靴も靴の中で足が滑り、摩擦が大きくなってしまいます。足にあったサイズの靴を選ぶことが重要です。
他にも、歩行時に足を着くときの衝撃も影響するでしょう。
空気の乾燥の影響を受けるから
空気の乾燥からの影響も、足の裏が乾燥する原因の1つです。冬の寒い季節には、空気中の湿度が低くなり、肌が乾燥しやすくなります。
皮膚は、湿度や温度など、周囲の環境に影響を受けるため、空気の乾燥によって水分が奪われ、肌が乾燥してしまいます。室内の空気が乾燥している場合、加湿器を使用して湿度を適切に保つこともひとつです。
足の裏の乾燥でよくある質問
足の裏が乾燥しているときには、対処法などでさまざまな疑問が湧いてくるでしょう。ケアに関する様々な情報も目にすると思います。ここでは、ありがちな疑問の以下2つに回答していきます。
- 皮がむけるときはどうすればいい?
- ケアしないとどうなる?
皮がむけるときはどうすればいい?
足の裏の乾燥だけでなく、足指の皮が広い範囲でむけてしまう場合は、足の裏に病気が潜んでいる可能性があります。対処法を試してみても、症状が悪化したり、改善しない場合は、専門家に意見を求めることをおすすめします。皮膚科医に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
例えば、ありがちなトラブルに水虫・汗疱(かんぽう)・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などがあります。水虫になると、足の指の間、足の側面などにブツブツができて皮がむけてしまうことがあります。水虫の原因は、カビの一種である白癬菌の繁殖です。
また、汗疱は、足の裏や手のひらにできる皮膚炎で、かゆみを伴う小さな水ぶくれができます。掌蹠膿疱症は、膿が溜まった嚢胞(のうほう)が繰り返しできてしまう皮膚炎です。ただし、他の疾患であることも考えられるため、早めに皮膚科などの専門家の診断を受け、対処していくことをおすすめします。
関連記事:かかとがガサガサになるのはなぜ?水虫との見分け方や対処法を解説
関連記事:【専門家監修】足の裏の皮が剥けるのはなぜ?考えられる症状と対処方法を解説
ケアしないとどうなる?
足の裏の乾燥をケアしないで放置しておくと、乾燥が進み、皮膚が硬くなり、ひび割れや皮が剥がれることがあります。ひび割れが起こると、歩くたびに痛み、日常生活に支障が出ることも少なくありません。
また、ひび割れや皮膚の剥がれが深くなってしまうと、そこから細菌や真菌が侵入しやすくなり、感染症のリスクが高まります。
皮膚のひび割れの痛みや不快感がひどくなると、どちらか一方の足に負担がかかるような不自然な歩き方をしてしまうことがあります。足元のバランスが崩れ、転びやすくなることもあるでしょう。また、不自然な歩き方が続くと、膝や腰にも悪影響を及ぼしてしまうため、注意が必要です。
足の裏の乾燥を予防する5つの方法
足の裏の乾燥は、放置しているとひび割れなどが起こることもあるため、早めに対策していくことが大切です。ここでは、足の裏の乾燥を予防する以下5つの方法を詳しく解説していきます。
- 保湿ケアをする
- 入浴方法を見直す
- 食生活を見直す
- 足の爪のケアをする
- 靴下を履く
保湿ケアをする
足の裏の乾燥を予防する方法の1つ目は、保湿ケアをすることです。乾燥を予防するためには、毎日のスキンケアに保湿を取り入れてみましょう。保湿クリームや、保湿専用の靴下を使って、肌が柔らかく潤いを保った状態にしていくことが大切です。
保湿ケアのタイミングは、足を洗った後がおすすめです。特に、入浴後に保湿剤を塗ると効果的です。皮膚が潤っている状態で保湿剤を塗ると、水分を閉じ込めることができますよ。
入浴方法を見直す
足の裏の乾燥を予防する方法の2つ目は、入浴方法を見直すことです。長時間の入浴は、皮膚の水分を奪い、乾燥を引き起こしてしまうことがあります。湯船につかる時間は15分程度に抑えて、皮膚の水分を保つように心がけましょう。
また、お風呂のお湯の温度が高すぎると、皮膚の水分を奪い、乾燥しやすくなってしまうことがあります。肌に優しいおすすめの温度は、約38〜40℃程度の、熱すぎない温度です。
また、肌が乾燥しやすいときには、低刺激性で保湿成分を含む石鹸が適しています。手でしっかり泡立ててやさしく洗いましょう。
お風呂から上がるときには、タオルでしっかり水分を拭き取ることも大切です。
食生活を見直す
足の裏の乾燥を予防する方法の3つ目は、食生活を見直すことです。食事から摂取する栄養素は、皮膚の健康にも関係しています。
例えば、肉・魚類や豆類、卵などに含まれるタンパク質は、肌を作る材料としてだけでなく、筋肉や臓器、髪の毛を作る栄養素として非常に重要です。
また、抗酸化作用のあるビタミン類も、皮膚の健康を維持するために役立ちます。ビタミンCは、柑橘類や緑黄色野菜、ビタミンEはアーモンドやほうれん草、ビタミンAはニンジンやカボチャなどの食品から摂取できます。
バランスの取れた食事は、肌のターンオーバーを促し、体の調子を整えて健康に過ごすためにも重要です。いずれかに偏るのではなく、バランス良くさまざまな食べ物から栄養を摂取することを心掛けましょう。
足の爪のケアをする
足の裏の乾燥を予防する方法の4つ目は、足の爪のケアをすることです。足の爪のケアは、足の裏の乾燥を直接予防するものではありませんが、足全体の健康を維持し、足のトラブルを予防するために重要です。
足の爪が長すぎると、清潔に保つことが難しく、爪が割れてしまうこともあるため、適切な長さに切りそろえておくことが大切です。爪を短く切り過ぎるのもいけません。
爪を指の長さと同じくらいの位置でまっすぐ切り、角を丸く整えるようにしましょう(スクエアオフ)。また、肌と同様に、爪も乾燥するため、オイルなどを塗って保湿するのもよいでしょう。
足の爪の切り方や、詳しいフットケアについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
靴下を履く
足の裏の乾燥を予防する方法の5つ目は、靴下を履くことです。靴下は、足を保護するだけでなく、靴と足の裏の間の摩擦を軽減し、皮膚への負担を減らす役目も担っています。靴下を履くことで足の裏と靴の間に摩擦が少なくなり、乾燥を防ぐ効果も見込めるため、素足で靴を履くのはおすすめしません。
靴下を選ぶときには、素材にも着目してみましょう。綿やウールなどの天然素材の靴下は吸湿性に優れているため、足の裏の乾燥を予防するのにおすすめです。
まとめ
足の裏は皮脂腺がないという性質に加えて、摩擦や空気の乾燥などが原因となり、乾燥しがちです。乾燥が続くと皮がむけたり、ひび割れや病気などのトラブルにつながる恐れがあるため、早めに対策していくことが大切です。
足の裏の乾燥の予防法には、保湿ケアや適切な入浴方法、バランスの良い食生活などをおすすめします。また、素足で靴を履かずに、靴下を履いて足の裏の乾燥を予防しましょう。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
