足の裏が痛い!土踏まずに違和感があるときの原因と予防法
朝起きたときや歩いているときに、土踏まずに痛みがあるということはありませんか。足の裏が痛いと、毎日の生活にも支障が出てしまいます。
「土踏まずが痛いときに考えられる原因は?」「受診の目安が知りたい」という疑問はありませんか。痛んだ足をかばって歩いていると、不自然な歩き方になってしまうため、早めに対処したいものです。
そこで本記事では、足の裏が痛いときに考えられる原因を解説するとともに、足裏のトラブルを予防する方法を紹介していきます。
足の裏が痛い!土踏まずの痛みから考えられる原因
足の裏の痛みを解消するためには、まずは痛む原因をみていきましょう。また、医療機関を受診すべき状態はどのような痛みなのでしょうか。ここでは、土踏まずが痛いときに考えられる原因と、受診の目安を詳しく解説します。
考えられる原因
足の裏の痛みは、大きく以下2つの場所により原因が異なると考えられます。
- かかとから土踏まず……足底筋膜炎
- 土踏まずの内側……扁平足
かかとから土踏まずにかけて痛みが出ているときには、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)になっている可能性があります。一方、土踏まずの内側が痛いときには、扁平足になっていることが考えられます。それぞれの症状や対処法は、この記事の中でお伝えします。
まずは受診の目安をみていきましょう。
受診の目安
もし、足の裏が痛くて歩くのも難しく、日常生活に支障が出ているときには、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
普段の生活は問題なくても、度々痛みを感じたり、足の裏の感覚が鈍くなっていたりするときにも、医師の診察を受けることをおすすめします。また、足のしびれがあるときも同様です。
痛みが短期間でおさまり、その後も繰り返すことがなければ、様子をみてもよいかもしれません。しかし、安易に自己判断せずに、不安に思ったときには医療機関の受診を検討しましょう。
足の裏のかかとから土踏まずが痛い【足底筋膜炎】
ここでは、足底筋膜炎とは何か、症状・原因・改善方法を解説していきます。
足底筋膜炎とは
足底筋膜とは、足裏の土踏まずあたり、かかとから足の指の付け根にかけて弦のように張っている筋膜(腱膜)のことです。足底筋膜は、足裏の土踏まずを保持し、歩行やランニングの際に地面から受ける衝撃を緩和させるクッションのような役割を担っています。
この足底筋膜が炎症を起こした状態が、足底筋膜炎です。足をよく使うスポーツをしている人や、ヒールをよく履く人にも起こりやすいと言われます。
症状
足底筋膜炎になると、足裏に以下のような症状が出ます。
- 起床後、足を床についたときにピリッと痛む
- スポーツをしたあとに足裏が痛む
- かかとが激しく痛む
- 足の裏を押すと痛みが出る
初期段階の足底筋膜炎では、土踏まずに違和感があるだけで気づかないことも少なくありません。しかし、そのまま何の対処もしないと痛みが激しくなる可能性もあるため、軽症のうちに、早めに医療機関を受診しましょう。
原因
足底筋膜炎の原因には、足の筋力低下、スポーツによる足裏の酷使、体重の増加などが考えられます。
運動不足や加齢により、足裏の筋力が低下して起こることも少なくありません。また、立ち仕事をしていて、ふくらはぎやアキレス腱に疲労が溜まっている人も注意が必要です。
そして、体重が増加すると、体を支える足裏の負担も大きくなります。特に、短期間で急に体重が増えると、筋肉の耐久性が体重の変化に追いつかず、足裏が痛むことも考えられます。出産に向けて体重が増加する妊婦さんも同様です。
急な体重増加は、膝関節や足首にも負担がかかりやすくなるため注意しましょう。
改善方法
足底筋膜炎の痛みを緩和させるには、足のマッサージをして痛みを和らげてみましょう。軽症の場合は、足裏の筋力を鍛えるトレーニングもおすすめします。
足底筋膜は、踵骨(しょうこつ=かかとの骨)を介してアキレス腱、ふくらはぎともつながっています。運動する前には、アキレス腱のストレッチをして、筋肉を柔らかくしておくことも予防には効果的です。
足の裏の土踏まずの内側が痛い【扁平足】
足の裏の土踏まずの内側の筋が、ピンと張ったように痛む場合は、扁平足になっている可能性があります。ここでは、扁平足とは何かと、症状・原因・改善方法を解説していきます。
扁平足とは
扁平足とは、土踏まずが平らになっている状態の足のことをいいます。人の足は、内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの3つのアーチで支えられています。この中で、内側縦アーチが崩れている状態が、扁平足です。
扁平足は、病気と言われるほど深刻な状態ではありません。歩き方を矯正したり足の筋力を鍛えたりすると、痛みが緩和することもあります。
症状
扁平足は、激痛というよりは違和感があったり疲れやすかったりという症状が出る人が多くみられます。長時間の歩行や立ち姿勢などが続くと、土踏まずがだんだんと痛くなってくるケースもあるでしょう。足がだるく、重く感じることも少なくありません。
病気ではないと言っても、扁平足を放置していると、膝や腰にも痛みが起こる場合もあるため油断は禁物です。
原因
扁平足は、歩き方のクセや足の筋力低下、足にあわない靴の着用などが原因として挙げられます。
運動不足や加齢などで足裏の筋力が衰えると、足のアーチが崩れて扁平足になることも少なくありません。また、足にあわない靴やヒールの着用も、扁平足を引き起こすと考えられています。
ヒールを履くと、歩く際に足指での蹴り出しが少なくなるため、足裏の筋肉を使いにくくなります。仕事などでヒールを履かなければならない人もいるかもしれませんが、通勤時やお休みの日は、スニーカーやフラットシューズなど、歩きやすい靴を履くように心がけてみてください。
改善方法
足のアーチが崩れて扁平足になってしまったときには、足部の筋力を鍛えるトレーニングがおすすめです。足のアーチを支える靴下を履くのもよいでしょう。そして、歩き方を改善するのも1つの方法です。
歩くときには、かかとから接地し、足指を使って地面を蹴るよう意識して歩きましょう。正しい歩行をすると、土踏まずの筋肉がバネのような役目を果たし、体が前に進みやすくなりますよ。
足の裏の土踏まずが痛くなる前に!足のトラブルの予防方法
普段通りの生活をしていても、たまに足裏に違和感を覚えたり、足の裏が痛くなったりするという人もいるでしょう。土踏まずの痛みを繰り返さないためにも、足のトラブルを予防していきましょう。以下の3つの方法をおすすめします。
- マッサージをする
- 足指トレーニングをする
- 5本指靴下を履く
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
マッサージをする
足のトラブルを予防するには「ゴルフボールマッサージ」がおすすめです。足裏の筋肉や腱膜をほぐして、柔らかくしていきましょう。ただし、足裏の痛みが激しいときには、無理に行わないでください。
【ゴルフボールマッサージ】
- 椅子に座ってゴルフボールの上に片足を乗せる
- 前後に足を動かす
- 2分間、続ける
- もう一方の足も行う
フローリングの床の上ではボールが転がってしまうこともあるため、カーペットやラグの上で行うとよいでしょう。慣れてきたら、疲れない程度に時間を伸ばしてみましょう。
ゴルフボールマッサージは、足裏のむくみ解消や血行促進効果も見込めます。自宅で手軽にできる方法ですから、ぜひ取り入れてみてください。
足指トレーニングをする
足の裏のトラブルを予防するには、筋力を鍛える「タオルギャザー」がおすすめです。足指を動かす細かい動作をすることで、アーチを支える靭帯や筋肉は鍛えられ、足元が安定する効果が見込めます。
【タオルギャザー】
- 椅子に座り、床にタオルを敷いて足を乗せる
- かかとをつけて、足指でタオルを手前にたぐり寄せる
- 左右10回ずつ繰り返し行う
タオルギャザーでは、かかとでしっかりと、タオルを押さえておくのがコツです。足の裏の筋力が鍛えられると、足裏や足指でしっかり地面を捉えられるようになり、歩行が安定します。自宅で、リラックスしているときなどにぜひ行ってみてください。
他にも足部を鍛えるトレーニングを紹介しています。併せてご覧ください。
関連記事:すぐに疲れる足、原因は筋肉不足かも⁉ フットケアの専門家直伝「足部トレーニング」
5本指靴下を履く
足裏のトラブルを防ぐには、5本指靴下を履くのも効果的です。5本指靴下は、足指が1本ずつ袋に包まれているため、それぞれの指が動かしやすい構造をしています。
そのため、地面を捉えやすく、歩いているときや立っているときのバランスを保ちやすくなります。5本指靴下を履いて足指が自由に動かせると、足の血行もよくなり、むくみの改善効果も期待できますよ。
長時間の立ち仕事や、長い距離を歩く仕事に従事している人も、5本指靴下を履いていると、歩行が楽になるといった声も耳にします。また、一般的な先の丸い靴下と比べると5本指靴下は、足にかいた汗を吸収するため、履き心地がよいと感じる人も多いです。
まとめ
足の裏の土踏まず周辺が痛いときには、足底筋膜炎や扁平足になっている可能性があります。足の筋力低下が原因となることも多いため、足裏のマッサージや筋力トレーニングをしてみてはいかがでしょうか。また、5本指靴下は、足指で地面を捉えて歩行が安定しやすくなる効果が期待できるので、おすすめです。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
