脚やせしたい!4つの脚マッサージと効果を高めるコツを専門家が解説
「効果的な脚のマッサージ方法は?」「むくんだ脚を軽くする方法はある?」
夕方になると足がむくんで靴下の跡が脚についていることはありませんか。パンパンにむくんだ足を放置していると太く見えてしまうことがあるため、早めに解消したいものです。
そこで今回の記事では、脚のマッサージ方法を足・足首・ふくらはぎなどの部位別に紹介します。むくみ解消に効果的なマッサージ法を実践して、脚やせを目指しましょう。
※この記事はあくまで健康な状態の方を対象にしています。例えば寝たきりのご家族の方へむくみのケアをしてあげたいと思われた場合は、無理にストレッチをしたり、擦ったりすることは禁忌なので、くれぐれもご注意ください。
脚のむくみはなぜ起こる?マッサージは効果ある?
「朝は普段通りに履けた靴が、仕事終わりに窮屈に感じた」「夕方になるといつも靴下の跡が脚についてしまう」などの経験はありませんか。この原因は、脚のむくみです。
効果的なマッサージ法を知る前に、むくみの原因を紐解いてみましょう。むくみとは、皮膚の下にある皮下組織に、余分な水分が溜まってしまった状態のことを指します。
むくみと肥満は別物ですが、脚がむくむことで、いつもよりも足が太く見えてしまうこともあります。
そこで、脚のむくみを改善する方法としてマッサージが有効です。マッサージをすることで、血行やリンパの流れを促すことができます。マッサージによる変化は、見た目にも実感しやすく自宅でも行えるため、是非試してみて下さい。
脚の部位別!4つのフットマッサージ法
脚のマッサージは、実際にはどのようにすればよいのでしょうか。ここでは、下記の4つに分けて、フットマッサージ法を解説します。
- リンパ節の刺激
- 足指の付け根
- ふくらはぎ
- 足首
それぞれの方法を、詳しく見ていきましょう。
リンパ節の刺激
脚部のむくみをスッキリさせるためには、まずは、鼠蹊部リンパ節の刺激からスタートするのが効果的と言われています。
まずは2つのリンパ節を刺激しましょう。
【鼠蹊部ポンピング】
鼠蹊部(鼠径部・そけいぶ)と呼ばれる大腿のつけ根を手のひらで優しく押してみましょう。2秒押して1秒でぱっと離すのがポイントです(ポンピング)。これを片脚5回繰り返してポンピングしてみましょう。
【膝下部ポンピング】
次に、膝裏のリンパ節を刺激します。膝を曲げると後ろに線がつくところを手の第2~4指で支えて、足を前後にブラブラ、片脚15回揺らしてみましょう。
足指の付け根
はじめに、足指の付け根をリラックスさせるマッサージの手順を説明します。足の指をマッサージすることで、足の指の筋肉だけでなく、足全体の筋肉がほぐされ、疲れやむくみを和らげることができますよ。
【足指の付け根のマッサージ】
- 椅子に座り、膝を曲げて片足を座面の上に置く
- 片手で親指を持ち、親指を付け根から床へ向けて曲げ、5秒キープ。
- 手順1~3を、人差し指から小指まで行う
- 一方の足が完了したら、他方の足を行う
- 椅子から立ち上がり、片足を一歩下げ、つま先を反らせるように伸ばす
- この状態を15秒間キープする
マッサージを行うときは、優しくゆっくりと行いましょう。関節まわりの筋肉の柔軟性が取り戻せると、リラックス効果も期待できます。
関連記事:足の疲れを5分でリセット! フットケアの専門家直伝「足部ストレッチ」
ふくらはぎ
脚のむくみに悩む人は、ふくらはぎのストレッチを試してみてください。ふくらはぎは第二の心臓とも言われる重要な部位で、血液やリンパの流れに大きく関わります。
【ふくらはぎのストレッチ】
- 両足を肩の幅程度に開き、壁や椅子に手を置く
- 右足を後ろへ下げ、左足の膝を曲げる
- 右足のふくらはぎをゆっくりと伸ばす
- そのままの状態を20秒~30秒間キープする
- 左右の足を交換して3セット行う
ふくらはぎのストレッチをすることで血流が促され、足がスッキリする感覚が得られるはずです。伸ばすときには、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。
足首
次に、足首のマッサージを紹介します。このマッサージは、長時間の立ち仕事や座り仕事などでむくみを感じた日、寝る前などにおすすめです。
【足首パタパタ】
- クッションや布団を準備する
- クッションの上に膝下から足を乗せる
- 足が床から10cm~15cm高くなるように調節する
- 足首を伸ばすようにして、ゆっくりと上下に動かす
この姿勢で約20分、リラックスしながら過ごし、時折、足首を上下にパタパタと動かしてみてください。足を高くしておくだけでも効果はありますが、足首を動かすことで、むくみの解消により高い効果が期待できます。
脚のマッサージの効果を高める3つのコツ
せっかく脚のマッサージをするなら、効果を高めたいですね。ここでは、マッサージの効果を高める以下3つのコツを紹介します。
- 入浴で体をあたためておく
- 水分補給をする
- 継続して行う
それぞれのコツを、詳しく紹介していきます。
入浴で体をあたためておく
脚のマッサージの効果を高めるには、マッサージを行う前に、入浴して体をあたためておきましょう。湯船に浸かることで体が十分にあたたまり、筋肉の緊張がほぐれて、マッサージの効果を最大限に引き出すことができます。
そのため、お風呂から出た直後がマッサージには適したタイミングです。また、バスタブの中でマッサージを行うのもおすすめです。体をあたためながら、特に気になる箇所を重点的にケアすると良いでしょう。
水分補給をする
脚のマッサージをするときには水分補給を行いましょう。温かいお湯か室温の水を、コップ1杯(200ml)程度、飲むのが目安です。
マッサージをすると筋肉の緊張が和らぎ、血行が促進されるとともにリンパの流れも改善していきます。そのため、マッサージ後は体内の老廃物がリンパ液とともに体外へ排出されやすくなっている状態です。
水分補給を行うことで、体内の水分バランスを保ちつつ老廃物の排出を促すことができます。さらに、十分な水分を摂ることは新たな体液(血液やリンパ液)の生成を促し、血液やリンパの流れを良くするためにも重要です。
マッサージ後の水分補給は、体内のデトックス効果を高め、健康的な身体を保つことにもつながりますよ。
継続して行う
脚のマッサージの効果を高めるには、できるだけ毎日継続して行いましょう。けれど、マッサージに大掛かりな準備が必要となると、継続するのが難しくなりがちです。
日常生活の中で自分の負担にならない程度に、続けやすいマッサージを行ってみてください。お風呂上がりのリラックスタイムなどで、10~15分程度のマッサージを習慣化することから始めてみましょう。
マッサージを続けると、脚や足首、足の指を自分で触る機会が増えて、状態を確認しやすくなります。短い時間でも、ぜひ毎日続けてみてください。
脚のマッサージ!4つの注意点
脚のマッサージは、方法やタイミングによってはおすすめできないことがあります。脚のマッサージをするときには、以下4つのことに注意しましょう。
- マッサージ前後で飲酒をしない
- 力を入れすぎない
- 妊娠中は自分で行わない
- 体調が悪いときには行わない
それぞれの注意点を、詳しく見ていきましょう。
マッサージ前後で飲酒をしない
脚のマッサージをするときには、マッサージの前や後で、飲酒をしないようにしましょう。
マッサージは筋肉を和らげ、血液の流れを促進するためです。マッサージをする前にアルコールを摂取していると、体内のアルコールが血液に乗せられて身体全体に広がりやすいため、酔いが回ってしまう恐れがあります。
同様に、マッサージの直後にお酒を飲むと、血流が流れやすくアルコールが急速に循環し、吐き気や頭痛を引き起こしてしまう可能性があります。
脚のマッサージ前後では、適切な水分補給を行い、早く寝るのがおすすめです。特にアルコールに弱い人は、マッサージ前後の飲酒には特に注意しましょう。
力を入れすぎない
脚のマッサージをするときには、力を入れすぎないようにしましょう。心地よさを感じるほどの力の強さが理想的です。
力を入れすぎると、筋肉や組織を引っ張りすぎてしまい、痛みを引き起こすことがあります。適度な力でマッサージを行うことで筋肉や組織がほぐれ、血流改善の効果が見込めますよ。
妊娠中は自分で行わない
脚のマッサージは、妊娠中は自分で行わないようにしましょう。妊娠中は、身体的・精神的ストレスが大きい時期です。加えて、赤ちゃんにストレスを与えずに行うマッサージの技術は、慣れていない人にとっては難しいものです。
妊娠していて、それでもなおマッサージを希望する場合は、マタニティマッサージに特化した施設で、安心・安全な施術をしてもらうことをおすすめします。
体調が悪いときには行わない
マッサージは可能な限り継続して行うことが理想ですが、脚のマッサージは、健康状態がよくないときには無理してはいけません。
体調が悪い状態でマッサージをすると、さらに体調を悪化させる可能性があるためです。もしマッサージで強い痛みを感じたり気分が悪くなったりした場合には、医療機関で診察を受けましょう。
まとめ
むくみを次の日に持ち越さないためにも、脚のマッサージをして解消しておくことをおすすめします。脚のマッサージは、むくみ解消の方法としては比較的手軽で、即効性が見込めます。
毎日続けるとより効果が見込めますが、体調不良のときや飲酒の前後、妊娠中は避けましょう。また、足がむくみにくくなる方法として、日中に着用する靴下を5本指ソックスに替え、足指をしっかり使って歩くのも1つの方法です。
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記事監修

桜井 祐子(さくらい ゆうこ)
足のケアの専門家 フットケアスペシャリスト(Certified Foot care specialist)
CMP (Certified Master Pedicurist)
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学専攻 修了
博士(スポーツ医学)
足の専門店PEDI CARE 代表 https://www.pedicare.jp/
足の専門校SCHOOL OF PEDI 校長 https://school.pedicare.jp/
足の問題を様々な視点から保存的に改善するために、ドイツ式メディカルフットケアポドロギーをベースとした角質ケア、足爪ケア、巻き爪ケア、リフレクソロジー、ボディケア、インソール作成、靴調整などのトータルフットケアを提供するフットケアサロンを横浜に開設。
足の専門家育成のために、医師・看護師・介護福祉士・フットケアスペシャリスト向けにスクールで指導にもあたる。そのほか多数の講演やセミナーの講師、TV・メディアに出演。
【学術論文】
Effects of Foot Care on Foot Problems in Elderly Women Requiring Long-Term Care.(要介護高齢女性の足部異常に対するフットケアの効果に関する研究),Synergy of Arts and Sciences,22(2),165-174,2018.10
ほか
【代表著書】
フレグランスジャーナル社「サロンワークに役立つ実践フットケア」出版
【メディア出演】
NHK総合テレビ「あさイチ」:「女のホケン室」足のお悩み
NHK総合テレビ「あさイチ」:「女のニュース どうする? サンダルの靴ずれ」
ほか多数
著者: 株式会社 山忠
