立ち仕事のための靴下の選び方を詳しく解説
「立ち仕事に向いている靴下は?」「足が楽になる方法はある?」
美容師やカフェ店員、ショップ店員や調理師など、仕事中に立っていることが多い人にありがちな悩みが、足のむくみや疲れです。朝、仕事に出掛けてから帰宅するまで、ずっと履いている靴下を替えることで、足の疲れが軽減されるかもしれません。
そこで今回は、立ち仕事に向く靴下の特徴と、足のだるさを解消する方法を詳しく紹介します。
立ち仕事で足がだるくなるのはなぜ?靴下を選ぶ前の知識
そもそも、立ち仕事で足がつらくなるのはなぜなのでしょうか。原因を知ることで、仕事中に履く靴下を選びやすくなるはずです。
立ち仕事で足がだるくなる理由は、以下の4つが考えられます。
- 足がむくむ
- 靴の中が蒸れる
- 履いている靴があわない
- 職場の床が硬い
それぞれの原因を詳しく解説していきましょう。
足がむくむ
立ち仕事で足がつらくなる主な原因は、足のむくみです。立ちっぱなしの姿勢は、重力によって血液やリンパ液といった水分が、下半身にたまりやすい状態です。
本来であれば、ふくらはぎの筋肉が動くことで、リンパ液の流れを促したり血液を心臓に戻すポンプのような役割を果たします。しかしずっと同じ姿勢を続けていると、ふくらはぎのポンプの役割が機能せず、むくみやすくなってしまうのです。
足のむくみを予防するには、ふくらはぎの筋肉を意識して動かす必要があるでしょう。
靴の中が蒸れる
立ち仕事では、靴の中が蒸れやすくてストレスを感じる人も少なくありません。足に汗をかいて蒸れると快適性が失われ、より疲れたように感じてしまうことが原因です。
特に夏は、足の裏や指の間にも汗をかきやすく、不快な思いをする人も多いでしょう。冬でも、ブーツを履いている人は蒸れを感じることもあるでしょう。
また、蒸れた靴を繰り返し履き、高温多湿の状態が続くと、白癬菌の感染(水虫)を引き起こしやすいため注意が必要です。
履いている靴があわない
立ち仕事で足が疲れる原因には、足にあわない靴を職場で常用していることも考えられます。サイズが合わない靴や、横幅がきつすぎる靴などを履いていると、足に負担がかかり、疲れやすくなってしまうのです。
新しい靴を何日か仕事で履いてみたけれど、足の裏やかかとが痛くなる場合は、靴が足にあっていないのかもしれません。靴を選ぶときには、必ず足のサイズを測ってから購入することが重要です。
サイズ(足長)があっていても横幅がきついと感じる場合、0.5~1cm単位でサイズの大きい靴を選んでしまいがちです。しかしサイズが大きい靴は足が靴の中で前滑りしやすく、靴が脱げないようにつま先に力が入って不自然な足の形で歩いてしまうことがあります。
靴は、履き心地がよく、足長と足幅もあうものを選ぶことが大切です。
自分の足にあった靴をお店で選ぶときには、シューフィッターのいる販売店でアドバイスを受けることをおすすめします。
職場の床が硬い
立ち仕事で足が疲れる原因の1つに、職場の床が硬いということがあります。石材や硬い木製の床、アスファルトの地面など、足にとっては厳しい環境がたくさんあります。
特に、百貨店の床などは大理石や御影石などでできた、硬いタイル仕上げが見られます。飲食店の厨房などでは、コンクリート床でできていることも多いでしょう。硬い床は、カーペットなどクッション性のある床に比べると、足腰への負担が大きくなってしまいます。
職場の環境が硬い床という人は、なるべくクッション性のある靴や靴下を利用しましょう。
関連記事:立ち仕事で足が痛い!原因と解消する方法を詳しく解説
ほかにも足の疲れにはハイアーチなどの原因も。
関連記事:ハイアーチとは?原因と改善方法など靴下選びのコツを解説
立ち仕事の人におすすめの靴下!4つの特徴
では、立ち仕事に従事している人は、どんな靴下を選べばいいのでしょうか。靴下を選ぶときには、以下の特徴に着目してみてください。
- 足のむくみを軽減させる
- 蒸れにくい素材でできている
- 長時間歩いていても疲れない
- 足部のバランスがとりやすい
それぞれ1つずつ解説します。
足のむくみを軽減させる
立ち仕事をするときの靴下には、足のむくみを軽減させる五本指ソックスがおすすめです。足のむくみには、血液やリンパの流れが深く関係しています。
足が1本ずつ独立している五本指靴下は、足指を意識して動かしやすいです。血行を促すことで足があたたまり、むくみ改善の効果が期待できます。さらに、足指が1本ずつ包まれているため、足汗で足が冷えるのを予防できるでしょう。
蒸れにくい素材でできている
立ち仕事の人に向く靴下は、蒸れにくい素材でできていることもポイントです。合成繊維よりも、綿やシルクなど自然素材がおすすめです。
特に、綿は吸水性に優れ、強くて丈夫という特徴があります。五本指靴下に使われる場合、足と足の間にかいた汗がすぐに吸収され、履き心地も快適に感じるでしょう。
長時間歩いていても疲れない
立ち仕事の中でも、立ちっぱなしではなく歩き回ることが多い人もいます。たとえば、営業職、飲食店スタッフ、清掃員、倉庫内を歩き回るピッキングのお仕事をしている人などなど。
歩くことが多い人は、長時間歩いても疲れにくい靴下を選びましょう。例えば、足裏にクッション性のある靴下もひとつ。地面や床から足に伝わる衝撃が緩和され、さらに硬い床からの衝撃が軽減されるでしょう。
足部のバランスがとりやすい
立ち仕事の人は、足部のバランスがとりやすくなる五本指靴下をおすすめします。私たち人間の足にはアーチ構造があり、歩行中の膝や腰にかかる衝撃を吸収しています。
五本指靴下は、足の5本の指全体に体重が分散され、体のバランスが取りやすくなります。バランスが整うと、歩くときの衝撃が吸収され、膝腰に負担がかかりにくくなるでしょう。
関連記事:足が疲れにくい靴下とは?4つの特徴や使えるシーンまで詳しく解説
靴下とあわせて実践してみよう!立ち仕事で疲れた足がすっきりする方法
立ち仕事での足の疲れに、靴下を替えるのは有効な手段です。さらに、靴下を替えることとあわせて、ストレッチやマッサージなど以下の方法で、足の疲れをすっきりさせましょう。
- ふくらはぎを伸ばす
- ゆっくりとお湯に浸かる
- マッサージする
- 足を高くして寝る
ここでは、疲れた足をすっきりさせる方法を詳しく紹介していきます。
ふくらはぎを伸ばす
足がむくみやすい人は、ふくらはぎを伸ばすストレッチがおすすめです。ふくらはぎの筋肉を柔らかくすることで、足の血行がよくなりますよ。仕事の休憩中などにも行える方法を紹介します。
【ふくらはぎのストレッチ】
- 椅子やテーブルに手をかけて足を肩幅に広げる
- 片足を後ろに一歩引き、前の足の膝を曲げる
- ふくらはぎをゆっくり伸ばして20秒~30秒間キープする
ふくらはぎを伸ばすときは、息をゆっくりと吐きながら行うのがポイントです。片足3セットずつ行ってみてください。
ゆっくりとお湯に浸かる
足の疲れには、しっかりとお風呂に浸かるのもおすすめです。入浴は、下半身にたまった血液やリンパ液を押し戻してくれる効果が期待できます。
反対に、湯船に浸からずにシャワーだけで済ませていると、体が冷えやすく血液やリンパの流れが悪くなるため、むくみやすくなってしまいます。
【おすすめの入浴法】
- お湯は38~40℃に設定する
- 15~20分間ゆっくり浸かる
- 寝床につく1~2時間前にはお風呂に入る
この入浴法は体の中心部を温め、眠りにつきやすくします。冬は入浴後から寝るまでの間に足を冷やさないよう、お風呂上がりには靴下を履いて保温しましょう。
マッサージする
立ち仕事で疲れた足には、足指と足首のマッサージが効果的。疲れで硬くなった筋肉を、ゆっくりとほぐしていきましょう。お風呂上りなど体があたたまったタイミングがおすすめです。
【足指と足首のマッサージ】
- 椅子に座り片足を太ももの上に乗せる
- 足指を1本ずつ分けるように前後に開く
- 左右に1本ずつ開く
- 手をグーの形にして、足裏をトントンとたたく
- 右手と左足で握手をするように掴む
- 足首を大きく20回まわしたあと、反対に20回まわす
- 反対の足も同様に行う
足を高くして寝る
立ち仕事で足が疲れてしまったら、足を高くして寝る方法もおすすめです。足を上げて寝ると、むくみ解消や新陳代謝アップの効果が期待できますよ。
【足を上げて寝るときのポイント】
- 仰向けになった状態で、10~15cm足が上がるように調整した布団やクッションを足の下に置く
- 膝から足部まで全体的に支えられるクッションなどを利用するのがおすすめ
関連記事:こむら返りの原因とは?予防法もあわせて解説【専門家監修】
まとめ
立ち仕事で足が疲れたと感じるのは、足がむくんだり蒸れて不快に思ったりすることが原因です。靴が足にあわなかったり、職場の床が硬かったりするのが関係することもあります。
仕事中、ずっと履いて活動する靴下には、疲れにくくなる靴下を選んでみてはいかがでしょうか。足のむくみや蒸れを防ぐ靴下をおすすめします。また、足部のバランスがとりやすく長時間歩いていても疲れない五本指ソックスを選ぶのも、選択肢の1つです。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
