靴擦れを予防するには?履きたい靴を履くための対処法
新しい靴を履いて出かけたら、靴擦れが起きてしまった経験はありませんか。せっかくのお出掛けに靴擦れができてしまうと、足が痛くて楽しめなくなってしまいますね。
「靴擦れが起こりやすくて困る」「靴擦れは予防できるの?」という悩みを持っている人もいるかもしれません。
そこで今回は、靴擦れの原因や予防方法・対処法を詳しく解説します。
靴擦れはなぜ起こる?予防法を知る前の基礎知識
まず、靴擦れはなぜ起こるのでしょうか。靴擦れの予防方法を知る前に、ここでは靴擦れが起こる原因を解説します。
靴擦れの原因
靴擦れとは、歩行時に足と靴の間で擦れて傷ができることをいいます。
靴擦れは、以下のようなケースで起こりやすい症状です。
- 新しい靴を履いたとき
- 靴のサイズが足にあっていないとき
- 慣れない靴で長時間歩いたとき
- 歩き方がよくないとき
靴は、ついついデザインを優先して選んでしまいがちです。しかし、例えばパンプスなどヒールの高い靴は、足が前に滑りやすく、小指や親指の外側が靴があたり、擦れることがあります。また、外反母趾や内反小趾などで足に出っ張っている部分があると、やはり靴と擦れやすいでしょう。
他にも、普段より足がむくんでいるときにも、靴擦れを起こすことがあります。
靴擦れが起こりやすい場所
靴擦れが起こりやすいのは、かかと・足指の甲側、外反母趾の場合は親指の付け根の外側、内反小趾の場合は小指の付け根の外側に靴擦れが起こりやすいです。
他にも、大きすぎる靴を履いて足が前滑りしてしまい、靴が脱げないように指先でぎゅっとつかむような形になっている人や、ハンマートウ(ハンマートゥ)で足指が変形している人は、足指の甲側が靴擦れを起こすこともあるでしょう。また、ヒールの高い靴で、足の前方に体重がかかっている人は、足裏の指の付け根あたりが擦れて痛くなることがあります。
関連記事:内反小趾とは?原因と改善方法などソックス選びのコツを解説
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靴擦れを予防する5つの方法
靴擦れは、何度も繰り返してしまうことがあり、再発防止の方法を知りたいと思う人もいるでしょう。また、靴擦れを起こしそうな靴でも、予防方法が分かれば対策をして履いて出掛けることができるはずです。
ここでは、靴擦れを予防する5つの方法を詳しく解説します。
1.ストッキングや靴下を履く
靴擦れの予防としては、まずストッキングや靴下を履くことです。靴と足が擦れてしまうと靴擦れが起こりやすいため、肌を保護するためにストッキングや靴下を履くことは有効です。
ストッキングでも靴擦れをしてしまう場合は、季節によってはより厚みがあるタイツをおすすめします。素足で靴を履かないようにし、肌を痛めないようにしましょう。
2.絆創膏を貼っておく
靴擦れが起こりそうな場所にあらかじめ絆創膏を貼り、肌を保護しておくことも効果的です。
かかとや足指の甲側など、靴擦れしやすい場所に絆創膏を貼っておきましょう。そうすれば、靴擦れが起きてしまったときでも傷口から雑菌が入り込むのを防ぐこともできます。また、お出かけのときには絆創膏を持ち歩いていれば安心です。
3.ワセリンを塗っておく
靴擦れの予防方法として、ワセリンを足に塗っておく方法があります。ワセリンを塗ると滑りやすく、靴と足の摩擦が抑えられるためです。
足指の甲や親指の付け根など、靴擦れしやすい場所にワセリンを塗ってみましょう。ワセリンがない場合は、リップクリームでも代用が可能です。
4.正しい歩き方をする
歩き方がよくないことも、靴擦れの原因の一つです。足を引きずる、重心が偏るなどの歩き方では、足の一部に負荷がかかり、靴擦れが起こりやすくなります。いつも決まった場所に靴擦れができる人は、歩き方に問題があるのかもしれません。
心当たりのある方は、正しい歩き方を意識して根本的な解決を図りましょう。
まずまっすぐ前を見て足指を床に着けて立ちます。前後に揺れながら、足裏全体に体重を乗せましょう。
歩くときはかかとから着地し、親指から自然に蹴り出すことをイメージしてみてください。
理想的な歩き方になっていると以下の順番で重心が移動していきます(あおり運動)。
かかと→足の外側→親指の付け根
足指から蹴り出すことがポイントです。
5.靴を替える
靴擦れを予防するには、靴を替えるのもおすすめです。足にあっていない靴を履くと、足と靴で摩擦が起こりやすく、靴擦れを起こしてしまいます。
素材が硬い靴は靴擦れを起こしやすいので、柔らかい靴を選ぶのも一つの方法です。自分にあった靴をお店で選ぶときには、シューフィッターのいる販売店でアドバイスを受けることをおすすめします。
予防していても靴擦れした!対処法を解説
予防していても、靴擦れを起こしてしまうことがあります。靴擦れになったときの症状は、皮剥けや水ぶくれ(水疱)などです。水ぶくれを起こした痛い靴擦れには、どのように対処すればいいのでしょうか。
ここでは、靴擦れが起こったときの対処法を解説します。
1.靴擦れしたところをよく洗う
まず、靴擦れで水ぶくれした箇所を、石鹸でよく洗いましょう。原因となった靴を履かないことをおすすめします。
水ぶくれは、潰さないようにしてください。水ぶくれの中の体液には、皮膚の下にできた傷を守るという保護の役割があります。針などで水を抜いてしまうと、傷口から雑菌が入る恐れがあります。
仕事などで、どうしても原因の靴を履かなければならない場合は、ガーゼで水ぶくれを覆い、素肌と靴が擦れるのを防ぎましょう。
しかし、どんなに気をつけていても、水ぶくれが潰れてしまうことや、皮がめくれて出血してしまうことがあります。皮が剥けてしまったら、患部を石鹸でよく洗い、清潔を保ちましょう。
2.塗り薬を使う
水ぶくれの皮が剥けてしまった場合は、塗り薬を使うのもおすすめです。
ただし、ドラッグストアで販売されている湿潤療法用の絆創膏などを使う場合は、塗り薬を使う必要はありません。湿潤療法とは、傷を乾かさずに治す治療法のことです。
3.絆創膏を貼る
塗り薬を塗ったあとは、絆創膏を貼りましょう。ガーゼ部分が、傷口よりも大きいサイズがおすすめです。もし、傷口が化膿してしまい痛みがなかなか取れないときには、自己判断せずに皮膚科を受診しましょう。
まとめ
靴擦れを予防するには、ストッキングや靴下を履くのが有効です。靴擦れが起こりそうなときには、あらかじめ絆創膏を貼ったり、ワセリンを塗っておいたりするのも予防法の一つです。
同じ場所に靴擦れが起きてしまう場合は、歩き方の改善を意識してみましょう。正しい歩き方をするには、足指を正しい位置に戻す五本指靴下も役に立ちます。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
