なぜX脚になるの?原因と改善方法を解説
「X脚だから長時間歩くと足が疲れやすい」「X脚になるのはどうして?改善できる?」
内股のように見えるX脚の見た目に、悩んでいる人もいるでしょう。
では、X脚はどんな方法で改善できるのでしょうか。X脚になる原因をみていくと改善方法が分かります。そこで今回は、X脚の症状と原因や改善方法を解説します。
X脚とは?原因を知る前の基礎知識
X脚と聞いても、どんな脚なのかよく分からず、自分がX脚になっているか分からない人も多いかもしれません。ここでは、X脚とは何かということと、チェック方法や症状など基礎知識を解説します。
X脚とは?
X脚とは、両足を揃えて立ったときに、内側のくるぶしがつかないのに左右の膝がくっついて当たってしまう脚の状態をいいます。X脚と呼ばれるのは、脚の形が、アルファベットの「X」の文字のような形になることが理由です。
X脚になると、前から見て内股のように見えます。正式名称は外反膝(がいはんしつ)です。
人は、生まれたときは基本的にO脚で、成長とともに正常な脚の形になっていきます。O脚やX脚になる理由は、生活習慣や動作のくせによって、脚の筋力のバランスが崩れることが大半です。
X脚のチェック方法は?
X脚のチェック方法は、太ももの骨とすねの骨が交差する部分の外側の角度から判断します。チェックする点は太もも・膝・ふくらはぎ・内くるぶしの4つです。
鏡の前にまっすぐ前を向いて立ち、ご自身の脚を確認してください。X脚では、太ももと膝はくっつき、ふくらはぎと内くるぶしはくっつきません。また、地面外側の膝の角度が176度よりも狭くなっています。
そしてX脚の人は、靴底が内側からすり減ってくる傾向にあります。よく履く靴の靴底を確認してみましょう。
X脚を放置するとどうなる?
X脚で痛みが出ることは少なく、ただ見た目が悪いだけとX脚を放置してしまう人もいるかもしれません。
しかし、X脚を放置しているとやがて骨盤や腰などに歪みが生じます。年齢を重ねるとともに、膝股関節に痛みが出ることも少なくありません。また、長年放置していると、変形性膝関節症を引き起こす可能性があります。
また、X脚では骨盤が前傾しやすく、反り腰になります。下半身太りになりやすい、足が疲れやすい、長時間歩くと膝が痛くなりやすいなどの体の不調が出ることも考えられます。
X脚の放置は、健康面でのデメリットが大きいので、十分注意しましょう。
子どもがX脚だけど大丈夫?
お子さんの脚がX脚のような形をしていて不安になる人もいるでしょう。しかし、子どもが小さいうちはあまり心配する必要はありません。
赤ちゃんは、生まれてから歩き始める前は基本的にO脚で、2歳ごろまでこの状態が続きます。3歳ごろには、逆にX脚気味になるのが一般的です。このX脚の状態は7歳ごろまで続き、次第に大人と同じ足の形に近づいていきます。
10歳以降もX脚が続くようであれば、整形外科に相談した方がいいかもしれません。
X脚の原因は?なりやすいのはどんなとき?
X脚になると、見た目が悪いだけでなく膝の痛みが出ることもあります。では、X脚になってしまうのはなぜでしょうか。
ここでは、X脚の原因を詳しく紹介します。
姿勢や座り方が悪い
姿勢や座り方がよくないとX脚になりやすいと言われます。姿勢が悪いと、骨盤が歪みやすいためです。
主に、X脚になりやすい姿勢は以下4つです。
- 椅子に浅く座り、背もたれに体を預ける
- 足を横に流して座る
- 頬づえをついて座る
- 足を組んで座る
股関節まわりの筋力が低下している
股関節まわりの筋力が低下していることも、X脚の原因の一つです。膝や足にはさまざまな筋肉があり、筋力低下や柔軟性不足でX脚を招きやすくなります。
例えば、お尻の筋肉が低下すると姿勢が保ちづらくなります。また内転筋の筋力低下もX脚を引き起こします。内転筋とは、脚の付け根から太ももの内側にある筋肉です。内転筋は脚を閉じるときに働きます。
加えて、大腿筋膜張筋の柔軟性が低下することも、X脚を引き起こすと言われます。大腿筋膜張筋とは、太ももの表層部にあり、歩くときに脚を前に振り出すときに働く筋肉です。
浮き指や扁平足になっている
X脚の原因には、浮き指になっていることもあります。浮き指とは、立ったときに足の指が地面につかない状態のことです。
浮き指になると、足の指がつかないことで踏ん張りにくく、歩行中の足が安定しません。すると足首や膝のねじれにつながってしまいます。
また、X脚は浮き指に加えて、過回内(かかいない=かかとが内側に倒れた状態)の扁平足になっている場合が多いです。
X脚は治る?原因からみる改善方法
X脚は、姿勢や座り方などの生活習慣に原因があることが多いため、日常生活での工夫やトレーニングで改善することがあります。
ここでは、日常生活で取り入れやすいX脚の改善方法を紹介します。
歩き方・座り方を正す
X脚を改善するには、歩き方や座り方を正しましょう。
まず、椅子に座る時には足を組まないように意識しましょう。そして床に座るときに「お姉さん座り」はやめましょう。お姉さん座りとは、膝を内側に入れ、かかとを外側に向けた座り方です。
足の筋力トレーニングをする
骨盤を支えるお尻まわりの筋肉を鍛えると、正しい姿勢を保ちやすくなりX脚の改善が期待できます。また、脚を閉じるのに必要な内転筋や大腿筋膜張筋を鍛えることも大切です。
ここでは、X脚の改善に役立つ、もも上げトレーニングを紹介します。
【もも上げトレーニング】
- 仰向けになり両膝を立てる
- 手を足先に向けて伸ばし、床からお尻を持ち上げる
- 肩・背骨・骨盤・膝が一直線になるように保ち、30秒キープする
- お尻の位置を元に戻す
このもも上げトレーニングを2回繰り返して行いましょう。
靴選びや履き方を見直す
X脚の改善には、靴選びや履き方も大切です。
スニーカーの紐を緩めたまま履いていたり、脱着のしやすいスリッポンの靴はかかとが安定せず、足首を真っ直ぐにサポートする力が弱い(ない)ため、「X脚を作る」靴になってしまいます。
そこで、靴を履くたびに紐を締め直すことをおすすめします。
- 靴を履くときは腰かけて。
- 靴紐を緩め、足を靴に入れます。
- かかとを床にトントンと着けて、かかとを合わせます。
- 靴紐をしっかり締め直し、かかとを固定します。
かかとをしっかり固定することで、靴の中で足が滑ったりかかとが浮いたりせず、歩行も安定します。
靴下やインソールを使用する
X脚の改善には、土踏まずをサポートする靴下やインソールの使用もおすすめです。浮き指もX脚の原因となることから、足指の位置が正しい状態になる五本指靴下を使用すると改善が期待できます。
五本指靴下を履いて足指と骨盤の位置を正しくすることは、腰痛や肩こりの改善にもつながるでしょう。
関連記事:X脚とO脚の調べ方!改善するためのストレッチ方法も解説
まとめ
X脚の原因の多くは、普段の日常生活にあります。悪い姿勢や座り方、股関節まわりの筋力が低下すること、浮き指などがX脚の原因です。
X脚を改善するには、姿勢を意識し、足の筋力トレーニングで腰回りの筋肉を鍛えましょう。同時に、いつもの靴選びや靴の履き方などを見直すことも大切です。
また、正しい姿勢や歩行へと促すサポートに、足の専門家と共同開発し、科学的なエビデンスのある “新しい概念の靴下”〈ケアソク〉をぜひお試しください。
記事監修

桜井 祐子(さくらい ゆうこ)
足のケアの専門家 フットケアスペシャリスト(Certified Foot care specialist)
CMP (Certified Master Pedicurist)
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学専攻 修了
博士(スポーツ医学)
足の専門店PEDI CARE 代表 https://www.pedicare.jp/
足の専門校SCHOOL OF PEDI 校長 https://school.pedicare.jp/
足の問題を様々な視点から保存的に改善するために、ドイツ式メディカルフットケアポドロギーをベースとした角質ケア、足爪ケア、巻き爪ケア、リフレクソロジー、ボディケア、インソール作成、靴調整などのトータルフットケアを提供するフットケアサロンを横浜に開設。
足の専門家育成のために、医師・看護師・介護福祉士・フットケアスペシャリスト向けにスクールで指導にもあたる。そのほか多数の講演やセミナーの講師、TV・メディアに出演。
【学術論文】
Effects of Foot Care on Foot Problems in Elderly Women Requiring Long-Term Care.(要介護高齢女性の足部異常に対するフットケアの効果に関する研究),Synergy of Arts and Sciences,22(2),165-174,2018.10
ほか
【代表著書】
フレグランスジャーナル社「サロンワークに役立つ実践フットケア」出版
【メディア出演】
NHK総合テレビ「あさイチ」:「女のホケン室」足のお悩み
NHK総合テレビ「あさイチ」:「女のニュース どうする? サンダルの靴ずれ」
ほか多数
著者: 株式会社 山忠
