タオルギャザーの正しいやり方は?足裏を鍛えてアーチを取り戻すコツ
足の疲れやすさや、扁平足といったトラブルに悩んでいませんか?「足の指を鍛えると良い」と聞いてタオルギャザーを試してみたものの、本当に正しくできているのか不安になることもあるでしょう。
実は、このトレーニングは「ただタオルを手繰り寄せる」だけでは不十分であり、やり方を間違えると期待した効果が得られないこともあります。
この記事では、足の専門的な視点から、本当に効果が出るタオルギャザーの正しいやり方とコツを分かりやすく解説します。
読み終わる頃には、あなたの足の悩みを解消するための具体的なアクションが明確になっているはずです。
この記事の目次
タオルギャザーとは?期待できる3つの効果
タオルギャザーは、リハビリテーションの現場やスポーツ選手のトレーニングとして広く知られている足指の運動です。床に敷いたタオルを足の指だけで手繰り寄せるというシンプルな動作ですが、その効果は非常に多岐にわたります。
ここでは、なぜ この運動が推奨されるのか、その具体的なメリットについて解説します。
足底のアーチを取り戻す
私たちの足裏には「土踏まず」と呼ばれるアーチ構造があり、これがクッションの役割を果たして地面からの衝撃を吸収しています。しかし、運動不足や加齢によって足の裏の筋肉が衰えると、このアーチが崩れて「扁平足」や「開張足」といった状態になりやすくなります。
タオルギャザーを行う最大のメリットは、このアーチを支える「足内在筋(あしないざいきん)」という細かい筋肉群を直接鍛えられる点にあります。足内在筋が強化されると、低下していたアーチが引き上げられ、本来のバネのような機能が回復します。その結果、歩行時の疲れが軽減されたり、足底筋膜炎などのトラブルを予防したりする効果が期待できるのです。
【関連記事】扁平足とは?概念から歩き方やエクササイズまで専門家が解説|コラム「足のちえぶくろ」|ケアソク(CARE:SOKU)|株式会社山忠
転倒を予防しバランスを整える
年齢を重ねると「何もないところでつまずく」「片足立ちがふらつく」といったことが増えてきますが、これは足の指で地面を掴む力(把持力)が低下していることが大きな原因の一つです。足の指は、立っているときや歩いているときに微妙なバランス調整を行う役割を持っています。
タオルギャザーによって足指の動きと筋力を活性化させると、地面をしっかりと捉える感覚が養われます。足元が安定すれば、身体全体のバランス能力も向上し、高齢者の転倒予防はもちろん、スポーツ時のパフォーマンスアップにもつながるのです。
足の冷えやむくみを解消する
足は心臓から最も遠い位置にあるため、血流が滞りやすく、冷えやむくみが起こりやすい部位です。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢でいると、足のポンプ機能が働かず、老廃物が溜まってしまいます。
タオルギャザーで足の指を頻繁に動かすことは、足先の毛細血管の血流を促進する効果があります。足裏の筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことでポンプ作用が働き、滞っていた血液やリンパの流れがスムーズになります。
継続することで、冬場のつらい冷え性の改善や、夕方の足のむくみ解消にも役立つでしょう。
【関連記事】脚のむくみ解消!3つのマッサージと解消のコツを専門家が解説|コラム「足のちえぶくろ」|ケアソク(CARE:SOKU)|株式会社山忠
実は損している?効果が薄い「よくあるやり方」
「テレビで紹介していたやり方を見よう見まねでやっているけれど、あまり効果を感じられない」という方は、もしかするとフォームが自己流になっているかもしれません。
タオルギャザーは一見簡単そうに見えますが、ターゲットとなる筋肉に正しく刺激を入れるためには繊細なコントロールが必要です。ここでは、初心者が陥りやすい間違いと、なぜそれが良くないのかを解説します。
膝を曲げすぎて足裏に効きづらい
最も多い間違いの一つが、椅子に座った状態で膝を深く(90度以上に)曲げて行ってしまうことです。
膝を深く曲げた状態で足指を動かそうとすると、足の裏の筋肉(足内在筋)ではなく、ふくらはぎから伸びている大きな筋肉(長趾屈筋など)が優先的に働いてしまいます。そうすると今回の目的である「足底のアーチ改善」や「足内在筋の強化」という観点からは効率が下がってしまいます。
「一生懸命やっているのに、足裏に効いている感じがしないという場合は、このパターンに陥っている可能性が高いでしょう。
参考:日本臨床スポーツ医学会誌「足趾屈曲方法の違いが足部内在筋と外在筋の活動に与える影響」
指先だけでタオルを掴んでしまう
タオルを手繰り寄せるときに、指の第一関節や第二関節だけを曲げて「掴む」ような動作になっていませんか?これでは、指を曲げる力は使えても、足裏全体の筋肉を十分に収縮させることができません。
重要なのは、指の付け根(MP関節)から大きくダイナミックに動かすことです。指先だけでチョコチョコと動かすのではなく、足の指全体を使ってタオルを「握り込む」ようなイメージを持つことが大切です。
指先だけの動作は、場合によっては「ハンマートウ」などの指の変形を助長してしまうリスクもあるため注意が必要です。
足の人差し指、もしくは中指や薬指などの関節がZ字のような形に変形してしまいます。
代償動作で引っ張ってしまう
タオルがなかなか動かないときに、無意識のうちに足を手前に引き寄せてしまったり、かかとを床から浮かせたりして、足全体の力でタオルを引き寄せてしまうケースもよく見られます。これは「代償動作(だいしょうどうさ)」と呼ばれ、本来使いたい筋肉が弱いために他の筋肉で動きをカバーしてしまっている状態です。
タオルギャザーの基本ルールは「かかとの位置を固定する」ことです。
かかとを床につけたまま、足首の角度を変えずに、純粋に足の指の動きだけでタオルを手繰り寄せることがトレーニングの質を高めるポイントになります。
足本来の機能を呼び覚ます「正しいやり方」
それでは、足の悩みを解消し、しっかりと効果を出すための正しいタオルギャザーの方法をご紹介します。
少しの工夫と意識の変化で、筋肉への効き方が変わるはずです。ぜひ今日から実践してみてください。
準備する環境と基本姿勢
まずはトレーニングに適した環境を整えましょう。タオルが滑りにくいカーペットや絨毯の上では、摩擦が強すぎてうまく手繰り寄せることができません。フローリングや畳など、適度に滑りやすい床で行うのがベストです。
使用するタオルは、最初は薄手のフェイスタオルから始め、慣れてきたら厚手のスポーツタオルやバスタオルに変えていくと良いでしょう。
項目 |
推奨される条件 |
理由 |
床の状態 |
フローリング、畳 |
適度な滑りやすさがないと動作が困難になるため |
椅子の高さ |
足裏全体がしっかり床につく高さ |
足が浮くと踏ん張れず、正しいフォームが崩れるため |
タオルの種類 |
薄手のフェイスタオル |
最初は抵抗が少ないものから始め、徐々に厚手にする |
姿勢については、椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします。ここでの最大のポイントは「膝の角度」です。
先ほど説明したように、足裏の筋肉(足内在筋)をピンポイントで鍛えるためには、膝を90度よりも少し伸ばした状態(鈍角)に設定するのがおすすめです。
足を少し前方に投げ出すような位置に置くことで、より効果的に足裏を刺激できます。
足内在筋に効かせる動作のコツ
準備ができたら、実際に動かしていきましょう。動作は以下の手順で行います。
- タオルを縦に敷き、その手前の端に足を置きます。かかとは床につけ、つま先はタオルの上にセットします。
- 足の指をパーっと大きく広げ、できるだけ遠くのタオルを捉えるように意識します。
- 親指から小指まで全ての指の腹を床に押し付けるようにして、タオルをググッと強く握り込みます。このとき、指の付け根から大きく曲げることを意識してください。
- 掴んだタオルをかかと側に手繰り寄せます。かかとの位置は動かしません。
- タオルを放し、再び指を大きく広げて次の部分を掴みに行きます。
- タオルが全て足の下に集まるまで繰り返します。
動作中は「指を開く」「掴む」「引き寄せる」という3つのフェーズを丁寧に行うことが大切です。スピードを競う必要はありません。ゆっくりと確実に行うことで、普段使われていない筋肉が目覚めていきます。

効果的な回数と頻度の目安
トレーニングの効果を実感するためには、継続することが何よりも重要です。目安としては、左右それぞれの足でタオルを最後まで手繰り寄せる動作を1セットとし、これを1日に2〜3セット行うのが理想的です。
例えば、お風呂上がりやテレビを見ている時間など、毎日のルーティンに組み込みやすいタイミングを見つけてみてください。筋肉痛がひどい場合や足に違和感がある場合は無理に毎日行う必要はありませんが、週に3〜4回程度は行うことで、徐々に足指の力がついてくるのを実感できるはずです。
まずは1ヶ月、コツコツと続けてみましょう。
うまくできない人向け!段階別トレーニング
「いざやってみようとしたけれど、指が全く動かない」「タオルが少しも手繰り寄せられない」という方も安心してください。
現代人は靴下や靴の中で足指を固定されている時間が長く、機能が眠ってしまっていることが多いのです。
いきなり完璧にできなくても問題ありません。レベルに合わせたステップアップ方式で練習していきましょう。
ステップ1:足指ジャンケン
タオルを使わず、まずは自分の足の指を思い通りに動かす練習から始めます。それが「足指ジャンケン」です。「グー」は全ての指を強く握り込みます。「チョキ」は親指だけを立てて他の指を下げる、またはその逆を行います。「パー」は全ての指を扇状に大きく広げます。
特に「パー」の動きが苦手な人が多いですが、手を使って補助しても構わないので、指を開く感覚を脳に思い出させましょう。
これを行うだけでも足内在筋への神経伝達が良くなり、タオルギャザーの前段階として非常に有効です。
ステップ2:片足ずつの練習
両足同時にタオルギャザーを行うと、どうしても器用な方の足ばかり使ってしまったり、意識が散漫になったりします。慣れるまでは片足ずつ丁寧に行いましょう。動かしていない方の足で、動かしている足の甲を押さえてあげると、足が浮くのを防ぎ、正しいフォームを維持しやすくなります。
また、目視で自分の指の動きを確認しながら、「今、親指が動いた」「小指もしっかり握れている」とフィードバックを与えることも、運動学習の観点から非常に効果的です。
ステップ3:重りを載せて負荷アップ
スムーズにタオルを手繰り寄せられるようになり、物足りなさを感じるようになったら、負荷を高めていきましょう。タオルの反対側の端に、水を入れた500mlのペットボトルや本などの重りを載せます。
重さがあることで、より強い力でタオルを掴む必要が出てくるため、筋力アップの効果がさらに高まります。
ただし、無理な重さを載せてフォームが崩れてしまっては本末転倒です。あくまで「正しいフォームを維持できる範囲」で負荷を調整してください。
タオルギャザーを行う際の注意点と禁忌
どんなに優れたトレーニングでも、行うタイミングや身体の状態によっては逆効果になることがあります。
安全に効果を得るために、以下の点には十分に注意してください。
痛みがある場合は無理をしない
足底筋膜炎の急性期で足の裏に強い痛みがある場合や、外反母趾の痛みがあるときは、タオルギャザーを控えてください。
炎症が起きている状態で無理に筋肉を動かすと、患部に負担がかかり、症状を悪化させる恐れがあります。
痛みが落ち着いている時期に行うのが基本ですが、トレーニング中に痛みを感じたらすぐに中止し、専門医に相談するようにしましょう。
爪のトラブルがある時は控える
巻き爪や陥入爪(かんにゅうそう)などのトラブルがある場合、指を強く握り込む動作によって爪が皮膚に食い込み、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
また、爪が伸びすぎているとタオルに引っかかる危険性もあります。トレーニングを行う前には爪を適切に切り、足先のコンディションを確認しておきましょう。
【関連記事】巻き爪や陥入爪に靴下は有効?原因と対策の正しい知識をわかりやすく解説|コラム「足のちえぶくろ」|ケアソク(CARE:SOKU)|株式会社山忠
フローリングなど滑りやすい床で行う
前述の通り、床の摩擦が強すぎると足への負担が大きくなりすぎます。カーペットやラグの上で行う場合は、その上に雑誌や下敷きのようなツルツルした素材を敷くか、大きめのビニール袋を敷くなどの工夫をすると良いでしょう。
適切な摩擦環境で行うことは、正しいフォームを習得し、怪我を予防するためにも重要なポイントです。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 足内在筋を鍛えることで、扁平足の改善やむくみ解消が期待できる
- 膝の角度を90度よりやや広げ(鈍角)、かかとを床に固定して行うのが効果的なフォーム
- 指先だけでなく、足指の付け根から大きく動かす意識を持つ
- 痛みや爪のトラブル時は無理をせず、滑りやすい床環境で実践する
ぜひ今日から正しいやり方でのタオルギャザーを習慣にし、疲れ知らずの健康な足を手に入れてください。
タオルギャザーは地味なトレーニングに見えますが、継続することで足のアーチが整い、歩行の安定性や足の疲れにくさに大きな変化をもたらしてくれます。
まずは今日のお風呂上がりに、タオル一枚を用意して、あなたの足指の動きをチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。
未来の自分のために、健やかな足づくりを一歩ずつ進めていきましょう。
また、低下した足の筋力やアーチ機能をサポートする 〈ケアソク〉は足の健康を保つためのフットヘルスウェアです。足の専門家と共同開発し、科学的なエビデンスのある“新しい概念の靴下”をぜひお試しください。
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記事監修
北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者
株式会社 山忠
公式サイト


