足首の歪みの治し方!セルフチェクと予防法も紹介
「普段、歩いているだけで転ぶことがある。足首が歪んでいる気がするけど、治す方法はある?」
足首の痛みや違和感を感じることはありませんか。実は、足首の歪みが原因で、膝や腰、さらには全身に影響を及ぼすことがあります。日常生活で無意識にしている姿勢や歩き方のクセが、少しずつ足首に負担をかけてしまうのです。
そこで本記事では、簡単にできるセルフチェック方法や、足首の歪みを予防・改善するための対策をご紹介します。ご自身の足首の状態を知り、トラブルを未然に防ぎたい方はぜひご覧ください。
足首の歪みとは?治し方を知る前の知識
足首の歪みは、足首の奥にある小さな骨「距骨(きょこつ)」の傾きが原因で起こります。距骨とは、内くるぶしと外くるぶしの間にあり、全身の体重を支える重要な役割を果たしている骨のことです。
立ちっぱなしや座りっぱなしなど同じ姿勢が連続することや、激しい運動、足にあわない靴を履いているなどが原因で足に負担がかかると、距骨が歪んでしまうことがあります。また、年齢を重ねるにつれて体の柔軟性が低下し、筋肉が衰えることも歪みの原因であることがわかっています。
距骨が傾いて足首が歪むと、骨盤や背骨が不自然な位置でバランスを取ろうとし、腰痛や肩こりなどの不調を引き起こすことも少なくありません。足首の歪みに気づいたら、早めに対処することが大切です。
足首の歪みの4タイプ
足首の歪みのタイプには、距骨の傾く方向によって以下の4つに分けられます。
- 内側に傾いている
- 外側に傾いている
- 前に傾いている
- 後ろに傾いている
それぞれ、詳しく解説します。
内側に傾いている
足首の歪みの1つに足首が内側に傾いているタイプがあります。足の内側のアーチが崩れ、足首が内側に倒れ込んでいる状態です。足首が内側に傾いている人は、距骨が内側に傾き、重心が足の内側にかかっているという特徴があります。
歩行時や運動時に膝や太ももの内側に負担がかかり、X脚になっていることもあります。長期化すると、足の痛みや膝痛・腰痛・姿勢の悪化につながることも少なくありません。また、外反母趾や巻き爪などの症状が現れることもあります。
適切なケアやインソールの使用で症状を和らげ、姿勢の改善を図ることが大切です。
外側に傾いている
足首が外側に傾いているタイプは、距骨が外側に傾き、重心が足の外側にかかっています。O脚になりやすく、内反小趾なりやすいのが特徴です。
外側に重心があるため、膝や股関節、腰に負担がかかっています。運動をするときに、ももの外側やそとくるぶしの痛みが現れることが考えられます。O脚の状態が長く続くと膝の内側にストレスがかかり、痛みの原因となるため、早めのケアが重要です。
前に傾いている
足首が前に傾いている人は、距骨が前方に傾くことで重心がつま先側にかかっている状態です。ヒールを履く女性や、つま先に重心がかかるスポーツをしているアスリートに多く見られるタイプです。
足首が曲げづらく、前屈動作をするときにも痛みを感じることがあります。重心が前方に傾くため、膝が後ろに反り、足裏からふくらはぎ、ももの裏にかけて筋肉が硬くなっていることも少なくありません。
アキレス腱炎や足底筋膜炎、かかとの痛みなどが生じることがあります。適切なストレッチやケアをしていく必要があるでしょう。
後ろに傾いている
足首が後に傾いているタイプは、距骨が後方に傾いて重心がかかと側にかかっている状態です。筋力が低下した高齢者や女性に多く見られ、反り腰や膝が曲がることもあります。
かかとに重心がかかるため、足の甲から前すね、前ももにかけて筋肉が硬くなりやすく、足首を伸ばすときに痛みが出ることもあります。
膝の痛みにつながることもあるため、適切なケアをする必要があります。
足首の歪みのチェック方法
足首の不安定性を感じる方は、足首がゆがんでいる可能性があります。歪みの程度や方向に関しては評価にコツがいるため、痛みがある場合には整形外科など専門医を受診し、体の歪みが気になるときには接骨院・整骨院などで判断してもらいましょう。
足首の歪みの改善方法
足首の歪みを改善するには、以下3つの方法があります。
- 足首と足指の筋肉をほぐす
- インソールを使う
- 靴下を変える
それぞれ、詳しく解説します。
足首と足指の筋肉をほぐす
足首の歪みを改善するには、足の筋肉をほぐすことが効果的です。足首周りの筋肉や関節が柔らかくなり、歪みの原因を取り除くことができます。
ここでは、以下3つのエクササイズを紹介します。
- 足裏をほぐす
- 足首を回すストレッチ
- かかとの上げ下げ運動
足裏をほぐす
足首のゆがみが気になる人は足裏の筋肉が硬くなっている場合があります。
まずは足裏を両手でしっかりもみほぐしましょう。
足首を回すストレッチ
足裏の疲れを解消するには、足裏と足首のストレッチを取り入れるのが効果的です。足首の柔軟性を高め、血流を改善する効果が期待できますよ。
- 右足を左の太ももに乗せます
- 両手で足の指を1本ずつ前後に開きます
- 左右にも指を開いてストレッチします
- 足裏を軽く握り拳でトントンと叩きましょう
- 片手の指を足の指の間に入れ、手と足を握手するように組んでください
- そのまま足首を大きく20回まわします
- 反対方向にも20回まわしましょう
足首のストレッチをすると、足裏や足首周りの筋肉がほぐれます。運動前などに行うのもおすすめです。時間がないときには、足首を回すだけでも効果がありますので、ぜひ試してみてください。
かかとの上げ下げ運動
かかとの上下運動をすると、足裏やふくらはぎの筋肉が強化されます。足元が安定し、転びにくくなる効果も期待できますよ。
【かかとの上下運動の方法】
- 足を肩幅に開いて立ちます
- ゆっくりとした動作で、かかとを上げ下げしましょう
- これを20回繰り返します
かかとを上げるときには、足指の付け根を意識してしっかり曲げることがポイントです。この運動を習慣化すると、足裏の筋力が向上します。バランスが不安定になってしまう人は、壁や椅子などに軽く手を添えながら行いましょう。
インソールを使う
足首の歪みを改善する方法には、インソールを使う方法もあります。市販のインソールは、O脚などの歪みを完全に矯正できるものではありませんが、歩行時の重心の位置を修正することで膝にかかる負担や痛みを軽減する効果が期待できます。
外側重心でO脚になりやすいの場合は、インソールの外側が高くなっている専用のインソールを用いることで、外側重心が改善し、足首や膝にかかる負担を軽減することにもつながり、不快な症状を軽減する効果が期待できますよ。
靴下を変える
足首の歪みを改善する方法として、靴下を見直すことも効果的です。特におすすめなのは、足裏の横アーチサポート機能がついた機能性の高い五本指靴下です。
足裏のアーチをしっかり支えることで、重心バランスが整いやすくなり、足首の歪みを軽減できます。また、五本指タイプの靴下は、指がしっかり分かれているため足指が動かしやすく、足裏の筋肉を使うことでアーチ機能が改善し、歪みにも効果的です。靴下は室内でも手軽に使用できるため、靴を履くよりも長時間履き続けられるのも魅力です。
まとめ
足首の歪みは、放置しておくと全身にさまざまな影響を及ぼす可能性があるため、早めに改善策を取り入れることをおすすめします。本記事で紹介したストレッチ、インソールの使用など、予防や改善に効果的な方法をぜひ試してみてください。
また、毎日のちょっとしたケアが、足のトラブルを防ぐための第一歩です。毎日履く靴下には、アーチサポート機能を備えた五本指ソックス〈ととのえる〉を選んでみてはいかがでしょうか。室内でも履ける靴下とともに、足元から健康を目指していきましょう。
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記事監修
北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠