靴を履くと小指が痛い!靴選びと履き方のポイント
靴を履いているときに小指が痛くなる経験をしたことがある人は、少なくありません。「なぜ靴を履くと小指が痛くなるの?」「家の中を歩いているときには、痛みがないのに」と疑問に思ったことはありませんか。
小指の痛みを解消するには、原因や解消法を知ることが大切です。そこで本記事では、靴を履くと小指が痛いときの原因や、対策としての靴の選び方や履き方のポイントを解説していきます。
靴を履くと小指が痛いときに考えられる原因
靴を履くと小指が痛いときに考えられる原因には、以下の4つがあります。
- 足よりも大きいサイズの靴を履いている
- 足の形と靴の形があわない
- 靴ひもを緩めて履いている
- 足の外側に重心がかかっている
それぞれの原因を、詳しくみていきましょう。
足よりも大きいサイズの靴を履いている
大きいサイズの靴を履いていると、小指が痛くなることがあります。足の痛みを避けるために、大きめの靴や幅広の靴を選びたくなる気持ちはわかりますが、足にあわないサイズの靴は、かえって逆効果になることがあります。
靴において重要なことは、かかとと足の甲がしっかりと靴で支えられ、靴の中で足がずれないことです。
靴が大きすぎると、靴の中に遊びができるため、靴の中で足が動きやすくなります。足が前方に滑ると、小指が圧迫されやすくなってしまいます。
つま先に指が十分に動かせる程度のゆとりは必要ですが、ゆるい靴ではなく、足をしっかりとホールドしてくれる靴を選ぶことが重要です。
足の形と靴の形があわない
靴を選ぶとき、多くの人が予算・サイズ・デザインを重視しますが、足の形と靴の形の相性も重要です。
足の形は、大きく分けて「エジプト型」「ギリシャ型」「スクエア型」の3つに大別されます。それぞれ足の形ごとに、適した靴の形があります。
例えば、エジプト型は親指が一番長いため、オブリークトウやラウンドトウの靴が適しています。
ギリシャ型は人差し指が一番長く、つま先が三角になっているのが特徴です。つま先が尖っている靴や先が狭い靴を履くと人差し指が圧迫されるため、アーモンドトウやポインテッドトウの靴を選ぶとよいでしょう。
そして、スクエア型は指の長さがほぼ均等であるため親指から薬指の長さがあまり変わらない、スクエアトウの靴が合います。
自分の足の形に合った靴を選ぶことで、小指の痛みを防ぎましょう。
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靴ひもを緩めて履いている
靴をきちんと履いていないと、小指が痛くなってしまうことがあります。特に、ひも靴の場合、ひもを締めずにそのまま脱ぎ履きしていると、靴が足にしっかりと固定されません。
すると、歩行中に足が前滑りしてしまい、小指が圧迫されやすくなります。サイズが合っていても、ひもをしっかり締めていないことで同様の問題を引き起こすことがあります。
足の外側に重心がかかっている
足の外側、特に小指から足の側面にかけての痛みは、内反足(回外足)(※)が原因であることが多いです。
※足首が外側にねじれたような状態。
内反足になると、歩行時に小指側から接地するようになります。そのため、体重が小指側に集中し、負担がかかってしまうのです。
内反足かなと思った場合には、整形外科などの医療機関を受診することをおすすめします。
靴を履くと小指が痛い!放置しているとどうなる?
靴を履いたときに小指に痛みを感じる場合、内反小趾や巻き爪など足のトラブルを抱えている可能性もあります。
例えば、内反小趾になると、小指の付け根部分が外側に突出し、靴と擦れることで痛みを覚えます。
足のトラブルを放置していると、痛みが悪化したり、炎症が進行する可能性があるため注意が必要です。不安に思う場合は、早めに整形外科の受診を検討しましょう。
靴を履くと小指が痛いときの対処法
靴を履くと小指が痛いときの対処法には、主に以下の4つがあります。
- 足にあったサイズの靴を履く
- 靴の履き方を見直す
- インソールを使う
- 靴下を変える
それぞれ、詳しく解説します。
足にあったサイズの靴を履く
靴を履いたときに小指が痛む場合、足にあったサイズの靴を履くことが対策の1つです。
多くの人は、自分の足の正確なサイズを知りません。まずは足型計測を受けるとよいでしょう。足型計測では、足の全長だけでなく、足幅、甲の高さ、足囲なども細かく測定されます。
自分の足の特徴を知ることで、履き心地の良い靴を選びやすくなります。計測結果は参考として捉え、実際に靴を選ぶときには、シューフィッターがいるお店で購入するのがおすすめです。
靴の履き方を見直す
靴を履いたときに小指が痛む場合、靴の履き方を見直すことが有効です。まず、靴を履く際は椅子に座り、かかとを床にトントンと着けて足をかかと側に寄せます。
そして、靴ひもをつま先側からしっかりと締め直し、靴の中で足が滑らないようにしましょう。足の安定感が増し、小指への圧迫を軽減できます。
正しい履き方を身に付けることで、靴による小指の痛みを軽減できる可能性が高いでしょう。
インソールを使う
靴を履いたときに小指が痛む場合、インソールを使用するのも対処法の1つです。インソールは足の形にフィットし、足底をサポートする役割を果たします。
また、足の圧力が均等に分散されるため、特定の部分に負荷がかかりすぎるといったことを防げます。インソールを選ぶ際は、自分の足の形や目的に合ったものを選びましょう。
靴下を変える
靴を履いたときに小指が痛む場合、適切な靴下を選ぶことも有効な対処法です。足に合った靴下を履いていると、フィット感が高まり、小指への圧迫を軽減する効果が見込めます。
足の横アーチが低下すると足幅が広がり、小指が圧迫されやすいです。
横アーチサポート機能を有した靴下は、横アーチを支えることで、小指の圧迫を軽減できるでしょう。
五本指靴下も、指を正しい位置に整え、指も保護できるので小指の負担が軽減されるでしょう。
まとめ
靴を履くと小指が痛くなる原因は、主に足のサイズや形に合っていない靴を履いていること、履き方が悪いこと、内反小趾など足の変形があることが挙げられます。
対策としては、自分に合ったサイズの靴を選ぶ、靴の履き方を正しくする、インソールを使うなどが有効です。小指の痛みは放置せずに早めに原因を突き止め、適切な対策を講じることが大切です。
また、足の形に合った靴や靴下を選ぶことで、日常生活の快適さが大きく向上します。そして、五本指靴下である〈ととのえる〉は、アーチサポート機能も有しており、足のトラブルを抱えている方に特におすすめです。科学的エビデンスのある靴下を試して、より快適な歩行を実感してください。
●パンプスや革靴などで縮こまった足指を広げて伸ばす
記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
