つま先の痛みを今すぐ解決!靴選びのポイントとリスク回避法
つま先に痛みがあると、毎日の生活で支障が出てしまいます。歩くたびに痛みを感じると、気分も落ち込んでしまうでしょう。
「つま先が靴に当たって痛い」「どうすれば痛まなくなる?対処法は?」と疑問を持つことはありませんか。
そこで本記事では、つま先の痛みを解消するための具体的な靴選びのポイントと、痛みを回避するための対処法について詳しく解説します。
靴でつま先が痛い!原因と対策
靴でつま先が痛いときには、以下4つの原因が考えられます。
- 靴と足の形があっていない
- 靴のサイズがあっていない
- ヒールが高い靴を履いている
- 足がむくんでいる
ここでは、それぞれの原因にあわせた対策法を解説します。
靴と足の形があっていない
靴のでつま先が痛い原因の一つとして、靴と足の形が合っていないことが挙げられます。日本人のつま先の形は大きく分けて以下の3タイプがあります。
- エジプト型
- ギリシャ型
- スクエア型
エジプト型
エジプト型は、親指が一番長く、小指に向かうに従って徐々に短くなっている足の形のことです。日本人の約70~80%がエジプト型と言われているため、ご自身の足の形があてはまると感じる人も多いかもしれません。
エジプト型の人は、つま先が細い靴や先がとがった靴を履くと親指が圧迫されやすく、痛みを覚えることがあります。
対策として、つま先部分が広めの靴やラウンドトウの靴を選びましょう。足の形にあった靴を選ぶことで、長時間履いても痛みを感じにくくなります。
ギリシャ型
ギリシャ型の足は、人差し指が一番長く、つま先が三角になっているのが特徴です。日本人の約25%がギリシャ型と言われます。
ギリシャ型は、つま先が尖っている靴や先が狭い靴を履くと人差し指が圧迫され、痛みや変形の原因となることがあります。
痛みの対策をするには、アーモンドトウやスクエアトウの靴を選びましょう。足の形にフィットする靴に変えることで、足指にかかる負担の軽減につながります。
スクエア型
スクエア型の足は、5本の指の長さがほぼ同じです。日本人の約5%しかいない珍しいタイプと言われます。
スクエア型の足は、つま先が狭い靴や先が尖っている靴を履くと5本の指が圧迫され、痛みを感じることがあります。
スクエアトウの靴やつま先部分に余裕があるデザインの靴を選ぶことが、対策になります。足指が自由に動けるスペースを確保することで履き心地もよくなり、長時間の歩行でも疲れにくくなるでしょう。
靴のサイズがあっていない
靴のつま先が痛くなる原因の1つは、靴のサイズが足に合っていないことです。「履いているうちに馴染むかもしれない」と思って、きつい靴を我慢して履き続けた経験がある人もいるかもしれません。
履いているうちに横幅は伸びますが、靴の縦幅(つま先からかかとまで)はほぼ伸びることがないため、合わない靴を長時間履いていると靴擦れが起きることもあります。特に、縦幅が合わないとつま先部分が圧迫され、痛むことがあるでしょう。
逆に、大きめの靴や幅の広すぎる靴を履くことも問題です。靴の中で足が滑りやすくなり、歩行時に足が前方に滑り、つま先が靴の先端に押し付けられるためです。
足が靴の中で動きすぎると、摩擦が増えて靴擦れが起こり、小指などに痛みが生じることがあります。
対策として、まず足のサイズを正確に測定し、自分の足にあった靴を選ぶことが重要です。つま先部分に適度な余裕があり、足全体にフィットする靴を選びましょう。靴を買うときには、シューフィッターのいる店舗を選ぶのもおすすめです。
ヒールが高い靴を履いている
ヒールが高い靴を履いていることも、靴でつま先が痛くなる原因の1つです。体重が足のつま先側に集中しやすく前すべりが起こり、指先が圧迫されることがあります。
また、外反母趾など足のトラブルは、普段履いている靴の影響が大きいことがわかっています。特に、ヒールが高い靴は、足に負担をかけやすいため注意が必要です。
対策として、ハイヒールの着用を控え、足に負担がかからない靴を選びましょう。ヒールの低い靴や、かかとが安定している靴に変えることをおすすめします。
仕事でヒールの高い靴を履く必要がある方も、通勤中は低めのヒールやスニーカーを履いて足を休ませましょう。また、足指のストレッチを行うのも効果的です。
足がむくんでいる
靴でつま先が痛くなる原因の1つに、足のむくみがあります。むくみは、重力の影響で体内の水分が下半身に溜まることで起こります。足がむくんでサイズが変わると、靴のつま先部分に足が当たり、痛みが生じることがあります。
足のむくみは一時的な場合も多く、翌朝には解消されるため、同じ靴を履いても痛みを感じないこともあるかもしれません。しかし、夕方に足がむくむとまた靴がきつく感じられ、痛みを覚えます。
足がむくみやすい方は、むくみを考慮して靴を選びましょう。むくみがピークになる夕方に靴を試着し、つま先に余裕がある靴を選ぶことをおすすめします。
また、足のむくみを予防するために、適度な運動を行ったり水分をこまめに摂取したりすることも大切です。
つま先が痛くなる靴を履いていることのリスク
つま先が痛くなる靴を履いていると、以下の2つのような足のトラブルを引き起こすことがあります。
- 外反母趾(がいはんぼし)
- 内反小趾(ないはんしょうし)
それぞれ、どのような症状が出るかをみていきましょう。
外反母趾(がいはんぼし)
つま先が痛くなる靴を履き続けていると、外反母趾を引き起こすリスクがあります。外反母趾とは、足の親指の関節が小指側に曲がっている状態を指します。
つま先が細い靴で足指が圧迫されたり、逆に靴の横幅にゆとりがあることで足の横アーチが低下することで、外反母趾の原因につながります
通常、親指は5~10度程度内側に傾いていますが、角度が15度以上になった状態が外反母趾です。症状が進むと、足の変形が起こることも少なくありません。
また、外反母趾になると親指の関節部分が靴に圧迫され、「バニオン」と呼ばれる状態を引き起こします。バニオンが起こると曲がった部分が赤く腫れ、痛みが生じます。靴を履くたびに足と摩擦が起こるため、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
外反母趾を予防するには、足にあった靴を選び、つま先に足指が自由に動かせる程度の適度なゆとりのある靴を履くことが重要です。また、足のストレッチやマッサージを行うのも効果的です。
内反小趾(ないはんしょうし)
つま先が痛くなる靴を履き続けることは、内反小趾のリスクを高めます。内反小趾とは、足の小指が親指側に曲がっている状態です。外反母趾と同様に先が狭い靴で圧迫されたり、足の横アーチの低下から起こるといわれています。
内反小趾になると、小指の付け根が靴で圧迫されて、タコやウオノメができやすくなります。内反小趾になると小指を使いずらいことで外側荷重となり、姿勢が崩れ、腰痛や膝痛の原因となる場合があります。
内反小趾を予防するには、つま先部分に十分なスペースのある、足にあった靴を選びましょう。小指への圧迫を減らすために、硬すぎない素材の靴を選ぶのもおすすめです。
靴でつま先が痛いときの対処法
つま先が痛いのは分かっていても、すぐに靴を買い替えられないこともあるでしょう。ここでは、すぐにできる対処法として、以下3つの方法を解説します。
- 靴紐をしっかり固定する
- インソールを使う
- 靴下を履く
それぞれ、詳しくみていきましょう。
靴紐をしっかり締める
靴紐・マジックテープ・ベルトなど、履くたびにきちんと締め直しましょう。ヒールやパンプスなどに後付けできるストラップもあります。
靴紐をしっかり締めて足を支えることで、つま先が靴の中で動きにくくなります。歩くときにも、つま先が靴の先端に押し付けられなくなるため、圧迫感や痛みが軽減されるでしょう。
また、歩行時の安定性が増すため、内反小趾や外反母趾などの足の変形を防ぐ効果も見込めます。脱ぎ履きするときに、靴紐やベルトを締め直す習慣をつけることも大切です。
インソールを使う
靴の中で足が前滑りをすることで指先が当たって痛い場合は、インソールを使うのも効果的です。インソールを入れると、靴の中で足が安定しやすくなります。
靴の販売店やネットショップなどでは、足のアーチをサポートするインソールも販売されています。インソールを選ぶときには、自分の足の形にあったものを選びましょう。
靴下を履く
靴の中で足が前滑りをすることで指先が当たって痛い場合は、靴下を履くのもおすすめです。靴に圧迫されて指同士があたることで痛みを生じる場合があります。
そんなとき、特に5本指ソックスは、足指が1本ずつ個別に包まれているため、指を保護して摩擦を防ぎます。
まとめ
つま先の痛みは、足にあった靴を選ぶことと日常的なケアによって改善が見込めます。足の痛くなる靴を履き続けていると、外反母趾や内反小趾になるリスクがあるため、注意が必要です。
つま先の痛みを軽減するには、靴紐やストラップなどをしっかり締め直すこと、インソールを使用する、5本指靴下を履くことが対策として有効です。また、靴下を新調するときには、科学的エビデンスのある靴下〈ととのえる〉もお試しください。インナー5本指の〈ととのえる〉は指と指の間の生地仕切りが1枚のため、通常の5本指よりも指を保護しつつ、圧迫されにくい靴下です。靴やインソールをじっくり選ぶように、毎日履く靴下にもこだわってみませんか。
●ビジネスシーンにも。五本指靴下に見えない「インナー5本指」靴下
→ケアソク〈ととのえる〉シリーズはこちら
監修:理学療法士 北澤 友子