足汗の対策方法3選!臭いを抑える方法も解説
足に汗をかきやすくて悩んでいる人は少なくありません。「足の汗が多くて、靴下が蒸れてしまう」といったことはありませんか。足汗を抑える対策方法があったら、試してみたいですよね。
そこで本記事では、足汗の対策方法3選と、足汗による臭いの対策を紹介します。足汗をかく原因も解説しますので、ぜひご覧ください。
足汗をかくのはなぜ?対策を知る前の知識
そもそも、なぜ足の裏に汗がたくさん出てしまうのでしょうか。ここでは、足汗の対策方法を知る前の基礎知識として、足汗の以下3つの原因を解説します。
- 足の裏は汗腺が多い
- 体温調節機能がうまくいかない
- 足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)の可能性がある
それぞれについて、詳しく解説します。
足の裏は汗腺が多い
私たち人間の足の裏は、体の中でも特に汗をかきやすい部位です。汗をかく器官である汗腺はほぼ全身にありますが、特に、手のひら・足の裏・額などに多く集まっています。
人間の体は、汗腺から汗を分泌することで体温調節をしているため、汗腺が多い場所は、自然と汗の量も増えます。足の裏には、1㎠に約300個もの汗腺があるため、多いときには1日に両足で200mlの汗をかくとも言われます。
体温調節機能がうまくいかない
足汗をかくのは、体温調節機能がうまくいかないことも関係しています。汗の量をコントロールしているのは、脳の一部である延髄です。通常、人間の体温は36℃程度に保たれており、気温が上昇すると体温も上がります。
しかし、ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れると、体の温度調整機能が正常に働かず、足汗が多くなることがあります。必要以上に汗をかいたり、寒いときでも汗をかいたりすることも少なくありません。
また、ホルモンのバランスの乱れも自律神経に影響を与えると言われます。最近足汗が増えたと感じる方や、環境の変化があって足汗が多くなったと感じる方は、自律神経が乱れている可能性も考えられます。
足蹠多汗症の可能性がある
足汗をかくのは、足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)の可能性があることも考えられます。通常、人間の体は体温調節のために汗をかきます。一方で、体温調節が必要ないときでも足の裏から大量の汗が出るのが、足蹠多汗症の症状です。
足蹠多汗症の原因ははっきりとわかっていませんが、交感神経が関係していると言われます。足蹠多汗症かどうかを、以下の項目でチェックしてみましょう。
- 靴下が常に湿った状態になっている
- 寝ている間は汗をあまりかかない
- 運動をした後でなくても、足の裏に大量に汗をかく
- 家族や親族に、足蹠多汗症の人がいる
- 週に1度は、足の裏に大量の汗をかく
2つ以上の項目にあてはまる場合は、皮膚科などの専門医に相談してみてください。
足汗対策!足汗が多い人のよくある悩み
足汗が多い人によくある悩みには、以下の2つがあります。
- 足の臭いが気になる
- 足裏が蒸れる
それぞれについて、詳しく解説します。
足の臭いが気になる
足裏に大量に汗をかくことで、臭いが気になる人が多いです。特に、靴を脱いだときに、自分の足が臭い気がして仕方がないという人も少なくありません。
実は、分泌されたばかりの汗は、ほとんど無臭です。しかし、時間が経つにつれ、皮膚に存在する常在菌と反応したり、汗が酸化して不快な臭いを出します。
また、靴や靴下、ストッキングなどで足が密閉されると、靴の中が蒸れやすくなります。足の裏の角質層は厚いため、角質層の中の皮脂やタンパク質が常在菌の栄養源となって菌が増加し、足が臭うようになるのです。
自分の足の臭いが気になると、人前で靴を脱ぐのが嫌で、ストレスを感じることがあるでしょう。
足裏が蒸れる
足汗が多いと、足裏が蒸れて不快感を覚える人もいます。特に、靴や靴下を長時間履いていると、靴の中が蒸れてしまいます。
足裏が蒸れると、不快感を覚えるだけでなく、あせもや皮膚の荒れを引き起こすこともあるため注意が必要です。
足汗の対策方法3選
ここでは、足汗の対策方法として、以下の3つを解説します。
- 吸水性のよい靴下を選ぶ
- 替えの靴下を準備する
- 通気性のよい靴を選ぶ
それぞれについて、詳しく解説します。
吸水性のよい靴下を選ぶ
足汗対策の1つ目は、吸水性のよい靴下を選ぶことです。例えば、綿(コットン)は天然繊維で吸水性の高い素材です。水分を素早く吸収し、肌触りが良いため、靴下に広く使用されています。
また、靴下の種類によっても吸水性は異なります。5本指ソックスは、指の間にも生地があるため汗を吸収しやすく、蒸れを防ぐのに効果的です。
替えの靴下を準備する
足汗対策の2つ目は、替えの靴下を準備することです。特に、汗をかきやすい夏場には、替えの靴下を2足程度、バッグの中に入れておきましょう。
蒸れた靴下を清潔な靴下に替えることで、心地よく過ごせます。また、新しい靴下が汗を吸収し、足の蒸れや臭いの発生を抑える効果も期待できます。常に足を清潔にしておくことは、足の健康を保つ上で大切なポイントです。
通気性のよい靴を選ぶ
足汗対策の3つ目は、通気性のよい靴を選ぶことです。例えば、メッシュ素材のスニーカーは空気の流れを良くするため、足の蒸れを防ぎ、足汗を減らす効果が見込めます。
また、仕事などで靴を選べない場合は、吸水性や速乾性のある中敷きを使ってみてください。雑菌の繁殖と悪臭を防ぐことにもつながります。
そして、靴を選ぶときには、サイズと形が自分の足にあったものにすることも重要です。小さすぎたりつま先が狭すぎる靴は、足を締め付けてしまい、蒸れの原因になります。
足汗による臭いの対策
足汗の臭いで悩んでいる人もいるでしょう。ここでは、足汗による臭いの対策方法を、以下の4つ解説します。
- 清潔な足で靴を履く
- 足をよく洗う
- 靴をよく乾かす
- 足の爪のケアを欠かさない
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
清潔な足で靴を履く
足汗による臭いの対策の1つ目は、清潔な足で靴を履くことです。まず、足裏や指の間を、汗ふきシートやウェットティッシュで拭いて汗と汚れを拭き取ります。
特に、朝は足を清潔な状態にしてから靴を履きましょう。拭き取るだけでは不十分だと思う場合は、足を洗うのもおすすめです。
足をよく洗う
足汗による臭いの対策の2つ目は、足をよく洗うことです。足を洗うときには、洗浄力が強すぎるボディーソープではなく、殺菌作用のある石けんを使用しましょう。
よく泡立てて手で優しく足全体を包むように洗うのがポイントです。特に、足指の間や爪の溝は汚れが溜まりやすいため、手の指を使って1本1本、丁寧に洗っていきます。
足指の間や爪と指の間は、フットケア専用ブラシや使い古した柔らかい歯ブラシなどできれいにしていきます。洗い終わった後は、しっかりと泡を洗い流しましょう。最後に、柔らかいタオルで指と指の間まで水分をよく拭き取り、足全体を乾燥させることで、臭いを抑える効果が期待できます。
靴をよく乾かす
足汗による臭いの対策の3つ目は、靴をよく乾かすことです。一日中履いた靴は湿気が溜まっているため、そのままにしておくと雑菌が繁殖しやすくなります。
靴を乾かすときには、靴の中に乾燥剤や新聞紙を入れて湿気を吸収させるとよいでしょう。または靴用の乾燥機やドライヤーを使って速やかに乾かすのも効果的です。そして、靴箱の中は定期的に換気しましょう。
また、毎日同じ靴を選ぶのではなく、ローテーションして履くのもおすすめです。数日間連続で同じ靴を履いていると、靴が乾く時間がなくなってしまうためです。
足の爪のケアを欠かさない
足汗による臭いの対策の4つ目は、足の爪のケアを欠かさないことです。爪が伸びると、爪と指の間に汚れや雑菌が溜まりやすくなり、臭いの原因となります。
まずは正しい爪の切り方、「スクエアオフ」を紹介します。
【スクエアオフ】
- 伸びた爪を横一直線にカットします。
- 爪の両端を少しカットして形を整えます。
- 爪の端を爪やすりで滑らかに仕上げます。
爪のケアは、タイミングも重要です。足の爪は、柔らかくなったお風呂上りに切りましょう。入浴前は、爪が硬く、余計な力が入って切りすぎてしまう恐れがあるためです。
足の爪は、長くなってから切るのではなく、こまめに爪やすりで整えることをおすすめします。
まとめ
本記事では、足汗が多いと悩む方に向けて、効果的な対策法を3つご紹介しました。足汗対策として、吸水性の良い靴下を使うことや予備の靴下を持参すること、通気性の良い靴を選ぶことが効果的です。また、足の臭いを防ぐためには足を清潔に保ち、足をしっかりと洗い、足の爪のケアも欠かさず行いましょう。
また、足指が1本ずつ包まれた5本指ソックスは、足汗を吸収しやすく快適に履くことができます。足指を1本1本包み込み、汗を吸収して放湿するインナー5本指ソックス、ケアソク〈ととのえる〉もぜひお試しください。
記事監修
北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠