妊婦さんのマイナートラブル!足がつる原因と対処法を詳しく解説
寝ている間に足がつり、突然目が覚めて痛い思いをしたことがある人も多いでしょう。足がつるこむら返りは、妊婦さんに起こりがちなマイナートラブルの1つです。
「妊婦になったら、しょっちゅう足がつるのはなぜ?」「足がつったときはどうすればいいの?」という悩みを持つ妊婦さんも少なくありません。
そこで本記事では、妊娠中に足がよくつる原因を解説するとともに、足がつったときの対処法を解説していきます。また、こむら返りの予防方法も紹介していきます。足がよくつって悩んでいる妊婦さんは、ぜひご覧ください。
足がつる妊婦さんは必見!こむら返りとは
足がつると、どうしようもできず、じっと痛みがおさまるのを待つしかないと思っている人もいるかもしれません。そもそも、足がつる状態、つまり「こむら返り」とは何なのでしょうか。
ここでは、こむら返りとは何かと、足がつったときの対処法を解説します。
こむら返りとは?
こむら返りとは、ふくらはぎから土踏まず、足の指にかけての筋肉が、急に突っ張った状態になることです。こむら返りの「こむら」は、ふくらはぎのことを指しています。こむら返りのことを、医学用語では「有痛性筋痙攣」や「筋クランプ」と言います。
足がつったとしても通常は何十分も痛みが続くことは少なく、数十秒から数分以内におさまることがほとんどです。実は、足がつる原因は、はっきりとは分かっていません。しかし、筋肉の冷えや疲労で、筋肉の制御機能がうまく働かなくなることが原因で起こるのではないかと言われています。
対処法は?
足がつったときには、どのように対処したらいいのでしょうか。まず、座っているときに足がつったら、体の力を抜いて楽な姿勢を取り、つっぱった足の筋肉の緊張を解きほぐしていきましょう。
座った状態で、つった足のつま先を手で掴み、ゆっくりと手前に引いてください。しかし、妊娠後期にはお腹が大きくなり、つま先が掴めないこともあります。手が届かないときには、タオルを足にかけてゆっくりと伸ばしてください。
就寝中に足がつったときにも、基本的には座り姿勢のときと同様です。横向きになり、つった足のつま先を手前に引きます。慌てずに、ゆっくりと行いましょう。
ふくらはぎを伸ばした状態で、柔らかくふくらはぎや足の裏をマッサージするのもおすすめです。
妊婦さんの足がつるのはなぜ?原因を解説
妊娠したら、なぜか足がつりやすくなったという人も少なくありません。妊婦さんの足がつるのは、以下の3つが原因だと考えられています。
- ミネラルと水分不足
- 運動不足
- 骨盤の歪み
それぞれの原因を解説していきます。
ミネラルと水分不足
妊婦さんの足がつりやすい原因の1つには、ミネラル不足や水分不足が考えられます。カルシウム・ナトリウム・亜鉛などのミネラルは、筋肉の収縮や神経がスムーズに働くためには欠かせない栄養素の1つです。
食生活の偏りなどでミネラルバランスが乱れると、足をはじめとする筋肉の動きが鈍くなってしまいます。そして、水分不足になっていると血流にも悪影響を及ぼします。ミネラルと水分のバランスが崩れると、足がつりやすくなってしまうので注意が必要です。
運動不足
妊婦さんの足がつりやすいのには、運動不足も関係していると言われます。妊娠してから、運動する機会が減ったという人も多いでしょう。
足の中でもふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれ、体中の血流にとって重要な役割を持つ筋肉です。足は、心臓から最も遠く重力の影響も受けるため、血流が滞りやすい部分です。そこで、ふくらはぎの筋肉が収縮してポンプのように、心臓に血液を押し戻す作用をしているのです。
運動不足でふくらはぎの筋肉を動かす機会が減ると、筋肉が凝り固まり、血流を押し戻す作用が鈍くなってしまうことがあります。妊婦さんには、血の巡りを活発化させるためにも、適度な運動が重要だと分かりますね。
骨盤の歪み
妊娠中に足がつる原因の1つには、骨盤の歪みも考えられます。妊婦さんは、子宮に赤ちゃんがいるため、骨盤が開いた状態になります。
骨盤が開くと、骨盤から太ももの筋肉が引っ張られた状態になりやすいです。すると、太ももの筋肉の動きに連動して、ふくらはぎの筋肉も引っ張られてしまうのです。
また、妊娠後期でお腹が大きくなると、足の付け根にある血管が圧迫され、足の動きに必要な酸素や血液が届けられにくくなるとも考えられています。血行不良を防ぐためにも、足をあたため、むくみを放置しないことが大切です。
妊婦さん必見!足がつるのを予防する方法
妊娠すると足がつりやすいというのは耳にしていても、毎日のようにこむら返りが起こると日常生活で不便を感じることもあるでしょう。足がつるのを予防するには、以下の4つの方法があります。
- ミネラルを摂取する
- 寝る前に水分補給をする
- ふくらはぎのストレッチをする
- 全身をあたためる
それぞれの方法を解説していきます。
ミネラルを摂取する
妊娠中に足がつらないようにするには、ミネラルを摂取してバランスのとれた食事を目指しましょう。日頃から、乳製品や野菜、魚介類、豆類などをバランスよく3食の食事に取り入れて、カルシウム・カリウム・マグネシウムを摂取するのが理想的です。
妊婦さんは、特にマグネシウム不足になりやすいため、毎日の食事を見直してみることをおすすめします。食事だけで補給するのが難しい場合は、主治医に相談し、サプリメントの活用も検討しましょう。
寝る前に水分補給をする
足がつるのを防ぐために、お風呂に入る前、寝る前のタイミングで水分補給をすることが大切です。就寝前に、コップ1杯のお水を飲みましょう。寒い冬に体を冷やしたくない妊婦さんには、白湯をおすすめします。
ふくらはぎのストレッチをする
妊婦さんの足のつり予防には、ふくらはぎのストレッチもおすすめです。硬くなった筋肉を、ストレッチで伸ばして柔らかくしましょう。
【ふくらはぎのストレッチ】
- 両足を肩幅に広げて、壁に手をつくか、テーブルや椅子に手を掛ける
- 片足を一歩後ろに引き、もう一方の足の膝を曲げる
- ゆっくりと後ろの足のかかとを床につけ、ふくらはぎを伸ばす
- 20秒~30秒間、キープする
腰を痛めないように注意して、気持ちよさを感じる程度に、ゆっくりと伸ばしましょう。ストレッチを行うタイミングは、お風呂上がりや就寝前がおすすめです。寝る前のストレッチは、血行がよくなり体温が上がるため、ぐっすりと眠ることができます。
全身をあたためる
妊婦さんの足のつりを予防するには、全身をあたためることも大切です。お風呂はシャワーで済ませてしまうという人もいるかもしれません。しかし、体をあたためるためには、湯船に浸かることをおすすめします。
40度程度の熱すぎないお風呂に、15分程度ゆっくりと浸かりましょう。体をあたためることで血流が促されますよ。
就寝中に足がつってしまうのを防ぐためにも、入浴後に足冷え対策をしておくことが有効です。お風呂であたたまった足を冷やさないように、寝るまでの間は靴下などで保温も忘れずに行いましょう。
また、就寝中の冷え対策には、レッグウォーマーがおすすめです。
まとめ
妊娠中に足がつりやすいのは、運動不足やミネラル不足などが原因と考えられています。また、妊婦さん特有の骨盤の歪みも関係していると言われます。体のバランスを整えるためにも、5本指ソックスを試してみてはいかがでしょうか。
ケアソク〈ととのえる〉は足指が動かしやすく、血行促進にも役立つ5本指ソックスです。
また、お風呂上がりから寝るまで足を保温するためには、ケアソクの靴下〈あたためる〉もおすすめです。本記事で紹介したケア方法とともに、ケアソクの靴下もぜひ試してみてください。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
