冷え性のための靴下の選び方と症状の改善方法を解説
「足冷えがつらくて、朝はなかなかお布団から出られない」「改善する方法は?靴下はどれを選べばいいの?」
足が寒くなりやすい、足がむくみやすいなど、冷え性で悩んでいる人はたくさんいます。ゾクゾクと冷えを感じて、冬はあたためグッズが手放せず、夏の冷房でも足冷えを感じてつらいと思うこともあるでしょう。冷え性の人には、どんな靴下が向くのか気になる人もいるかもしれません。
そこで今回は、冷え性の改善方法や靴下の選び方を解説します。
冷え性に靴下は有効?選ぶ前の基礎知識
冷え性の改善に靴下は効果があるのかを知るためにも、冷え性とはそもそも何かとともに、冷え性の症状や原因などについて基本的な情報を押さえていきましょう。
- 冷え性(冷え症)とは?
- どんな症状が出る?
- 原因は?
一つずつ、詳しく紹介していきます。
冷え性(冷え症)とは?
冷え性(冷え症)とは、医療機関の検査などで異常がみられなくても、手足が冷える、足が冷たいなどの症状を感じることをいいます。よく聞く言葉ですが、実は医学的にある病名ではありません。あくまでも、冷えていると自覚している状態のことを指します。
ただし、病名がつかないからといって冷え性を放置するのはよくありません。冷えの症状が進むと、内臓の働きの悪化や、免疫力の低下につながってしまうためです。冷え性の原因や改善方法を知り、冷え対策に取り組んでいくことが大切です。
どんな症状が出る?
では、冷え性になるとどんな症状が出るのでしょうか。冷え性の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 手足が冷たくて、温めてもなかなか温まらない
- 寝起きが悪くてパッと起き上がれない
- 気温が高い日でも汗をかかない
- 倦怠感があり、休んでもなかなか疲れが取れない
原因は?
冷え性の原因には、運動不足、足のむくみ、内蔵の冷え、ストレスが関係していると言われます。特に、ふくらはぎは足先に溜まった血液を押し戻す、ポンプのような役割を担っています。
運動不足で足の筋力が低下すると、ふくらはぎの筋力も弱まり、全身に血液を送り出す力が低下してしまいます。
そして、内臓の冷えにも注意が必要です。足の冷えは、子宮や卵巣、腸など内臓の機能低下とも密接に関わっています。内臓の機能が低下すると、同じ神経で支配されている皮膚や筋肉にも影響が出て、手足の冷えにつながってしまうのです。
また、冷え性にはストレスや精神的緊張も関係していると言われます。ストレスが原因で交感神経が緊張すると血管収縮を起こし、手足が冷たくなってしまうためです。心身ともにリラックスして、副交感神経を優位にすることが大切です。
冷え性を改善する5つの方法!靴下選びとともに実践しよう
冷え性を改善するために、意識したい生活習慣を5つご紹介します。
- ゆっくりと入浴する
- マッサージする
- 食事に気を配る
- 生活リズムを整える
- 運動する
一つずつ、解説していきます。
ゆっくりと入浴する
冷え性を改善するには、ゆっくりと入浴しましょう。体をあたためることが大切です。普段はシャワーで済ませてしまうという人も、湯船に浸かる習慣に変えてみてください。入浴法のポイントをご紹介します。
【冷え性を改善する入浴法】
- 38℃〜40℃くらいのぬるめのお湯を張る
- 15分〜20分程度ゆったりと浸かる
- 就寝の1〜2時間前には入浴する
お風呂に入ると、血の巡りがよくなり、体の芯から体があたたまります。注意したいのはお湯の温度です。熱いお湯に入ると、心拍数や血圧が上がり、激しい運動をしたときと同じような体の状態になってしまいます。
熱いお湯でゆっくり浸からないうちに上がってしまうと、皮膚の表面温度は上がっても、芯からあたたまった状態とは言えません。体の中心部を温めることが、冷え性の改善へとつながります。そして、お風呂から上がった後は、早めに靴下を履いて、温まった足を保温しましょう。
マッサージする
冷え性を改善するには足のマッサージもおすすめです。足やふくらはぎの筋肉をほぐすと、血液の循環がよくなりますよ。冷え性の改善に効果のある、足裏マッサージ法を紹介します。
【足裏マッサージ】
- 椅子に座り、右足を左足の太ももの上に置く
- 左手で握りこぶしを作り、右手は足首を押さえる
- 右足の土踏まずの真ん中からかかとにかけて、こぶしの第二関節を使ってこする
- かかとを左手の親指で押し、足の指も1本ずつほぐしていく
- 右足が終わったら、左足も同様に行う
【冷え対策に効果的なツボ押し】
冷え性に悩む方は、三陰交(さんいんこう)という、冷えに効くと言われるツボを押してみましょう。三陰交は、内くるぶしの最も高い部分から指4本分上の位置になります。ここを親指でゆっくり5秒押して離すことを1~2分続けてみるとよいでしょう。
足をマッサージすると、足や体がポカポカするのを感じるはずです。どちらも気持ちよいと感じる強さで、無理せず行いましょう。そして終わった後は、靴下やレッグウォーマーで保温しましょう。
食事に気を配る
冷え性の改善には、食事に気を配ることも大切です。食べ物の中には、体を冷やす食べ物、温める食べ物があります。特に、夏野菜は、冷たいまま食べると体が冷えやすくなってしまいます。
ナス・ピーマン・トマトなどの夏野菜を食べるときは、煮る・焼く・蒸すなど、温める調理法に変えてみましょう。
体をあたためる食べ物には、生姜や唐辛子、玉ねぎ、にんにくなどがあります。唐辛子に含まれるカプサイシン、加熱した生姜に含まれるショウガオールは、体を温める効果があるため、積極的に摂りましょう。
生活リズムを整える
冷え性の改善には、生活リズムを整えることも大切です。不規則な生活が続くと、体内時計にズレが生じて、自律神経が乱れやすくなってしまいます。
規則正しく、生活リズムを整えることが大切です。できるだけ朝は決まった時間に起きて、太陽の光を浴びましょう。また、1日3回の食事は、自律神経を整えるためにも重要です。可能であれば、毎日同じ時間に3回の食事を摂りましょう。
運動する
冷え性を改善するには、運動が欠かせません。血流は、筋肉の動きによって促進され、筋肉自身にも熱を生み出す働きがあります。
足が冷えやすい人は、筋肉量を増やすことを目指して、下半身を動かすストレッチ、屈伸やスクワットなどをおすすめします。ウォーキングもよいでしょう。
冷え性の人に向く靴下は?
入浴やマッサージで足をあたためた後には、ルームソックスで保温しましょう。冷え性の人は、靴下にもこだわってみてはいかがでしょうか。靴下選びのポイントは、以下の3つです。
- 保温力がある
- サイズが足にあっている
- ふくらはぎをカバーする
それぞれのポイントを、詳しく紹介していきます。
保温力がある
冷え性の人に向く靴下は、保温力のある靴下を選ぶことも重要です。具体的には、靴下の素材や厚みに着目しましょう。
素材は、合成繊維よりも、ウールやシルクなどの天然素材をおすすめします。天然素材は通気性がよいため、汗をかいても蒸れにくく履き心地がよいという特徴があります。
また、足冷え対策用の靴下には、二重構造になっていて保温力の高い靴下があります。素材や厚みに着目して、保温力のある靴下を選びましょう。
サイズが足にあっている
冷え性の人が靴下を選ぶ際には、サイズが足にあっているかどうかも重要なポイントです。靴下のサイズが小さいと、足首や足部を締め付けてしまうため、血行が悪くなるなどの悪影響を与えてしまいます。冷え対策のために靴下を重ね履きするときにも、サイズ選びには十分に注意しましょう。
ふくらはぎをカバーする
冷え性の人には、ふくらはぎをカバーする丈の長い靴下がよいでしょう。前述した通り、ふくらはぎは足の血流循環に重要な、第二の心臓とも呼ばれています。
丈の短い靴下は、ズボンと靴下の間の隙間から冷気が入り込み、足部やふくらはぎが冷えてしまうことがあります。ふくらはぎが冷えて動きが鈍くなってしまうと、血液の循環に悪影響を与えてしまうのです。
冷え性を改善するためには、すっぽりとふくらはぎをカバーする丈の靴下を履いて、収縮運動をサポートしましょう。
まとめ
冷え性の改善には、入浴法や足裏のマッサージ、食事や運動など、日常生活で取り入れられる方法がいくつかあります。入浴やマッサージで足を温めたあとは、あたたかさを保つために保温力の高い靴下を着用しましょう。素材や厚み、丈の長さなどにもこだわって、足をあたためる靴下を選んでみてはいかがでしょうか。
ケアソク〈あたためる〉は、1足編むのにセーター2着分の糸を使用した独自の二重パイル構造を持つ靴下です。膝下まである長い丈でふくらはぎをすっぽり包み、収縮運動をサポートする靴下を、ぜひ試してみてください。
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記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
