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変形性膝関節症で膝が痛い!歩行の仕方と改善方法を解説

変形性膝関節症で膝が痛い!歩行の仕方と改善方法を解説

「変形性膝関節症になった。膝に負担のかからない歩き方は?」「運動療法がいいの?」
変形性膝関節症で歩くたびに膝が痛むという人は多くいます。膝の痛みは、歩行の仕方を変えることで軽減できるかもしれません。

そこで本記事では、変形性膝関節症についてと、予防のための歩き方のポイントを解説します。歩き方以外で、変形性膝関節症の痛みを軽減する方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。


歩行時の膝痛をどうにかしたい!変形性膝関節症とは?

歩行時の膝痛をどうにかしたい!変形性膝関節症とは?

そもそも、変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは、どのようなものなのでしょうか。まずは、以下の2つの観点から、変形性膝関節症について解説します。

  • 変形性膝関節症とは
  • 変形性膝関節症になりやすい人は

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々に摩耗し、薄くなっていく病気です。軟骨は骨と骨の間の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしており、関節の動きをスムーズにする重要な組織です。

しかし、変形性膝関節症になると、軟骨が摩耗して薄くなり、最終的には骨と骨が接することがあります。改善するには、運動療法、体重管理、外科的手術などの方法があります。

いつもと違う痛みを膝に感じたら、自己判断せずに、整形外科などの専門医を受診しましょう。

変形性膝関節症になりやすい人は

変形性膝関節症は、加齢が原因になることもあります。年齢を重ねるにつれて膝の軟骨の弾力性が落ちることが一因です。

また、一般的には男性よりも女性に病状が見つかる頻度が高いと言われています。女性が多い原因は明確には解明されていませんが、男性と比較して関節が小さい、筋力が不足している、更年期以降で女性ホルモンが減少していることなどが関係していると考えられています。

また、肥満や筋力の衰え、スポーツの経歴や膝周囲の怪我の既往なども発症の原因だとされています。


変形性膝関節症の痛みを軽減するための歩行

変形性膝関節症の痛みを軽減するための歩行

変形性膝関節症で膝の腫れや痛みが強いときは医師の診断を受けて、安静にしましょう。しかし、痛みが治まったら少しずつ動いて、運動不足を解消することが大切です。

このとき、正しい歩き方を身につけることをおすすめします。正しい歩き方をすると、あおり運動によって膝関節内での荷重がうまく分散されます。変形性膝関節症の方の場合は、関節内の同じ場所に荷重がかかり続けることも痛みの原因と言われています。そこで、あおり運動を意識した正しい歩き方を解説します。

まず、まっすぐ前を向き足の指を床にしっかりと付けて、体重を足底全体に均等に分散するように立ちます。このとき、足の指にも体重がかかるように意識してください。

そして、一歩を踏み出してみましょう。かかとから着地し、足を蹴り出すときは、足指をしっかりと活用するイメージを持って自然に蹴り出しましょう。
理想的な歩行姿勢では重心は、かかと→足の外側→足指の順番で移動していきます。これをあおり運動といいます。

足を蹴り出すときは、足指をしっかりと活用するイメージを持って自然に蹴り出しましょう。特に、親指を使うことを心がけてください。

歩き方は、意識しなければなかなか改善できません。家の中で歩くとき、買い物や散歩で外に出るときなど、日常生活の中でぜひ歩き方を意識してみてください。


変形性膝関節症の予防に向けた運動

変形性膝関節症は、足の筋力不足も原因となるため、トレーニングやストレッチをするのも有効です。ここでは、変形性膝関節症の予防に向けた2つの運動を紹介します。

  • 内転筋(ないてんきん)・内側広筋(ないそくこうきん)のトレーニング
  • ハムストリングスのストレッチ

それぞれの方法を、詳しく見ていきましょう。

内転筋・内側広筋のトレーニング

変形性膝関節症の改善には、内転筋と内側広筋のトレーニングがおすすめです。太腿(ふともも)の内側に位置する内転筋群は、脚を閉じる動作を助ける筋肉です。内側広筋は膝をしっかり伸ばしきるために必要な筋肉です。

内転筋群の筋力が低下すると、太腿が外側に開きやすくなり、歩く姿勢が崩れてしまいます。内側広筋の筋力が低下すると、膝関節をしっかり伸ばせず、関節に負担がかかりやすい歩行になります。ここでは、内転筋と内側広筋強化のトレーニングを紹介します。

【内転筋・内側広筋強化のトレーニング】

  1. 前を見て立ち、膝の間にクッションを挟む
  2. その状態で膝を曲げ、クッションに対して圧力を加える
  3. ふとももの内側に力が入っている状態を保ちながら、ゆっくりと膝を元の位置に伸ばす

上記の1から3の手順を、10回繰り返してください。できれば、1日に1〜2セットを目指しましょう。膝を内側に絞るように、最後までしっかり伸ばしきることが大切です。自宅でも簡単に実施できるトレーニングなので、ぜひ試してみてください。
ただし、運動の際に痛みが出る方は無理に行わず、ストレッチやマッサージから始めてみましょう。

内転筋・内側広筋強化のトレーニング

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスは太ももの裏側の筋肉の総称で、膝を曲げるときに働きます。大腿四頭筋と同様、膝を動かす動作にかかわる重要な筋肉です。大腿四頭筋とあわせてストレッチしていくことで、膝の曲げ伸ばしをスムーズにする効果が期待できます。

【座りながら行うハムストリングスのストレッチ】

  1. 椅子に浅く腰掛ける
  2. 片方の足を前に伸ばし、つま先を上に向ける
  3. 背筋を伸ばしたままゆっくり身体を前に倒し、太ももの裏側を痛みのない範囲で伸ばし20秒ほどキープする
  4. 反対の足も同様に行う

これを左右2~3回ずつ行いましょう。

座りながら行うハムストリングスのストレッチ


変形性膝関節症の方が取り入れるべき歩行など日常生活の習慣

変形性膝関節症の方が取り入れるべき日常生活の習慣

変形性膝関節症になったら、改善のために日常生活で取り入れられる習慣はあるのでしょうか。ここでは、以下の5つの方法を紹介します。

  • ゆっくりと入浴する
  • 姿勢を正して座る
  • 膝を曲げる動作に気を付ける
  • 体重管理をする
  • ウォーキングをする

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

ゆっくりと入浴する

変形性膝関節症を改善するには、ゆっくりと入浴しましょう。お風呂に浸かるだけでも体があたたまる効果が得られます。

また、温水プールの中で歩行するのも良いでしょう。プールの中では水の浮力が働くため、膝へのストレスを軽減した歩行が可能です。筋力トレーニングを効率的に行えますよ。

姿勢を正して座る

膝の痛みの強い方には椅子での生活をおすすめします。
そして、変形性膝関節症による痛みや負担を軽減するには、姿勢を正して座ることが大切です。姿勢が良いときには、骨盤が倒れず正しい位置に配置されます。骨盤の位置を保つことで歪みを緩和することにもつながります。骨盤を正しく保つための座り方を紹介します。

【骨盤を正しく保つための座り方】

  1. 椅子に深く座り、骨盤を縦方向にキープする
  2. おへその少し下部分に微かな力を加えて座る
  3. 椅子の高さは、足の全体が床につく程度にする
  4. 足の全体を床につけ、両膝をつける

骨盤を正しく保つための座り方

膝に負担がかかりにくい生活様式にする

日本独特のライフスタイルでは、正座や布団での就寝など膝を曲げることが多く、変形性膝関節症の人にとっては厳しい環境かもしれません。
可能であれば、椅子やベッドを使用するなど、床からの立ち座りの少ない生活様式にすることをおすすめします。

体重管理をする

変形性膝関節症を改善するには体重管理をするのも大切です。体重が増えてしまうと膝への負担も増加してしまいます。歩く際にはおよそ体重の3倍程度の負担が膝にかかります。例えば、体重が10kg増えると、膝への負担は30kg増加すると考えられます。

体重増加は変形性膝関節症の症状を進めてしまう可能性があります。このことから、体重の管理は膝の健康を保つためにとても重要であることが分かります。

ウォーキングをする

膝の痛みの程度を見ながら、少しずつ歩くことで、痛みの軽減や、運動不足による筋力低下の改善につながります。

ウォーキングは、週に2~3回、約20分間続けてみてください。ただし、歩行場所は坂道や階段は避け、平坦な道を選びましょう。そして、適切なウォーキングシューズを履くことも大切です。

大きすぎる靴を履いていると、靴の中で足が滑って足指が曲がったり、歩くときの姿勢が悪くなってしまう恐れがあります。反対に、小さすぎる靴を履くと、靴と足の間で摩擦が起こり、タコやマメができてしまう可能性もあるため注意が必要です。

足のサイズだけでなく、足幅や靴底のクッション性などにも注目して、自分にあったシューズを選びましょう。


まとめ

本記事では、膝痛の緩和と関節機能の向上のための効果的な歩行の仕方と改善策について詳しく説明しました。適切な歩行法やトレーニングをすることで、膝の痛みが和らぎ、関節の可動域を広げ、筋力を強化することにもつながります。

さらに体重の管理やウォーキングも重要な要素です。効率的にウォーキングを行うために、5本指靴下の着用がおすすめです。5本指靴下で足指をしっかり使う歩き方を意識しましょう。正しい歩行は筋肉の向上にもつながります。

本記事で紹介したポイントとともに、5本指靴下も取り入れてみてはいかがでしょうか。ケアソク〈ととのえる〉は科学的エビデンスのある5本指靴下です。ご自身の膝の健康を守り、日々の生活をより快適に過ごすためにも、是非試してみてください。

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記事監修:理学療法士 北澤友子
イラスト:佐藤江理