ガニ股とO脚の違いは?正しい歩き方と改善法を紹介
「ガニ股を治す方法はある?」「O脚は改善できる?」
ガニ股やO脚で、自分の脚に自信が持てなくなったということはありませんか。また、長時間歩くと足が疲れやすいなどの不調を感じている人もいるかもしれません。
そこで本記事では、足の専門家が、ガニ股・O脚について詳しく解説するとともに、改善するための歩き方・トレーニングと予防法を紹介していきます。
ガニ股・O脚の基礎知識
ガニ股とO脚は似ているようですが、少し違います。
ガニ股の場合は膝頭(ひざがしら)が外側を向いているのに対し、O脚の場合は膝頭が内側を向いています。
また、ガニ股は歩き方に由来するのに対し、O脚は骨盤の歪みなど普段の姿勢に由来することが多いです。
まずは、ガニ股とO脚についての基礎知識を詳しく見ていきましょう。
- O脚とは
- ガニ股とは
O脚とは
O脚とは、両足部をくっつけて立ったときに、左右の膝がくっつかず離れてしまう状態のことです。立ったときに、脚がO(オー)の字の形をしているように見えることから、O脚と呼ばれています。
O脚になると、スキニーパンツやスカートが似合わず、脚の見た目で悩む人が多くいます。また、長時間歩くと膝が痛くなるといったことがあるでしょう。
ガニ股とは
ガニ股は、自然に立った状態で、つま先や膝の向きが外側を向いている状態です。大腿骨が外側にねじれるために、膝頭が外を向いています。
歩く姿がカニのように見えることから、ガニ股と呼ばれるようになりました。
素敵な洋服でおしゃれをしていたとしても、ガニ股歩きでは美しい印象を与えないため、悩む人もいるでしょう。また、ガニ股歩きは脚に負担がかかりやすいため、疲れやすさや痛みを感じる人もいます。
ガニ股・O脚の原因とリスク
ガニ股やO脚になってしまうのはなぜでしょうか。また、ガニ股やO脚になったときのリスクも知っておきたいものです。ここでは、ガニ股とO脚の、原因とリスクを解説していきます。
原因
ガニ股とO脚には違いがありますが、どちらも姿勢の悪さ、骨盤の歪み、股関節周囲の筋力低下、足のアーチ構造の崩れが原因だと考えられています。
股関節周囲の筋力が低下すると、骨盤が過度に前傾したり、後傾したりします。
骨盤が後傾すると、それに伴い大腿骨も外旋(がいせん=骨が外側にねじれるような動き)して、ガニ股となります。
逆に、過度に前傾すると、反り腰の状態になり、大腿骨と下腿の骨が内旋(ないせん=骨が内側にねじれるような動き)し、ふくらはぎが外に張り出した状態のO脚となります。前者は男性に多く、後者は女性に多いのが特徴です。
そして、足のアーチの崩れもガニ股とO脚を招くと考えられています。人の足裏には、アーチ構造があり、全体重や歩行時の衝撃を緩和させるクッションのような役割をしています。アーチの崩れを改善するために、歩く際には足指をしっかり意識して、筋力アップを目指しましょう。
原因
ガニ股・O脚は、脚の形状や姿勢に影響を与えることがあります。ガニ股・O脚の状態が長続きすると、膝や腰への負担が増え、関節痛や変形性膝関節症のリスクが高まります。
また、ガニ股やO脚になっている人は、アーチが崩れている人も少なくありません。アーチが崩れると歩行時の衝撃が吸収されにくく、膝や股関節への負担が増加したり、足が疲れやすく感じることがあるでしょう。
そして、体のバランスが崩れることで、腰痛や足のむくみなどの不調を感じる人もいます。見た目だけの問題と思わず、改善していくことが大切です。
ガニ股・O脚を改善する!歩き方とトレーニング
ガニ股・O脚を改善するには正しい歩き方を身に付けて、股関節周囲筋(内旋筋・内転筋)の筋力アップをしていくことが大切です。ここでは、ガニ股とO脚の改善に向く、歩き方とトレーニングを紹介します。
- ガニ股・O脚を防ぐ!正しい歩き方
- 股関節周囲筋の筋力アップ!クッションつぶし
ガニ股・O脚を防ぐ!正しい歩き方
ガニ股やO脚を防ぐには、正しい歩き方を身に付けましょう。歩き方のコツを紹介します。
理想的な歩き方では、以下の順に重心が移動していきます。
かかと→足の外側→親指の付け根
まずは、かかとから着地し、親指から自然に蹴り出すことをイメージしてみてください。
正しい歩き方は意識していないと身につきません。通勤中や通学中、ウォーキングをするときなどに、ぜひ実践してみてください。
股関節周囲筋の筋力アップ!クッションつぶし
次に、股関節周囲筋の筋力トレーニングを紹介します。
【股関節周囲筋を鍛えるクッションつぶし】
- 立った状態で、膝の間にクッションを挟む
- そのまま膝を曲げ、クッションを押しつぶすように力を入れる
- 太ももの内側に力が入っている状態をキープしながら、ゆっくりと膝を元の位置まで伸ばす
このトレーニングを、10回を1セットとして、1日に1~2セット行ってみましょう。股関節周囲筋が鍛えられると、歩行時のバランスが整い、足が疲れにくくなる効果が期待できます。走る・ジャンプするといったスポーツでの動作もスムーズになるでしょう。自宅で簡単にできるトレーニングです。ぜひ行ってみてください。
ガニ股・O脚を改善する生活習慣
ガニ股やO脚は、生活習慣での改善を心掛けるのがおすすめです。ここでは、ガニ股・O脚を改善する生活習慣、以下の3つをご紹介します。
- 座り方を見直す
- 足にあった靴を履く
- 五本指靴下を履く
座り方を見直す
1つ目は、座り方を見直すことです。骨盤を立てて、正しい姿勢で座ることを意識しましょう。座り方のコツは以下の3つです。
- 骨盤を床に対し垂直に立てる
- 足裏全体を床につけて両膝を付ける
- おへその下あたりに少し力を入れて座る
特に、仕事で座っている姿勢が長く続く人などは、座り方を時折見直してみましょう。姿勢が良くなると、猫背が改善され、肩こりや腰痛を緩和するのにも効果的です。首・背中・腰にかかる負担が軽減されるため、疲れにくくなりますよ。
足にあった靴を履く
2つ目は、足にあった靴を履くことです。正しい歩き方を実践するためには、毎日履く靴は、足長や足幅があったものを選び、足元を安定させましょう。ベルトや靴紐で、靴と足がしっかりと固定できる靴がおすすめです。
五本指靴下を履く
3つ目は、五本指靴下を履くことです。ガニ股・O脚になっているときには、足元のバランスが崩れやすいため、アーチサポート機能や足指が動かしやすい靴下を履くのがおすすめです。
五本指靴下は足指を動かしやすいため、しっかりと足指を使った歩行がしやすいです。
まとめ
O脚・ガニ股は、歩き方・座り方の改善や股関節周囲筋のトレーニングで改善することがあります。通勤通学時や、長時間歩くときには、ぜひ歩き方を意識してみてください。また、足元を安定させるためにも、自分のサイズにあった靴を履き、五本指靴下を試してみてはいかがでしょうか。
ケアソク〈ととのえる〉は足指が正しい位置に配置され、足のアーチをサポートする科学的エビデンスのある靴下です。筋力アップトレーニングや歩き方の改善とともに、ぜひこのような靴下も生活に取り入れてみてください。
●足のアーチをサポートし、重心バランスをととのえる
→ケアソク〈ととのえる〉シリーズはこちら
記事監修

北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者: 株式会社 山忠
