片方のふくらはぎが痛いのはなぜ?考えられる原因と正しい対処法
片方のふくらはぎだけが痛くて、何か悪い病気ではないかと不安に感じている方に向けて原因と対処法を解説します。
この記事では、片足だけ痛む理由や見逃してはいけない危険なサイン、病院へ行く目安を紹介します。読み終わると、症状に合わせてどのような対応を検討すべきかを整理できます。ふくらはぎの痛みは単なる疲れから血管の病気まで幅広いため、症状の変化を確認し、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。
片方のふくらはぎが痛いのはなぜ?考えられる主な理由
片方のふくらはぎに痛みが出る原因は、大きく分けて筋肉、血管、神経の3つの問題に分類されます。それぞれの原因によって痛みの感じ方や伴う症状が異なるため、自分の状態と照らし合わせて考えることが大事です。以下に一例を提示します。
原因の分類 |
考えられる具体的な状態 |
痛みの特徴 |
筋肉のトラブル |
筋肉疲労、肉離れなど |
動かしたときや押したときに痛む |
血管のトラブル |
下肢静脈瘤、深部静脈血栓症など |
だるさ、ズキズキとした痛み、腫れ |
神経のトラブル |
坐骨神経痛など |
しびれを伴う痛み、電気が走るような感覚 |
筋肉のトラブルによる痛み
ふくらはぎが痛む理由としてよく見られるのは、筋肉の疲労や損傷によるものです。運動不足の状態から急に激しい運動をしたり、長時間の立ち仕事を続けたりすることで筋肉に負担がかかり、痛みが生じます。この状態は一般的に筋肉痛として知られており、数日安静にすることで改善に向かうことが多いです。
一方で、スポーツ中に突然激しい痛みが走った場合は、筋肉の一部が断裂する肉離れを起こしている可能性があります。肉離れの場合は歩行が困難になるほどの痛みを伴うため、無理に動かさず専門医に相談することが望ましいです。
参考:日本スポーツ協会(旧日本体育協会)「肉離れに関する最新の指針(PDF)」
【関連記事】ふくらはぎの内側が痛いときの原因と予防方法、受診の目安までわかりやすく紹介|コラム「足のちえぶくろ」|ケアソク(CARE:SOKU)|株式会社山忠
血管のトラブルによる痛み
片方の足だけが痛む場合、血管の異常が原因となっているケースも少なくありません。代表的なものとして下肢静脈瘤があり、足の静脈の弁が機能しなくなることで血液が逆流し、血管が浮き出たり足がだるくなったりします。
また、深部静脈血栓症という病気では、足の深いところにある静脈に血栓が詰まり、急激な腫れやズキズキとした痛みを引き起こします。深部静脈血栓症は放置すると命に関わる疾患につながることがあるため、片足だけが急に腫れて痛む場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
参考:下肢静脈瘤って?|血管の病気を知ろう!予防にいかそう!血管の病気について日本血管外科学会
参考:深部静脈血栓症って?|血管の病気を知ろう!予防にいかそう!血管の病気について日本血管外科学会
神経のトラブルによる痛み
腰から足にかけて伸びる神経が圧迫されることで、ふくらはぎに痛みを感じることもあります。よく知られているのが坐骨神経痛であり、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが原因で引き起こされます。
この場合、痛みはふくらはぎだけに限りません。お尻から太ももの裏側にかけて、電気が走るような痛みやしびれを感じることがあります。立っているときや歩き続けたときに痛みが強くなることがあるため、腰に負担をかけにくい生活を心がけ、必要に応じて専門医に相談しましょう。
片方のふくらはぎが痛いときの正しい対処法
痛みの原因に応じた適切な対処を行うことで、症状の悪化を防ぎ、早期の回復を目指すことができます。ここでは、自宅でできる基本的なケアの考え方と注意点を解説します。
症状の状態 |
適切な対処法 |
避けるべき行動 |
筋肉痛や軽い疲労 |
軽いストレッチ、入浴で温める |
強く揉んだり叩いたりすること |
肉離れ直後の激痛 |
安静にして患部を冷やす |
患部を強くマッサージすること |
痛みを和らげるセルフケアの考え方
筋肉の疲労による軽い痛みや、一時的に筋肉がつるような痛みであれば、血行を促進することで症状が和らぐことがあります。入浴時に湯船に浸かって体を温めたり、足首から膝裏に向けて優しくさすったりすることが有効とされています。
ただし、強く揉んだり叩いたりすると筋肉の繊維を傷つけてしまう恐れがあるため、あくまで優しい力で行うことが大切です。また、ふくらはぎの筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチも、柔軟性を高めて痛みを予防する効果が期待できます。
【ふくらはぎのストレッチ】
- 立ったまま両足を肩幅に広げて、壁に手を付く
- 片足を後ろに引き、前に出ている足の膝を曲げる
- 後ろに引いた方のふくらはぎをゆっくりと伸ばす
- 20秒〜30秒キープする
片足3セットずつ行います。仕事で立ちっぱなし、座りっぱなしだという人は、仕事の合間にふくらはぎを伸ばしてみてください。ふくらはぎの血行を促し、むくみを解消させる効果が期待できますよ。
症状を悪化させないための注意点
ふくらはぎの痛みが強いときや原因が分からないときは、無理に動かさず安静にすることが基本となります。特に肉離れのような急性期のケガに対しては、温めるのではなく冷やす処置が適切です。患部を氷のうなどで冷やし、炎症を抑えることで痛みの拡大を防ぎます。
さらに、むくみや腫れを伴う血管のトラブルが疑われる場合は、マッサージによって血栓が血管内を移動してしまう恐れがあるため、患部を揉むことは避けましょう。
参考:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ外傷の応急処置(RICE処置)」
参考:日本集中治療医学会「肺血栓塞栓症に対する運動療法およびマッサージに関しまして」
エコノミークラス症候群が発症しやすい状況
片足のふくらはぎに痛みを感じたとき、その原因の一つとして考えられるのがエコノミークラス症候群です。厚生労働省の公表資料では、災害時の車中泊や長時間のフライトなど、狭い空間で足を動かさず同じ姿勢を続ける状況が発症リスクを高めると指摘されています。
こうした環境下では足の深部静脈に血栓ができやすくなり、大腿から下の脚に発赤・腫脹・痛みといった初期症状が現れることがあります。さらに血栓が血流に乗って肺の血管に詰まらせると、胸痛や呼吸困難、失神などを引き起こすことがあります。予防にはこまめな水分補給や足の運動が有効とされており、脚に異常を感じた際は早めに医療機関へ相談しましょう。
参考:厚生労働省ホームページ「深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)について」
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- ふくらはぎの痛みは筋肉、血管、神経のトラブルに分けられる
- 急な腫れや変色、激しい痛みがある場合は速やかに医療機関を受診する
- 筋肉痛には温め、急性期のケガには冷却が基本となる
自分の症状を理解し、適切な対処を検討することで、足の痛みによる不安を軽減しやすくなります。また、普段からできる予防として、ふくらはぎの筋肉をしっかり動かすことも大切です。5本指靴下で足指をしっかり踏ん張って歩くことで、ふくらはぎの筋肉を効率的に使うことが可能となります。
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記事監修
北澤 友子(きたざわ ともこ)
理学療法士
保健学修士
シックネイルケアセラピスト
新潟医療福祉大学大学院修了後、同大学の非常勤講師を担当しながら、リハビリの臨床現場をメインに活躍中。足・靴下・歩行に関する研究を学会にて多数発表。介護予防・健康増進など自治体の健康事業にも携わる。
【学術論文、研究発表】
前足部内外面に滑り止めを有した靴下が歩行時のクリアランスに及ぼす影響,"北澤 友子(新潟医療福祉大学 大学院医療福祉学研究科), 阿部 薫, 伊藤 菜記",靴の医学(0915-5015)31巻1号 Page83(2017.08),会議録
転倒防止と屋内移動効率の向上を目指した滑り止め構造を有する靴下の開発,"北澤 友子(らぽーる新潟ゆきよしクリニック), 阿部 薫, 笹本 嘉朝, 後藤 可奈子, 中林 功一, 中林 知宏, 亀山 貴司",The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine(1881-3526)JARM2016 Page I397(2016.06),会議録
ほか
著者
株式会社 山忠
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